いまでこそ、記帳代行を行う際の銀行明細の取り込み方法についてはクラウド会計を活用するという方向性に落ち着きましたが、従来はすべて通帳のコピーを見ながら会計ソフトに入力するということをやっていました。
入力作業の効率化を進めるにあたってはいろいろと試行錯誤しましたので、その検討の経過をまとめておこうと思います。

<第1案>スキャナー&OCRによる通帳のデータ化

入力業務の効率化を検討するにあたり、最初に考えたのは「預金通帳をスキャナーで読み込みOCRでデータ化する」という方法でした。

以前勤めていた会社の新入社員の頃は、旅費や現金の精算がOCR伝票で行われていた時代で、その経験に引きずられたかどうかわかりませんが、当時よりOCRの読取り精度は上がっているだろうという根拠のない期待から検討を始めました。

この方法のメリットは、
1.お客様に負担をかけない(お客様にとっての追加作業は発生しない)
2.設備投資も3万円程度(スキャナーがすでにあれば、OCRソフト(1万円前後)のみ)
といった点が挙げられます。

しかしながら、情報収集をすすめてネックとなったのは、
1.銀行毎に通帳の並びが異なる(対象となる銀行が増える毎に設定が必要)
2.OCRの読取り精度が思ったほど高くなさそう(読取り後の修正作業が必須)
という点でした。

入力作業を効率化する方法を探しているのに、OCR読取り後にデータ修正をしていては本末転倒のため、この方法は断念しました。

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<第2案>ネットバンキングのCSVデータを入手する

次に考えたのが、すでにネットバンキングを導入されているお客様から入出金明細のCSVデータを提供してもらうという案でした。

この方法のメリットは、
1.入手したデータは銀行明細のデータそのもののため修正作業なしにそのまま活用できる
2.Excelを活用すればあまり手間をかけずに会計ソフト用の仕訳データを作成できる
といった点が挙げられます。

しかしながら、いざお客様にファイルの提供を依頼してみると、お客様によっては
「CSVデータって何?」「メールでどうやってファイル送るの?」
という方もいらっしゃいます。

こうした作業に慣れている方にとっては全く苦痛ではないのですが、そうでない場合にはお客様に余計な負担をかけることになってしまいます。

また銀行毎にデータの保存期間が異なるため、依頼するお客様毎に保存期間が切れる前に、データを送ってもらっているかどうか確認しなければなりません。

このため全面的に展開するには難しい面もあり、この案も断念しました。

<第3案>クラウド会計の導入

ここまで検討してみて感じたのは、「作業がカンタンでないと継続的な仕組みにならない」ということでした。

第2.5案として、「自計化を推進してお客様に入力してもらう」というのも考えないわけではなかったのですが、「作業がカンタン」という考え方にそぐわないため即却下しました・・・。

となると次に考えるのは、銀行取引明細データ(CSVファイル)を「自動的に」引込む方法はないか?ということになります。
そこでその頃には名前を聞くようになっていた「クラウド会計」の検討を始めることになりました。

クラウド会計を導入すればメリットとしては
1.対応している金融機関であれば取引明細を自動で取込んでくれる
2.取込んだ取引明細から自動的に仕訳を作成してくれる(設定や学習は必要ですが)
といったことが挙げられるため、CSVデータを入手してから仕訳データを作成することと比べてもかなり効率を挙げることができます。

しかしながら、デメリットが全くないわけではなく、
1.インターネット上のサービスにIDやパスワードを登録することの心理的な抵抗
2.従来の会計ソフトとは異なり、1社毎に費用がかかる
といった点についてはお客様との間で折り合いを付けていく必要があります。

とはいえ、導入すればその効果は大きいですから、積極的に導入を検討すべきだと思います。技術の進歩はやはりすごいですから、素直な目でみて役立つものについてはどんどん取込んでいきたいものです。