経理に関して「入力なども苦手だけど、そもそも書類の整理がキライ」という方は意外に多いのではないでしょうか。今回は経理に関する書類の整理方法について考えてみましょう。

「書類の整理が苦手なんですよ」という悩み

確定申告の時期には個人事業者の方とお話をする機会が増えますが、そうした際によく伺う悩みのひとつが

「税理士に提出・提示する書類の整理が苦手、うまくできない」

というもの。

「経理」と聞くと反射的に「イヤだ」と感じる方は世の中に多いかもしれませんが、その理由のひとつは「書類の整理」にあるのではないでしょうか。

ついつい貯めてしまったレシートや請求書などの束を見ては

「整理する気がおきない、やりたくない」

という気分になり、あちこち書類を放置した結果、税理士に提出する資料のモレに後から気がついたなんてこともあるのではないでしょうか。

そこで今回は、こうした経理書類の整理方法について解説します。

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経理に関する書類を整理するためのポイントは?

「解説します」なんてエラそうに書きましたが、ポイントは

  1. 保管場所を決める(固定する)
  2. その保管場所に入れるルールを決める

のたったの2つです。

ひとつめのポイントして、受け取ったレシートや請求書などを入れる場所を決めましょう。

「場所を決める」ときに注意すべきは

  • 書類を入れる入れ物を決める
  • 入れ物を置く場所を決める

という2つの場所を決めることです。

入れ物としてはクリアファイルでも封筒でもなんでも構いませんが、置き場所はわかりやすい場所にしておきましょう。

いざ書類を入れ物に入れようとしたときに

「どこに片付けたかわからない」

となってしまうと探す時間がムダですし、見つけるのを諦めて別の場所に保管してしまうと、最初に保管した分の処理を漏らしてしまう可能性が高いです。

また自分で経理をしている方については

  • 未処理
  • 処理済み

の入れ物をきちんと分けるようにしておきましょう。

「このレシートって会計ソフトに入力したっけ?」と悩む時間がもったいないですし、入力のダブりやモレの原因となります。

ご自身の経理の状況に応じて「入れ物」と「置き場所」を「固定」するのがまず第一のポイントです。

二つ目のポイントは、固定した保存場所に「いつ」「どのように」書類を保存するのか「ルール」を決めることです。

場所を決めても、書類をそこに入れないと仕組みとして機能しません。

自分で経理をしている方であれば、お店で受け取ったレシートについて次の4つのことをルールとして決めましょう。

  1. お店で受け取ったレシートは必ずその場で財布に入れる
  2. 次の日の朝に財布の中を確認する
  3. 財布の中のレシートを「未処理」の入れ物に入れる
  4. 経理処理が終わったら「処理済み」の入れ物に入れる

毎朝行うことは2と3だけです。これだけであれば5分もあれば十分でしょう。

これを平日毎日行ったとすると、1ヶ月あたり

5分×5日×4週=100分

の経理処理を行ったことになり、意外としっかりと経理処理に時間をかけることになりますが、気分的には負担とは感じないでしょう。

月に1回、アチコチに散らばったレシートを探しながらイヤイヤ整理するのとどちらが作業を始めるためのハードルが低いでしょうか?

最初は「ルール」として運用をすることになりますが、続けているうちに「習慣」となります。

「習慣」になってしまえば、苦痛を感じることなく続けることができます。

書類(レシート、取引先から受け取る請求書など)の種類に合わせていくつかルールを決める必要がありますが、可能な限りシンプルで続けやすいルールを設定することがポイントです。

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書類がデータになれば悩みはなくなる?

経理書類の整理という悩みは、紙の書類だから起きるものでしょうか?

仮に書類をすべてデータで受け取るようになっても、同様の悩みは消えることはありません。

データで受け取るといっても

  • メールの添付ファイルとして受け取る
  • 取引先が指定したリンク先からダウンロードする
  • ネットショップのサイトで領収書をダウンロードする

といったように、受け取り方はひとつではありません。

この場合も

  • 場所:パソコンのフォルダ?電子データ保存サービス?サイト上にそのまま保存?
  • ルール:受け取ったらすぐに決められた場所に保存する、など

といった紙の書類と同様の仕組みを作っておかないと

「経理に必要な書類がどこにあるのかわからない」

という状態になってしまいます。

「デジタル化が進めばこうした悩みはなくなるわけではない」という点には注意しておきましょう。


今回の内容については、見る人が見れば「当たり前」と思うかもしれません。

実はそうなんです。経理書類の整理というのは、当たり前のことを当たり前のようにやることが最善の方法です。

毎日コツコツと続けるのが最強なんです。

実現したいのは

「この場所を確認すれば確実に必要な書類がある」

という状況を作り出すこと。

これができれば探し物に時間をかけることもなくなり、経理に関するストレスも減ります。

「書類の整理が苦手だ」という方については、今回の内容を参考にいろいろと試してみていただければと思います。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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