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最近自分の「思い込み」のせいで、非効率な作業をしていることに気づく機会がありました。効率化を邪魔する「思い込み」について考えてみたいと思います。

セミナーを受講して気づいた非効率な照合作業

仕事でExcelを毎日のように使っていますが、定期的に本を読んだり、セミナーを受講するといったインプットを欠かさないようにしています。

先月受講したセミナーにおいて、自分が効率の悪いやり方をしていたと気付かされる機会がありました。

具体的には、2つのデータ(仮にデータAとデータBとします)を毎月照合する作業があるのですが、その照合作業を行うために、

  1. データAとデータBを1シートにまとめる
  2. 列を追加して「A」「B」どちらのデータかを示す情報を追加
  3. データBの金額だけ金額をマイナスに変更する
  4. ピボットテーブルで集計する

という流れで作業していました。

具体的には、このような感じになります。

A列・B列が元データを同じシートに集約したもので、C列に「A」「B」を追記。

そしてデータ区分がBの金額だけ手動(といっても、「-1」を形式を選択して貼り付けで乗算してですが)でマイナスに変更してから、ピボットテーブルを作成、という流れです。

このやり方でも2つのデータの差異を把握できるのですが、作業のたびに、

  • データ区分を追加
  • データ区分「B」の金額を手動でマイナスに変更
  • ピボットテーブルを作成(もしくは更新)

といった手間がかかります。

ではどうすれば、こうした手間を省けるか?

  1. Excelにシートを3つ準備する(データA、データB、データ照合)
  2. シート「データA」にデータA(会社名・金額)を貼付け、シート「データB」にデータB(会社名・金額)を貼付け
  3. シート「データ照合」に照合用の集計表を準備しておく

という手順で作業することにより、先ほどの作業の2~4を省略することができます。

Excelで作成するとこんな感じです(一覧にするために、1シートにまとめていますが、実際にはシートごとにデータを分けています)。

データAとデータBの黄色い部分が元データを貼り付けするエリア。

その右側にある表で、SUMIF関数を使って、黄色い部分のデータを集計しています。

このやり方の場合、新しい会社が追加されたときに見落としてしまう恐れがありますので、表の下に元データの合計を表示して、集計表と差異がないかをチェック。

差異がある場合には、集計されていない会社があるということになりますので、集計モレの会社を見つけて表に追加することになります。

いかがでしょうか?どちらのやり方の方がラクに感じますか?

後者の方が、会社が追加された場合のフォローが必要となるものの、データを貼付けるだけで照合が終わりますので、ラクだと思われるのではないでしょうか。

「思い込み」は効率化を邪魔する原因のひとつ

Excelでさまざまな機能を学んで使えるようになってくると、ついついそうした新しい機能を使おうとしてしまいます。

実際には上記作業の前に、元データからExcelの「区切り位置」機能を使って、毎回会社名を取り出すという作業もしていました。

これも関数を使って、元データをExcelに貼付ければ、自動的に会社名を取得できるように変更しました。

私だけかもしれませんが、いろんな機能を知って使うようになるうちに、

「ピボットテーブルでデータが一瞬で更新されるのって、なんかカッコイイ」

「関数使って表を作るより、ピボットテーブルで集計した方が柔軟に対応できるし便利」

「区切り位置機能を使えば、自由自在にデータを加工して、必要なデータを取り出せる」

などと考えるようになっていました。

でも、こうした考えはすべて私の「思い込み」。

もちろんピボットテーブルや区切り位置といった機能を使う必要がある場面はありますが、毎月の定型作業においては、関数を使って表を固定しておいた方が作業量としては少なくて済みます。

自分自身で「このやり方が正しいんだ」と思い込んでいると、もっと効率的なやり方があったとしても、それに気付かずに非効率なやり方を続けてしまうことになります。

効率化を邪魔するひとつの原因が自分の「思い込み」にあると、思い知らされる事例でした。

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自分の「思い込み」を壊すためにインプットを続ける

とはいえ、自分の「思い込み」は自分自身で気付くことは難しく、他人から指摘されて初めて気付くことが多いものです。

ではどうすれば、その他人から指摘される機会を増やすことができるか?

これはもうインプットを意識的に増やすしかないでしょう。

他人からの指摘、といっても面と向かって口頭で指摘されるのがすべてではありません。

  • 本を読む
  • オンライン・オフライン問わずセミナーを受講する
  • 積極的にいろんな場でアウトプットして、指摘(インプット)を受ける機会を増やす

など外部から刺激を受けるやり方は複数あります。

大事なのは、「自分が何か勝手な思い込みをしていないか?」という意識を持っておくこと。

「自分が絶対に正しい」という考え方では、インプットを受けても自分の「思い込み」に気付かないかもしれません。

インプットを意識的に増やすと同時に、そのインプットを受け入れる心の準備をしておく。

こうした姿勢でいれば、自分の「思い込み」をただせる機会は増えていくはずです。

自分の「思い込み」を見つけるためにも、今日から少しインプットを増やしてみませんか?

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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