仕事を続けていると、自分の限界はこのあたりかな、と感じることが時としてあります。そうした感覚とどのように付き合っていくべきか、そんなことを考えてみました。
ウン十年ぶりに読みなおして感じたこと
今回のタイトルみて、「一体どういうこと?」と思われた方がほとんどかと思います。
「地図を燃やす」(文春文庫)というのは、ノンフィクション作家である沢木耕太郎さんが書いたエッセイ集のタイトルで、最近になって、改めてこの本にどんなことが書いてあったのか気になり、読み直してみようと本屋に。
古い本ということもあり、絶版ではないみたいですが、在庫がなくまったく入手できず。やむを得ず今回中古本を入手して読み直してみました。
内容としては、著者が20代の頃に指揮者の小澤征爾さんにインタビューした際に聞いた
「三十までは何でもできると思っている。ところが三十すぎると自分に可能なことが、地図のようにはっきり見えてくるんですよ」
という言葉を、三十過ぎてから実感するものの、そのような地図のない生き方ができないかと願いつつ、
それにしても、脳裏に浮かぶ地図を、どうしたら燃やし尽くせるのだろう。
という一文で終わっているエッセイです。
読み直して気付いたのですが、「地図を燃やす」というのはエッセイ集のタイトルではあるのですが、その中に収録されている「地図を燃やす」というエッセイ自体は、実はたったの2ページしかありませんでした。
恐らくこの本を読んだのは20代の頃だったと思うのですが、そんな短い文章がずっと自分の中に強い印象とともに残っていたことが驚きでした。
今から想像できる将来の自分は?
2年半ほど前になりますが、この本について次のようなブログを書いたことがあります。
当時はサラリーマン時代の自分について、「確かに年齢を経るにつれて先が見えてくるよね」といった感じで書いていました。
あれから数年経って、個人として働くようになった自分を見つめ直してみると、
「税理士としてもこんなものだろうな」
と思うときはあります。
例えば、今から税理士事務所を拡大して、年商数億円の売上を目指すようなことができるかといわれると、やりたいとも思っていませんし、できるような気もしません。
30代どころか、もうすぐ48歳になるという年齢からすると、税理士としても頭の中に地図ができあがってしまっているのかも、と考えたりするわけです。
可能性は自分の想像力以上には広がらない
とはいえ、自分で自分のことを「こんなものだろうな」と枠にはめてしまうのは、つまらないと感じるのも事実。
この歳でいうのも何ですが、自分の可能性って、自分の想像できる範囲を超えられないのではと思っています。
自分がイメージできないようなことを、自分で実現できるはずはないと。だからまずイメージすることが大事なんじゃないかと。
もちろん世の中には、こんなことになるなんて想像もできなかった、という方もいらっしゃるかもしれません。
でも普通は、自分がイメージしていることを超えていくことはないと。
結局自分の中の「地図」というのは、「自分ってこんなもんなんだろう」という思い込みなんでしょう。
それが年齢を経ていろんな知識や経験を得るに従って、実感が伴い強固なものになっていく。
その強固になった思い込みを超えていくには、まず自分のイメージを広げるところから始める必要があるんじゃないかと。
というわけで、「自分の中の地図なんか燃やしてしまおう」という気持ちは常に持ちつづけるとともに、セルフイメージを見直していこうと。そんなことを考えた日曜日の朝でした。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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