スキルを身につけたいと思っても、思うように身につかない。こんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?そんな方に少し考えてみていただきたいことがあります。最近「練習」してますか?
とあるセミナーで出された課題。Zoomでのワーク100回。
最近とある連続セミナーに参加しているのですが、先日そのセミナーで次のような課題が出されました。
「講座が終わるまでに、受講者同士でZoomを使ってワーク(練習)をやってください。目標は100回です。」
これを聞いたとき正直「えっ」と思いました。仕事もあるのに100回もできるの?と。
ちなみにご存じの方も多いとは思いますが、Zoomとはオンライン会議のサービスです。受講生が全国に散らばっているため、直接会って練習するわけにはいきませんので、オンラインで練習してください、というわけです。
もちろん税理士試験などの資格試験のために、何度も問題集を解いたりといったことはやってきましたが、こうした実際の行動を伴うワーク(練習)は大人になってからほとんどやった記憶がありませんので、「100回」という数字に正直面食らってしまいました。
いつの間にか「練習」を積み重ねることをしなくなっていた?
とはいえ、冷静になって改めて考えてみると、今まで練習もせずに身につけたスキルというのは何一つないということに気付きました。
例えばExcelにしたって、20代の頃に解説本を買ってきては、最初から順にすべて自分で実際に操作して、さらにそれを実際に仕事の中で使ってみて、ということを繰り返して使い方を覚えていきました。
練習という意識をしていなかったとしても、仕事のなかで使わざるを得ない状況になったり、「こんなことできれば便利なのに」と思って調べながら手を動かしたことは、すべてスキルを身につけるための「練習」といえなくもありません。
そうした積み重ねがあるからこそ、今使っているスキルが身についているわけです。
大人になると資格取得のための勉強など、知識を身につけるための勉強の方がついつい多くなってしまいますが、知識だけあってもそれを実際に使いこなせなければ、それはスキルにはなりません。
そして知識を習得することには時間をかけるものの、それを使いこなせるようになるために(スキルとして身につけるために)、何度も繰り返して練習するということについては、いつのまにかやらなくなってしまった気がします。
多くの方が、
「人前で話すのが苦手なのでなんとかしたい」
「プレゼン資料を作るのが苦手」
「お客さんのところで、どんな話題の会話をしていいかわからない」
など解決したい問題があり、そのためのスキルを身につけたいという思いはあるのでしょうが、いざ身につけようとすると
「仕事が忙しいから時間がとれない」
「そこまでやるだけの気力が起きない」
「大変そうだからやりたくない」
などの理由で繰り返し練習するということを、避けていませんでしょうか?
子どものころ部活動などで当たり前のようにやっていた「練習」という行為を、大人になってから敬遠してしまっていないか、そんな気がします。
こう書いてから自分のことを思い返してみると、「プログラミングとかRPAやるぞ」といっていたわりに、最近全然「練習」できていないことに気付きました。我ながら反省です・・・。
「努力を続ける才能」はだれもが持ち合わせているはず
新しいスキルを身につけたいと思ったら、繰り返し練習するしかありません。
もちろん中にはほとんど練習せずにスキルを身につけられるという才能を持った方もいらっしゃるかもしれませんが、そうした方は例外でしょう。
普通の方は何度も練習するしかないのですが、こうした努力を続けることもひとつの才能だと思っています。
ところが、「才能」という言葉を使ってしまうと、
「自分には努力する才能もないから無理だ」
とおっしゃる方がいるかもしれません。
でも「努力を続ける才能」というのは誰でも持ち合わせていると思っています。
「100mを10秒で走る才能」といってしまうと、すべての人が持ち合わせているとは思いませんが、「小さな努力を続ける才能」であれば、自分にもあるような気がしませんでしょうか。
「1年以内に100mを10秒で走れるようになってください」と言われると「そんなの無理」と思いますが、「半年以内に走る練習を100回してください」であれば頑張ればできるような気がしませんか。
「努力を続ける才能」とはいっても、習慣になってしまえばそれほど苦にはなりません。いかに最初の一歩を踏み出して、続けていくかがポイントです。
スキルがなかなか身につかないと悩んでいるのであれば、身につけるための「練習」を十分にしているか、今一度見直してみてはいかがでしょうか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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