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今回の確定申告より、マイナポータルと連携して保険料控除証明書や特定口座年間取引報告書のデータを取り込めるようになりました。ところがマイナポータル連携時に、エラーに遭遇しましたので、その原因と対策を整理しておきます。

確定申告書等作成コーナーとマイナポータルの連携が始まりました

国税庁が提供する確定申告書等作成コーナーを使って、確定申告をされている方も多いと思います。

今回の申告から、マイナポータルで取り込んだ生命保険料控除証明書や証券会社の特定口座年間取引報告書を、確定申告書等作成コーナーで取り込むことが可能となりました。

確定申告書等作成コーナーで取り込む前の準備については、国税庁の以下のサイトに説明がありますので、参考にしてください。

国税庁からのお知らせ

また、年末調整における同様の手続をまとめた以前の記事も参考になるかと。

ということで、どのように変わったのか実際に試してみたのですが、いきなりエラーがでて、うまく連携できないという状況に。

そこで今回は、まずマイナポータル連携でエラーとなった部分の対応についてまとめておきます。

連携後の確定申告書等作成コーナーの操作などについては、次回確認したいと思います。

マイナポータル連携の手順と表示されたエラー

具体的にどのようなエラーが発生したのかについて、マイナポータル連携の手順を確認しながらご説明します。

確定申告書等作成コーナー

「作成開始」-「e-Taxで提出 マイナンバーカード方式」-「利用規約に同意して次へ」

と進み、マイナンーバーカードで認証を行ってから「申告書を作成する」を選択し、「所得税」のメニューに入ると、従来とは異なる次のような画面が表示されます。

※ちなみにマイナンバーカードから読み取った登録情報の番地が半角だったりすると、「登録情報が正しくない」といったメッセージが表示されて先に進めません。半角数字を全角に修正すれば先に進めましたが、こうした細かい所も改善してほしいものです。

ここで「マイナポータルと連携する」をクリックすると、次の画面が表示されますので、「申請する方本人の情報を取得しますか」で「はい」を選択して、「取得する証明書等を選択する」をクリックします。

次の画面が表示されますので、生命保険料控除証明書や特定口座年間取引報告書を取得したい場合には、「民間情報の本人確認へ」をクリックし、住宅ローン控除の証明書を取得したい場合には「税務署情報の本人確認へ」をクリックします。

※今回は、「民間情報の本人確認へ」のみ行います。

 

「情報の提供に同意する」にチェックを付けて、「次へ」をクリック。

マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書パスワードを入力すると、次の画面が表示されますので、「データ取得」をクリックします。

ここで、エラーになりました。

エラーメッセージは、『マイナポータルと民間送達サービス(MyPost)の「もっとつながる設定」が正常に完了していないため、控除証明書等を取得できません。」と表示されています。

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データがなくてもMyPostを連携していないとエラーになる

このエラーにどのように対処したか説明する前に、マイナポータルについて少し説明しておきます。

マイナポータルにおいて、生命保険料控除証明書などのデータを取得するためには、「民間送達サービス」という民間のサービスとつなぐ必要があります。

現在マイナポータルでつなぐことができる「民間送達サービス」としては、

  • MyPost
  • e-私書箱

の2つがあります。

ところが、現時点ではMyPostを利用して生命保険料控除証明書や特定口座年間取引報告書の取込ができる会社はなく、すべてe-私書箱を通じた対応となっています。

この点については、国税庁の以下のサイトで最新状況が確認できます。

国税庁:マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧

MyPostから取り込むデータはないため連携は不要と判断し、マイナポータル連携を行う前に、e-私書箱の設定しか完了させていませんでした。

先ほどのエラーがでた後に、マイナポータルにログインして「もっとつながる」メニューで確認してみると、次のような状態になっていて、「MyPost」は「つながっていないウェブサイト」の中に含まれていました。

この後の対処としては、上記画面の「MyPost(日本郵便)」の部分をクリックして、マイナポータルとの連携を設定します。

設定には、ゆうびんIDが必須のようですので、お持ちでない方は設定が必要です。

以下の画面まで来て「次へ」を押すとMyPostとマイナポータルの連携は完了します。

ところが、この時点で確定申告書等作成コーナーでマイナポータル連携をしても、まだエラーがでます。

どうやら、上記画面の「MyPost(日本郵便)を利用する」をクリックして設定をしないと連携できないようです。

※ここで画面を変更してしまった場合は、マイナポータルの「もっとつながる」メニューで「MyPost(日本郵便)」をクリックすれば設定可能です。

次のような画面がでますので、MyPostアカウントを設定します(この時点で、「なんでゆうびんIDそのまま使えないの??」とイライラしてきました・・・)

途中の入力画面は省略しますが、MyPostの設定が完了すると、次のような画面になります。取得するデータはないので、レターの受取設定は不要です。

この後、確定申告書等作成コーナーに戻り、マイナポータル連携を行うと、取り込む証明書の選択画面が表示されますので、取り込みたい証明書にチェックを入れてから「証明書等の取得へ」をクリックします。

マイナポータルから取得した情報一覧が表示されますので、「次へ」をクリック。

これでようやく、マイナポータル連携から取り込んだデータを使って、申告書の作成をはじめることができるようになりました。

この時点で言いたいのはひとつだけ・・・

「なんで、現時点で一社も証明書の取込に対応していないMyPostの連携設定をしていないと、マイナポータル連携がエラーになるの??」

ですね。

初年度なので、まだまだ使いづらい部分が多いです。前途多難な予感がしますが、取込後の画面については、次回のブログにて。

 

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
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