今回はいつもと違って雑記のような内容ですが、先日知り合いの方と話をしていて頭に浮かんだ内容を書いてみたいと思います。

今回の記事のタイトルは、作家の沢木耕太郎さんのエッセイのタイトルです。確か20年くらい前に読みました。

エッセイの細かい内容は忘れてしまいましたが、大筋としては「人は歳を重ねると段々と自分の頭の中に人生の地図ができあがってしまい、それに囚われてしまうので、その地図を燃やしてしまいたい」といった内容だったと思います。

知り合いの方(サラリーマン)と話をしていて話題になったのは、40代も半ばになると、特にサラリーマンのように組織の中で働いていると、自分はどの辺りまで出世して、こんな感じで会社生活を終えるんだろうなという将来図が段々と見えてくる、というものでした。

私も40歳直前まで会社勤めをしていましたので、この感覚はある程度理解できます。サラリーマンで40代という年齢は頭の中で会社生活の地図が固まってくる時期といえます。

一方で、フリーランスの仕事をしていると、将来展望は良くも悪くも見えないケースが多いでしょう。

もちろんフリーランスの方でも、仕事のスタイルを確立して順調に仕事をこなして将来がはっきりと見えている方もいらっしゃるとは思いますが・・・。

今やっている仕事を淡々と積み上げていけば将来はある程度見えてくる、という考え方もあるのでしょうが、将来がどうなるか見えないということをそんなに悪く考える必要もないのかな、と最近は考えるようになってきました。

この将来図が見えないことを不安と感じるか、面白いと感じるかについては個人差があると思いますが、将来を決めていくのはフリーランスで仕事をしている各個人の意思決定であり、自分の決めたことがそのまま自分に返ってくる。それができるからこそ面白いと。

当然、意思決定したときの想定通りに物事が進むわけはなく、紆余曲折はあるのですが、私は現時点では将来図が確定してないからこそ面白い、まだまだ自分の周りの状況も自分自身も変えていける余地があることを喜ばしく思う、そうしたスタンスを取りたいと考えています。

こういう考え方を何歳まで持ち続けられるかはわかりませんが、頭の中の地図は燃やし続けて、常にまっさらの状態で日々臨みたいものです。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。