個人事業者として仕事をしている上で悩ましいことのひとつは、業務の品質をどうやって維持・向上するかです。この点につきどのような工夫ができるか考えてみます。

インプットしているからこそ気付いた勘違い

先日税金に関する雑誌を読んでいたところ、インボイスに関して自分の理解と異なることが書いてありました。

「あれ??」と思って改めて調べてみると、どうやら私の理解が間違っていた可能性が高いと。

過去にブログ記事にしていた内容でもあり、記事自体が間違っている可能性が出てきましたので、慌てて非公開に変更しました。

(当該記事については、きちんと調べ直してから改めて公開するか修正するか検討します)

誤解したままブログを書いてたことに気付いて、正直布団被って隠れたいくらい恥ずかしい気分です。

間違った情報を発信することは当然避けないといけません。

とはいえ雑誌を確認するという定期的なインプットがあったからこそ、今回の件も気づけたわけです。

「自分のやってることに間違いはない」なんて思い込みで仕事をしていると、間違いに気づけなくなってしまいます。

ブログ記事の公開にあたっては誰かに事前にチェックを受けている分けではありませんのでチェックは自分でするしかありません。

個人事業者の場合、仕事内容全般についてチェックできるのは自分だけというケースも多いでしょう。

今回はそうした場合に仕事の品質を維持・向上するために何ができるのかについて考えてみたいと思います。

自分の間違いに気付くための工夫

業務品質という観点で最も重要なのは

「ミスを外部に流出させないこと」

であり、そのためにはミスに気付けるだけの知識が必要となります。

そもそも目の前の数字などを見て「間違っている」と気づけるだけのモノサシが自分の中になければいくらチェックをしてもミスは防げません。

そうなると、ありきたりな内容かも知れませんが

  • インプットを増やす
  • インプットしたことをアウトプットして確認する

という2点が重要となります。

特にインプットについては業務に関連する内容を定期的に行い、自分の知識に間違いがないかという視点で確認を行う必要があります。

また単にインプットするだけでは、意外と正しく理解できていないケースもありますので、何らかの形でアウトプットすることにより理解を深めることも同時に重要となってきます。

まとめてしまえば「業務に関する知識の研鑽を怠らない」というありきたりな結論になってしまいますが、これを淡々と続けることが自分の間違い・勘違いに気づける最も確実な方法だといえます。

内部チェックが効かない環境での対処法

判断するための知識やモノサシという観点では、継続的なインプット・アウトプットを続けていくしかないわけですが、チェック方法についても工夫できる部分はあります。

例えば

  • 時間を空けてから複数回チェックする
  • 有償で第三者にチェックを依頼する

といった方法が考えられます。

こうした方法に共通しているのは、擬似的であれ「他者の視点」を活用するという点。

時間を空けてからチェックすると、前回は気付かなかったミスを見つけたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

これって要するに、過去の自分と現在の自分の視点は異なるということです。

過去の自分がした仕事について、現在の自分がチェックすることにより擬似的ではありますが「他者の視点」でチェックすることができます。

第三者にチェックを依頼するのはまさに「他者の視点」をお金を払って活用するということ。

ただし知り合いなどに無償でお願いすると、真剣に見てもらえない可能性がありますので、やはり有償できちんと仕事として依頼した方がよいでしょう。

チェックするのが自分だけという環境でのチェック方法としては、この「他者の視点」をどうやって取り入れるかという点が重要です。

「チェックしてくれる人がいないので不安」と感じるのであれば、擬似的であれこうした「他者の視点」をチェックに取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。