今日ネットを見ていたら興味深いリリースがありました。

freee が自動仕訳に関する人工知能(AI)技術の特許を取得。 バックオフィス業務効率化の支援をAIで加速することを目指した 「スモールビジネスAIラボ」 を創設。

このリリースによれば、freeeはAIによる小規模事業者のバックオフィス業務効率化を目的とした研究開発機関「スモールビジネスAIラボ」を本日創設し、クラウド会計ソフトの自動仕訳に関するAIの特許も先月取得したとのことです。
そして、この特許を適用してクラウド会計ソフトにおいて自動仕訳機能「仕訳登録AI」を6月末より提供すると書かれています。

1.自動仕訳は便利?

ちょうどクラウド会計ソフトについて色々調べていて、freeeに関する本を読んでいるところです。

まだ、ソフトそのものの検討はできていませんが、解説を読む限りでは「自動仕訳って便利そうだな」というのが正直な感想です。

従来の記帳代行では、お客様から請求書等の証憑書類を預ってそれを基に仕訳入力をするか、お客様が発行された伝票を基に再度会計ソフトに入力し直すといった作業が発生します。

これがクラウド会計ソフトでは、銀行やクレジットカード会社から勝手に取引データを取ってきてくれて、「仕訳はこんな感じで切ればいいのでは?」と提案してくれるとのこと(ちょっと荒っぽい解説ですが・・・)。

しかもルールをきちんと設定していけば、提案してくれる科目の精度は上がっていく。

昔は、「IMEの辞書を鍛える」なんてよく言いましたが、まさにそんな感じなんだと思います。自動仕訳のルールを次々に追加して、自分好みのソフトに仕上げていくという感覚なんでしょう。

2.さらにそこにAIが加わると・・・

で、今回リリースのあった「仕訳登録AI」ですが、まだ実物も何も見ていませんので想像の域を出ませんが、きっと「自動仕訳ルールを自分で鍛えて・・・」というプロセスをすっ飛ばすことを目指しているのだろうと思います。

つまり使い込まなくてもそれなりの精度で自分好みの科目提案をしてくれる。

これって考えてみるとすごく魅力的だと思います。今までソフトウエアって使いこなすにはそれなりの時間が必要でしたが、そうした時間が節約できることになります。

3.では記帳代行はどうなる??

ところが一方でこうした技術が実用化されてそれなりの精度が確保されてくると、記帳代行という仕事はほとんど価値を産まなくなる(というよりも仕事自体がなくなる)ということになってしまいます。

記帳代行で稼いでいる税理士にとっては死活問題になりかねません。

現金取引や小切手中心の零細企業の取引を自動仕訳やAIにより高い精度で自動化することは現時点ではまだ難しいでしょうから、そうした点において人間が介在する余地はいくらか残されていると思います。

しかしながら、そうした状況が何年も続くことはないのでしょう(恐らく何らかの技術的なブレークスルーにより状況は一変すると思います)。

だとすれば、税理士としては記帳代行を収益の柱から徐々に外していかなければ生き残れませんし、すでにそういう方向に進まれている税理士の方も多々いらっしゃると思います。

逆に言えば、こうした仕組みを積極的に導入して事務所内の業務効率化を図るためにも、現金や小切手中心のお客様の業務を一緒になって見直していかなければならないのだと思います。

個人的には、入力作業自体には現在では付加価値はほとんどないと考えていますので(仕訳を起こすことには多少の付加価値はあると思いますが)、今回のリリースが代表するような世の中の流れには逆らわず、素直にこの流れに乗っていく方法を考えていきたいと思います。