施策の効果を測定しようとする場合、意外と「データをきちんと取れていない」ということはありませんでしょうか。PDCAを回すためにもデータを準備することは大事、というお話です。
「どうやって見つけていただけましたか?」
事務所ホームページ経由でお問い合わせや仕事のご依頼をいただきますが、そうした方とお話しする際には、最初の雑談の中で
「どうやって事務所のホームページを見つけてもらったのか」
について伺っています。
回答としては
「Googleで検索して見つけた」
「Googleマップに出てきた」
「会計ソフトのホームページで見かけた」
などいろいろな経路があります。
こちらの本音としては、どのような検索ワード等で見つけてもらったのかわかると非常に助かるのですが、中々そこまで記憶している方は多くはありません。
自分自身が検索で情報を探す時のことを考えてみても、確かにいろいろ試しているうちになんとなくたどり着くことも多いですから、そこまで求めるのはムリがあるでしょう。
実際のところ雑談の中で軽くお話しするだけなので、そこを追求してイヤな印象を持たれても困りますので、サラッと伺うだけにとどめています。
どうしてこのような話を毎回するかといいますと、こうした情報が本当に貴重だからです。
ホームページなんて見つけてもらってナンボですから、「どうやって」見つけたという情報は、今後の施策を検討する上で欠かせない情報です。
見つけてもらうために
- ホームページ内の情報の拡充
- Googleマップ(マイビジネス)の情報の整備
- ブログの定期的な更新
- 会計ソフト会社のホームページに情報を掲載
- 他社等で記事を掲載してもらう
などいろんなことをやっていますが、「どれが」問合せにつながっているのかがわかれば、そこを強化するという方向で考えることができます。
施策を検討するために、まずデータを集めてもらう
お客さまと売上などについて話をするときも、判断するための材料(データ)があるかについてお聞きすることが多いです。
例えば小売業のお客さまの場合、売上が増えた月があったときに、思い当たる原因について伺います。
例えば
- 気温が上がったことで特定の商品の売り上げが増えた
- インバウンドで外国人旅行者の来客数が増えた
- 店頭ではなくネットでの販売が増えた
等々。
IT化を進めている会社であれば、積極的に詳細な販売情報を入手・分析して、例えば天気予報を見ながら仕入する商品の数量を変更する、といったことができているところもあるでしょう。
ただ、小規模な事業者の場合、そこまでできていないことも多いものです。
「なぜかわからないけど調子がよかった」
「いつもより来客が多かった気がする(いつもより忙しかった)」
「最近よく外国人のお客さんを見る気がする」
といった感覚的な分析で止まってしまっているケースもよくあります。
このような状況の場合、いきなり大がかりなデジタル化を進めるのは難しいですが、最初のステップとして
「テーマを決めてデータを集めませんか」
といったお話をしています。
最も簡単な例でいえば、売上合計しか見ていない状況に対して、商品別やカテゴリー別に内容を分けて数字を確認するといったことが挙げられます。
これだけでも
「Aという商品が売れていると思っていたけれど、実際はBの方が安定的に売れている」
といった気づきは得られるものです。
データがないとPDCAも回せない
経営に関するデータを集めることができると、仮説を立てることができます。
例えば
- Aという商品の宣伝を強化すれば、もっと販売を伸ばせる余地があるのでは?
- 実はBという商品を伸ばすことを考えた方が、売上はもっと増えるのでは?
といった具合です。
仮説を立てることができれば、仮説に応じて経営上の施策を打つことができます。
そしてこの時点でデータは把握できるようになっているわけですから、実際の売上につながったのかどうか、その効果を測定することも可能です。
思ったような効果が出なければ、別の施策を考えることができます。
別に難しい話をしているわけではなくて、要するに
「PDCAをきちんと回しましょうね」
という話をしているだけではあるんですが。
ただそもそもデータがないと、P(=Plan、施策)を立てるにも当てずっぽうになってしまいますし、そもそも何をすればいいのか思いつきすらしないかもしれません。
さらに施策を実施したとしても、データがなければC(=Check) ができません。
効果があったのかきちんと測定できないと、ズルズルと効果がない施策を続けてしまうことにもなりかねませんし、次のA(=Action)に進めません。
だからこそ、売上を伸ばしたいけれど何をしていいかわからないと悩んでいる場合は、まずデータを揃えて分析するところから始めてみてはいかがでしょうか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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