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弥生会計21になって、CSVファイルの取込にスマート取引取込を使うと、データの重複チェックができるようになりました。この方法について確認しておきましょう。

弥生会計21でのスマート取引取込の変更点

弥生会計21になってから、スマート取引取込で変更になった点が2つあります(私が気付いている範囲でですが)。

  1. 取込時のメニューの変更
  2. 付箋1欄に取引確認用の付箋が自動付与される

1については、弥生会計20ではスマート取引取込の画面に入ってから「CSVファイル取込」を選択していましたが、弥生会計21では、弥生会計からスマート取引取込に移動する際に、「CSVファイル取込」を選択するようメニューが変更されています。

弥生会計20でのメニュー

弥生会計21でのメニュー

今回取り上げたいのは、2の機能です。これをうまく活用すると、重複データのチェックがカンタンにできますよ、というお話です。

CSVデータをインポートして仕訳入力する際に、気をつけるべき点の一つが

「データの重複がないかどうか」

ではないでしょうか。

通常のCSVファイルのインポートでは、

  • インポート前にデータをExcel等でチェックする
  • インポート後に仕訳帳や残高チェックにより重複がないか確認する

といった方法でしか重複データのチェックができませんでしたが、スマート取引取込を使うと、弥生会計が

「このデータダブってませんか?」

と警告してくれるんです。

取込後の画面で表示されるマーク(付箋1)を活用しよう

では、具体的なやり方を確認していきましょう。

もし仮に次のようなCSVファイルを、スマート取引取込を使ってインポートしたとします。

2行目と6行目のデータが重複していますが、気付かずにインポートしてしまったというケースです。

スマート取引取込でのCSVファイルのインポート手順については、弥生会計20のものですが、次の記事で解説していますので、そちらを参照してください。多少手順は異なりますが、ほぼ同じです。

弥生会計への取込が完了すると、仕訳日記帳の画面が表示されます。

ここで左端の「付箋1」の欄を確認してみると、なにやらいろんなマークが表示されていることに気付きます。

このマークの意味については、弥生会計の次のサイトに説明があります。

スマート取引取込の仕訳の付箋(弥生会計 21以降)| 弥生会計 サポート情報

関連する部分を抜粋したものが、次の表です。

弥生HP「スマート取引取込の仕訳の付箋(弥生会計 21以降)」より抜粋

先ほどの、仕訳日記帳の画面で確認してみると、1行目と2行目に「!」マークが表示されていることがわかります。

この意味は、上の抜粋した表の中で

スマート取引取込から取り込んだ他の仕訳と重複の可能性があるなど、確認が必要な仕訳

とされていて、まさにCSVファイルにおいて重複していたデータに、この付箋が自動的に付されていることがわかります。

つまりデータの取り込み後に、この「付箋1」を確認すれば、重複がないか確認ができるというわけです。

この付箋1の自動付与については、最近導入された会計事務所向けの「記帳代行支援サービス」の中で説明は聞いていたのですが、このサービスを使っていなくても、重複データのチェックについては、スマート取引取込経由でデータを取り込めば使えるようです。

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新機能には意外と無頓着?気づいたものから使ってみましょう

弥生会計21でCSVファイルをインポートする際に、スマート取引取込を使って重複データをチェックする方法について解説しました。

実は私自身、先日この方法でデータを取り込んだところ、CSVデータの段階で気付いていなかった重複データを見つけることができました。

通常のCSVファイルのインポートでは、今回のようなチェックはできませんので、

「仕訳データのインポートは使ってるんだけど、データのダブりが結構あって・・・」

という方であれば、スマート取引取込を活用するメリットはあるでしょう。

もしインポートの前後に、目視でデータのチェックをされているのであれば、そうした目視確認は不要となります。

今回の内容は、まさに「新機能」を活用したチェック方法ですが、ソフトやサービスに新機能が追加されても、意外と従来のやり方を踏襲してしまって使わないものです。

とはいえ、実際にはこうして便利に使える機能もあるわけですから、気付いたものから順次取り入れていけば、仕事の効率アップにつながります。

今回解説した機能について「便利そうだな」と感じるようであれば、一度スマート取引取込を使ったCSVファイルの取込みを試してみてはいかがでしょうか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
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