仕事をする上で避けては通れない「業務効率化」。いかに個人として業務効率化スキルを身につけていくべきか、その考え方を整理してみました。

1.業務効率化にはいくつかのレベルがある

私は20年弱サラリーマン生活をしてきましたが、経理という間接部門の花形(?)のような職種であったこともあり常に業務効率化を求められてきました。
そうした経験から、個人としての業務効率化のスキルには次の3つのレベルがあり段階を踏んでスキルを磨いていく必要があると考えるようになりました。

  1. レベル1:自分の業務範囲内での業務効率化
  2. レベル2:自社内(自部門内)での業務効率化
  3. レベル3:他社を含めた業務効率化

2.レベル1:自分の業務範囲内での業務効率化

これは具体的には、繰返し作業をExcelマクロで自動化するとか仕訳の入力をマウスを使わずキーボードだけで完結して高速化する、または自分の仕事の段取りを見直すといったことが挙げられます。
会社に入ったばかりの新入社員であれば、まず目の前の業務をいかに早くこなすかという観点からこうした業務効率化に取り組むことになります。

しかしながら、この方法ではそもそも効率化できる範囲に限りがあり、さらには全体から見れば不要な仕事の中で効率化を進めているケースもあり、その場合には効率化に費やした時間自体が無駄になります。
(効率化を検討した本人には何らかのスキルが残りますので、全てが無駄になるというわけではありませんが・・・)

そこでこのレベル1で効率化のためのスキル(Excelのスキルや自分の仕事の段取りの改善など)を身につけたら、次のステップに進むことになります。

3.レベル2:自社内(自部門内)での業務効率化

これは特に規模の大きな組織で働いている方が対象となります。
組織で仕事をしているとどうしても仕事の重複や手待ち、ムダな作業が生じてしまいます。

こうした重複やムダを排除するために、組織としての業務フローを見直すことがこのレベルでの効率化です。
例えばAさんが販売資料を毎日まとめているのに、それを知らないBさんが別の資料を作成するために同じように販売資料をまとめているといったケースです。
これは、Aさんが作成した資料を部門の共有フォルダにおいて、部門として共有すればBさんの仕事は減ることになります。

これはあくまで私見ですが、若い時期に組織の中で仕事をしてこうした組織における重複や手待ち・ムダを経験しておくことは後々役に立つと考えています。
実際に組織の中で経験しないと実感として「業務効率化」の必要性が理解できませんので、こうした経験が将来組織運営をする側に立ったときに役に立ちます。
ただこうした経験を役立てられない人も中にはいますし、どっぷりつかってしまうと逆にムダを当たり前と考えてしまうリスクもありますので、あくまでほどほどの経験にしておくのが良いと思いますが・・・

なお、フリーランスで一人で働いている場合にはこのレベルの効率化はなくレベル1から直接レベル3に進むことになります。

4.レベル3:他社を含めた業務効率化

自社内(自部門内)で業務効率化を進めていたとしても、どこかで壁にぶち当たることになります。
それが取引先である他社とのやりとりがボトルネックとなるケースです。

例えばコストダウンの検討のため仕入データを効率的に集計・分析したいが、各社からの納品伝票の形式・記載内容が異なるため集計に非常に手間がかかるといった事例が挙げられます。
これを解決するには、標準化した納品伝票の導入やEDIによる納品情報の取得といった方法が挙げられますが、正直言って非常にハードルが高いです。
取引先にメリットがなければ納品伝票の変更に応じてもらえませんし、応じてもらったとしてもそれが仕入価格アップという形で跳ね返ってきては本末転倒です。

このレベルまでくると業務効率化のメリットと仕入価格アップのデメリットの比較といった経営判断に直結する内容が含まれてきますので、経営者を巻き込んで進めていく必要があります。
自分自身が経営に近い立場にいないとこのレベルの業務効率化は難しいですが、逆に言えばこのレベルの業務効率化が実現できればその効果は非常に大きなものとなります。

5.まとめ

業務効率化のスキルについて現在の考えをまとめてみました。
もちろん最初からレベル3の改善ができれば良いのですが、業務効率化は段階を経て経験を積んでいかないと、いざやろうとしても想定通りに物事が進まずうまくいかないことが多いです。

税理士事務所という観点から考えますと、零細税理士事務所ではレベル2の業務効率化はほとんどありませんので、やはりお客様と共に双方にメリットのあるWin-Winの仕組み作りが必要です。
ただ、それってすでにレベル3の業務効率化ということになりますのでお客様に近い分高いレベルでの業務効率化ができる仕事ということができます。