今年の確定申告も明日までですが、税金を納付書を使わずにネットバンキング等で支払う方法についてまとめておきます。
(今頃書いても、この記事が役に立つのは来年以降になりそうですが・・・)

税務の電子化で最後に残るのは「納税」の電子化

個人の方でもe-Taxを活用して、電子申告にて申告書を提出することにより、申告書を税務署に持って行ったり、郵送する手間を省くことができるようになりました。

ところが、申告書を提出した後、ふと気づきます。

「あれ、税金納めるのに納付書に手書きで数字書き込んでから、結局金融機関に出かけないといけないじゃないか。」と。

こうした状況に対応するために、現在は振替納税、クレジットカード決済、コンビニ納付などいろいろな方法で税金を納めることができます。

それぞれの方法のメリット・デメリットを簡単にまとめると、次のようになります。

【支払方法】
【概要】
納付書・手書きのみ。
金融機関まで行く必要あり。
・納付書が税務署から送られてこないケースもある。
振替納税・一度手続きすれば、その後は手続き不要。
・支払タイミングが通常より1月ほど後になる。
紙の依頼書を提出する必要あり。
手続きに時間がかかる。
・引っ越すと再度手続きが必要なケースあり。
クレジットカード・ネットで支払いの手続きが完了する。
手数料がかかる。
コンビニ納付税額が30万円超えると使えない。
・QRコードを作成して、コンビニに行く必要あり
・端末操作してから、レジに行く必要あり。
ネットバンキング・ネットで支払いの手続きが完了する。
・ネットバンキングで入力する情報が多い。

ネットバンキングやATMで税金を支払う方法

今回はこれらの方法のうち、電子申告で申告書を提出した個人の方が、ネットバンキングやATMで納付する方法について解説します。

ここで説明する方法は、e-Taxのホームページに記載されている「インターネットバンキング等による電子納税」の中の「登録方式」とされるものです。

【手順1】e-Taxのメッセージボックスを確認する

e-Taxのホームページから、メッセージボックスにログインしてください。

メインメニューのメッセージボックス一覧から「確認画面へ」をクリックしてください。税金の支払に必要な情報は、マイナンバーカード等の認証なしに見ることができます

開いたメッセージボックスの中に、「納付情報登録依頼」というメッセージがありますので、クリックして開くと「電子納税」という項目があります。この中の「収納機関番号」「納付区分」を使いますので、控えておいてください。

【手順2】ネットバンキングで納付する

次に、お使いのネットバンキングにログインしてください。ネットバンキングは「ペイジー」といわれる方式に対応している必要があります。今回はゆうちょ銀行のゆうちょダイレクトの画面で説明します。

ゆうちょダイレクトにログインすると、左側のメニューの中に「税金・各種料金の払込み(ペイジー)」という項目がありますので、これを選んでください。
(他のネットバンキングやATMでも、対応していれば同じような名称のメニューがあります。)

「収納機関番号」の入力が求められますので「00200」を入力して、「次へ」をクリックします。所得税や贈与税などの国税であれば、毎回「00200」となります

次の画面では、3つの項目を入力して、「次へ」をクリックします。それぞれの入力内容は以下の通りです。

  • 「納付番号」:e-Taxにログインするときに使用する利用者識別番号(16桁の数字)を入力します。
  • 「確認番号」:e-Taxの開始届を提出した際に、自分で決めた確認番号(6桁の数字)を入力します。
  • 「納付区分」:先ほどメッセージボックスで確認した「納付区分」を入力します。

「納付番号」と「納付区分」の言葉が似ていますので、入力する内容を間違えないよう気をつけてください。

また、ここで問題になるのが「確認番号」です。これはe-Taxの開始届を提出した後に受け取る、「利用者識別番号等通知書」には記載されていません

おわかりにならない場合は、e-Taxホームページの「納税用確認番号を忘れてしまいました。どうすればいいですか。」に記載されている【e-Taxホームページからの手続】を参考に、再度「確認番号」を設定してください

次の画面で、「税務署名」、「ご自身のお名前」、「支払する税金の種類(所得税、贈与税など)」、「支払金額」が表示されますので、内容に間違いがないかご確認いただき、画面の指示に従ってすすめれば税金の支払は完了です。

なお、この方法であれば所得税だけでなく、消費税や贈与税も支払うことが可能です。特に贈与税は税務署から納付書が送付されてきませんので、この方法での支払をおすすめします。

ちなみに、紙で申告書を提出した場合は、 「納付情報登録依頼」が自動的に作成されないため、メッセージボックスには「納付情報登録依頼」がありません。そのため今回の方法は、そのまま適用することはできませんのでご注意ください。

支払い方法は多様化しているが、どれも一長一短

今回は、電子申告をした後に、ネットバンキングで税金を支払う方法について説明しました。

納付書をもって、金融機関の窓口に並ぶことを考えればかなりラクにはなりますが、それでも入力項目が多く、面倒であることには変わりありません。

少しでも税金を納めやすくするように、支払方法が多様化していることはありがたいのですが、どの方法も一長一短で、最新のIT技術を使ったときのような「こんなに簡単にできるんだ!」という驚きはありません。

例えば振替納税の依頼をネット上で完結できるとか(銀行印の問題があるので無理でしょうが)、今回のネットバンキングでのペイジーの入力項目を減らすとか、まだまだ改善の余地はあります。

とはいえ、今まで納付書を使って窓口で納付されていた方については、今回ご紹介したような方法でも十分時間短縮につながりますので、是非一度ご検討ください。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。