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先日ネットでこんな記事を見つけました。

PC watch :【20年前の今日の記事】松下が650MBの光ディスクドライブ「PD」を搭載した世界初ノートを発表

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PDって知ってますか?

みなさんPDってご存じですか?実は私は昔外付けのPDドライブを持ってました。四角いカセットに入った光ディスクです。

PDを読める機械は完全に無くなってしまいメディアも販売中止となりましたので、ホコリをかぶっていたドライブ・メディアすべて数年前に処分しましたが・・・。

購入したのは恐らく15~20年位前だったでしょうか。
当時主流だったMO(MDじゃないですよ)よりも容量が大きいということで買いに行ったのですが、店員からは「今はCD-Rが人気ですよ」との忠告、それを無視してPDを購入しました。

その結果は、上に書いたとおりです・・・。

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仕事のデータはどのメディアに保存すべきか?

昔話はさておきまして、仕事をする上で今やデータは欠かせません。

昨今「ペーパーレス」といわれる時代、紙の資料よりもパソコンのデータの方が重要という方も多いと思います。

そうした状況において、仕事のデータをどのように保存すべきか考えてみたいと思います。

1.税理士業務から考えるデータの保存期間は?

税理士という立場からしますと、税務署からの更正(税務署が申告書を修正する行為をいいます)期間は少なくとも関連資料は残しておく必要があると考えます。

通常は悪質なケースでも7年ですので、個人事業者の場合はこれが一つの目安になります。

一方で法人については、会社法で株式会社の決算書や帳簿は10年間保存しなければならないことになっています。

法人税においても将来的に欠損金の繰越控除(発生した損失を将来に繰り越せる制度)の対象期間が10年になることが予定されていますので、10年を一つの目安としていく必要があるでしょう。

【2016/9/13追記】
平成20年4月1日以後に終了した事業年度から欠損金の繰越控除の対象期間は9年間となっているため、欠損金の繰越控除の適用を受ける法人は現時点においても帳簿書類を9年間保存する必要があります。
なお、この期間を10年に延長する改正の施行日は平成29年4月1日でしたが、今年の改正によりこれを平成30年4月1日施行日とする見直しが行われました。
上記説明において言葉足らずの部分がありましたので、追記いたします。

2.データの長期保存は結構大変

7年間とか10年間データを保存するとなると、これが結構大変です。

もちろん電子保存に対応していなければ紙で保存することが原則ですが、関連資料含めて全ての資料を紙で保存しておくとなると保管スペースを考えただけでもゾッとします。

税務ソフトにしても、現時点で10年前の申告書をきちんと読み出せるかといわれると、

・当時のソフトが今のOS上で動くか?(さすがに当時のOS搭載のパソコンは残っていません)
・その後のバージョンアップ版のソフトでどこまで古いデータが読み込めるか?
・データそのものが破損していないか?

といったことを考えると非常に心許ないというのが本音ですし、当時のExcelのファイルにしても互換性やファイルの破損の問題など考えると状況は同じです。

3.長期間データを保存するメディアとして最適なのは?

そうなりますと、互換性の問題は一旦置いておくとしても(こちらの方が重大な問題かもしれませんが)、少なくとも破損への対策としてバックアップが重要となります。

候補となり得るメディアとその特徴としては、

・CD-R:汎用性は高いが容量に難あり
・DVD:容量はそれなりにあるが、耐久性や将来にわたっての装置供給に問題ないか?
・HDD:容量・読み書き速度共に扱いやすいが、容量が大きいためHDD入替の際手間がかかる
・クラウド:パソコンを入替してもそのまま使えるが、サービス中止やクラウド側でのデータ消失・流出リスクはゼロでは無い
・税務ソフトベンダー製サーバー:税務データの互換性という観点では○、将来の供給中止リスクやベンダー変更できない課題あり
・紙:互換性の問題は一切無し、但し場所を取ることと記載されたデータの検索が困難

といったところでしょうか。

正直どれも一長一短がありますね。

結論:メディアにこだわるより多重バックアップが大事

1.大事なのはメディアよりもいくつバックアップを取っているか

結論からいえば、必要なときに必要なデータが読み込めれば、メディアは何でもいいわけです。

今の時点で将来残るメディアを予測することはできませんし、また仕事用データの重要性を考慮すれば複数のメディアにバックアップを取っておくというのが現時点での「合格点」の解答でしょう。

2.多重バックアップのメディアの組み合わせは?

現在仕事用にJDLの小型サーバーを使ってますが、サーバー内では毎日データの複製が作成されていて、その上で税務データはクラウド上にバックアップされるようにしています。

同じサーバー内の複製データは当然サーバーの内蔵HDDが壊れれば同時に使えなくなりますから、バックアップとしての意味合いは低いですが、それでも多少の保険にはなっていると思います。

Excelファイル等の基礎データについてもサーバー内での複製に加えて、毎日外付けHDDに別途バックアップをとっています。

もちろんこれでもサーバーのHDDが壊れたときに外付けHDDの不具合でデータが読み込めないというリスクはゼロではありませんので、本音はもう一つ別のメディア(DVD等)にバックアップを取るべきと考えていますが、時間も含めたコストを考えると踏み切れないのが現状です。

現時点では、「サーバー」+「外付けHDD/クラウドバックアップ」+「(最重要の資料のみ)紙」 という組み合わせでデータを多重化しています。

もちろんこれが最適解だとは思っていませんので引き続き検討していくことになります。

3.仕事のデータは業務の土台・報酬の源泉

フリーランスとして仕事をしていく上では、仕事上のデータは報酬をいただく土台となります。

もちろん申告が完了してお客様に申告書をお渡しすれば、申告データそのものの重要性は多少下がるかも知れませんが、いつ参照する必要があるかは誰にもわかりません。

データについては「多分大丈夫」ではなく「もし壊れたら・・・」の考え方で対処していく必要があります。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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