新型コロナウイルスの影響で世の中が大きく変わろうとしていますが、そうはいっても急には対応できない会社や人がいるのも事実。そうした方達に対して、今後どんな支援ができるのだろうかと考えてみました。

この時期に金融機関の支店に人が多いのを見て思ったこと

外出自粛が要請されている時期ではありますが、先日所用で金融機関の窓口に行かざるを得ないケースがありました。

窓口に呼ばれるまでの間や手続きが済むまでの間、待合スペースで待っていたわけですが、そのとき感じたのが、

「混雑しているとはいわないものの、意外と人が多い」

ということです。

他の方がどのような用件で来られていたのかはわかりませんが、振込や入金確認であればネットバンギングで完結できます。

それにもかかわらず、今のこの状況でこれだけの人が金融機関の窓口に来ている状況を見ると、

「新型コロナウイルスのような大きなきっかけがあっても、すぐには行動が変わらない/変えられない人たちもいる」

と痛感します。

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最先端じゃないサポートを必要とする人たちもいる

行動が変わらない人たちがいるのであれば、同時に行動を思うように変えられない会社もあるでしょう。

例えば出勤自粛に対応するためのテレワーク。

そもそもテレワークが不可能な現場の仕事もありますが、テレワークがしやすい管理業務であったとしても、

  • 仕事のほとんどが紙ベースのため、出勤しないと業務が進まない
  • 社員に貸与するパソコンなどが準備できない
  • 何から手をつけて良いのかわからない

等々、さまざまな理由でテレワークへの移行が進まず苦戦している会社も多数あると思います。

税理士として、税金や経営、資金繰りについての相談に対応する以外に、こうした世の中の大きな流れへの対応についてもなにかサポートできないかと考えることがあります。

その際、そうした会社に必要となるのは最新のサービスや機器を使った方法ではなく、もっと泥臭いやり方になるのだろうと。

「最新の機器・サービスを使って、一気に生産性を向上」というやり方キライではありませんし、うまくはまれば本当に大きな効果が得られます。

しかし、大きな流れへの対応に苦戦している会社に、いきなりそのような話をしても、そもそも取り合ってもらえない可能性が高いでしょう。

まずは現状をきちんと把握して、

  • すぐできること
  • 時間がかかるけどできそうなこと
  • 時間をかけてもできそうもないこと

と切り分けて、できることからひとつずつ進めていって、進捗を一緒に確認していく。

そうしたことから始めないと、まったく前に進みません。

話は少しそれますが、昔ソニーとニンテンドーのゲーム機開発の姿勢について、ソニーは最先端の技術をふんだんに導入するが、ニンテンドーはある程度枯れた技術をうまく組み合わせて作る、という風に対比されたことがありました。

やり方は異なりますが、どちらもユーザーに今までにない体験を提供するという点では目指しているところは同じでしょう。

世の中の大きな変化に対応するにあたって、最先端の機器・サービスを使うか、昔からある機器・サービスを使うか、手段・方法の違いはあれど、どちらも変化に対応するためにやるという意味では同じです。

どのサービスを使うかが重要ではなく、いかにして目の前の変化に対応するか、そのためにどんなやり方を採用するか、こうした考え方で対応していくべきかと。

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中小企業が世の中の変化に対応するためにお手伝いできること

なんか話が大きくなりすぎた気もしますが、では実際にどんなことから始められるか。

外出自粛が求められていることもありますので、とりあえずはビデオ会議を経験したことのない方に、まず実際に体験してもらうといったことから始めようと。

税理士と会うことですら感染のリスクを増やすことになりますし、現在の外出自粛がいつまで続くかも見通せない状況です。

だから対面で会わずに打合せをできる方法を体験しておいてもらう。

そうしたデモを見せられても、「メンドクサイこと言い出したな」と思う方もきっといらっしゃるでしょう。

でも中には、

「税理士に言われてビデオ会議やってみたけど、会社の中でも使えるかも」

と思ってもらえる可能性もあるわけです。

そこから部分的にでもテレワークに移行できる可能性が生まれるかもしれません。

この時期閉塞感があって、なかなか思うようにいかない部分もありますが、

「今自分にできることは何かを考え、その考えたことをひとつずつ着実に行動に移していく」

ことにしようと。

その行動が誰かの次のステップへとつながっていく可能性につながります。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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