業務効率化にはデジタルツールの活用が欠かせませんが、今の時代ツールやサービスが多すぎてどれを選べばよいか悩むことも多いのではないでしょうか。そこで今回は採用するツール選びの基準について考えてみました。
目次
世の中にはデジタルツールがあふれています
業務効率化を考える上でデジタルツールの採用は必須といえます。
とはいえ、最近では次々と新しいツールが出てきますので、その中からどのツールを選ぶか決めるのは簡単なことはありません。
正直なところ、私自身も知らないツールはたくさんあり全然フォローできていない状況です。
すべてのデジタルツールを試した上で決めることが理想ではありますが、そんなことをしていたら時間がいくらあっても足りません。
導入するツールをどうやって決めるか、そもそも導入するか検討する俎上に載せるものをどうやって選んだらいいのか?
今回はこの点について考えてみたいと思います。
デジタルツールを検討する際のステップと基準
新しいデジタルツールを選ぶ際には、おおよそ次のようなステップで検討することにしています。
ステップ1:とりあえず公式サイトの情報を確認する
新しいツールについての情報を得た際に一番よくないのは
「何もしないこと」
です。
せっかく新しいツールのことを知ったわけですから、使えるかどうかの可能性くらいは確認しておきたいもの。
そこで、最初のステップとしてそのデジタルツールの公式ページを確認します。
機能や使い方などについてザッと目を通した上で
- 現在の業務を改善できる可能性を感じなければそれ以上は検討しない
- 改善の可能性が多少でもあると感じるのであれば次のステップに進む
としています。
忙しさにかまけてしまって、意外とこの点をやらないことが多いのではないでしょうか。
ウエブサイトの情報を確認するだけであれば5分もあれば十分です。ツールについての情報を得たのであればとりあえず5分だけ行動してみましょう。
少しでも気になるのであれば、タスクリストに
「○○(デジタルツール名)を試してみる」
と書き込んでおけばこの時点では十分です。
ステップ2:無料版をとりあえず使ってみる
デジタルツールについては、期間や機能限定であれば無料で使えるものがほとんどです。
気になったツールについては、時間を作ってとりあえずアカウント登録して使ってみます。
この段階では解説書を買ったり動画教材を使って勉強するところまでは無理にしません。とりあえず直感的に使ってみて、使えそうかどうか判断します。
解説等を読まずにある程度直感的に使えないツールの場合、導入後に使いこなせずに苦労する可能性が高いです。
だからこそ現在の自分のスキルや感覚で使えるかどうか確認します。
そうして使ってみて業務改善に役立ちそうだと感じたのであれば次のステップに進みますし、使いづらいと感じた場合はこのステップで中止します。
業務に使えるかどうか判断がつかないけれど、もう少し詳しい機能を知りたいと感じるようなケースも次のステップに進みます。
ステップ3:本格的に研究して業務で使ってみる
この段階では、実際に解説本に目を通したりして機能の詳細について確認をしていきます。その上で、実際の業務においても部分的に使ってみます。
いきなり全面的に導入するとうまくいかなかったときに大変ですので、部分的に導入してみて、想定していなかった問題点や機能の不足がないかなどを確認していきます。
業務に適用しても問題ないと判断できた(運用でカバーできるケースも含みます)段階で全面的に導入します。
最近は解説書以外にも動画教材などでツールの使い方を解説しているケースも増えてきましたので、こうした教材も積極的に活用します。
場合によっては解説書よりも動画教材の方が豊富に準備されていることもありますので、解説書があまりないと感じた場合は動画もチェックしてみましょう。
情報は自然に入ってくるのを待っておけばいい
そもそもこうしたツールを検討するにあたって、ツールについての情報をどこから得るかという問題があります。
具体的に「○○をしたい」ということが明確であれば、自ら積極的に検索するなどして情報収集すればいいと思いますが、「○○したい」が見えていないケースも多いものです。
普段からSNSなどでデジタルツールについてのユーザーの声を聞ける場を探しておいて情報収集するという方法も考えられますが、通常業務で忙しい方がそこまでする必要はないでしょう。
ではどうするかというと
「自然と情報が入ってくるのを待っておく」
という姿勢で十分だと考えています。
使いやすい便利なツールであれば自然とユーザー数は増えていきます。ユーザーが増えると様々な場面で取り上げられることが増えますので、そうした情報にふれる可能性は高くなります。
そうした情報を得た時点で、既に多くのユーザーの使用や批評に耐えるものになっているということです。
業務改善のためにデジタルツールを使いたい方の場合、その目的はあくまでも自身の業務を改善することです。
この場合
「多くの人が知らないツールをいち早く採用している」
という点に価値はありません。
ある程度普及した段階で検討することで、多くのユーザーによる使用方法や解説などの情報を活用できるというメリットがありますし、そのツールが将来的になくなってしまう可能性も低くなります。
業務効率化のためにデジタルツールを使いたいけれど、多すぎてどれを選べばよいかわからないという悩みをお持ちであれば、今回ご紹介した手順で検討してみてはいかがでしょうか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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