今回は少しFPよりの記事を書いてみたいと思います。株式投資に興味はあるけれど、始めるのは怖い、という方の背中を少し押してみようというお話しです。
目次
豊かな老後に向けて、資産運用も収入を得るための選択肢のひとつ
年金だけでは、老後の資金が2,000万円不足するという話が世間を賑わせています。
平均的に計算された数字がすべての人に当てはまるわけではありませんが、豊かな老後を過ごそうとすれば、
- 定年後も仕事を見つけて働き続けるか、定年のない仕事に転職する
- 若いうちからできるだけ資産を蓄えておく
- 副業などで今から収入が入ってくるルートを増やしておく
など、何らかの方法で、お金を準備する必要があることは、間違いありません。
そうした方法のひとつとして、『資産運用』を考えるというのは大事なことです。
『資産運用』とひと言でいっても、不動産投資にFX、仮想通貨、商品先物など多くの商品がありますが、今回は株式投資にスポットを当てて、始めるときの心構えや注意点について、私なりの考え方をまとめてみます。
株式投資ってどんな風にはじめればいいんだろうか?
日本では長い間、「貯蓄から投資へのシフト」ということが言われています。
この点について、金融庁が出している、『平成28事務年度 金融レポートについて』というレポートを見ると、家計金融資産に占める株・投資信託の割合は、日本の18.6%と対して、米国が46.2%となっていて、投資へのシフトが米国と比べると進んでいないことがうかがえます。
株式投資を始めるのが不安な理由
なぜ株式投資がすすまないかという理由は色々あるとは思いますが、未経験者が始めるにあたっては、
- 株式投資ってなんか怖そう
- 株式投資って失敗したら破産するのでは?
- 損するのがイヤだ
といった漠然とした不安があるのではないでしょうか?
こういった漠然とした不安をなくす方法は、はっきりいってありません。自分で株式投資をやってみて経験するしか方法はないのです。
例えば、初めて自転車に乗ったときのことを思い出してみてください。
「自転車ってこけたら痛そう」とか「ケガしたらどうしよう」と思われたことはありませんでしたか?
でも、結局自転車に乗れるようになるには、乗るための練習をして、乗れるようになるしかないんです。
そして、自転車に乗れるようになってからは、最初に感じた不安はどうなりましたか?
「確かにこけたら痛いけど、そんなにこけるわけでもないし、そこまで心配する必要はない」と思えるようになったのではないでしょうか?
株式投資も同じです。やってみないことには漠然とした不安が消えることはありません。だからこそ、自分でやってみるしかないんです。
いきなり全力疾走してはいけない
とはいえ、株式投資を始めるにあたり注意すべきこともあります。
自転車に乗る練習を始めたときは、スピードを出さずに恐る恐るのっていたはずですよね。
株式投資も同じで、いきなり大きな金額を投資しないということが大事です。
「株式投資始めるぞ!今月もらった給料全部つっこんでやる!!」
なんてことは絶対にしてはいけません。
生活に影響が出ない範囲で、少しずつ始めることが大切です。
私が株式投資を始めたのは、もう20年くらい前だったと思います。始めた買った銘柄は「コーナン商事」、しかもミニ株という形で買いましたので、投資金額は1万4千円程度だったと思います。
こんな金額でも、初めてのときは注文ボタンを押す前に、何回も躊躇した覚えがあります(自分でも小心者だと思います、 笑)。
ここまで臆病になる必要はありませんが、失敗しても大丈夫といえる金額から始めることが大切です。
株式投資は、「現物株」といわれる商品を買っている限りは、投資した金額以上に損することはありません。
「株で失敗してお金を返せない」といった類いの話は、ほとんどが「信用取引」という買い方をしているためです。
少額から初めて、こうしたことを少しずつ学んでいくという姿勢が大切です。
買ったあとは値動きが気になって仕方がない時期があるもの
これは人によるかもしれませんが、株式投資を始めた最初の頃は、自分で購入した銘柄の値動きが気になってしょうがない時期がありました。
仕事していても、気になってソワソワ。早く家に帰って価格が上がったの下がったのか知りたい。こんな感じでした。
これは、「はしか」のようなものだと思っています。誰もが一度は通る道であり、一度経験しておけば大丈夫でしょう。
こうした気分は、ある程度経験を積んでくると気にならなくなってきますので、早めに経験しておくべきです。
(含み損が出ているときは、いまだに気分がへこみますが、これはどうしようもありません(笑))
こうした精神状態を知るというのも、大事な経験です。
自分を守るためにも金融に関する知識・経験を身につけよう
株式投資を始めるにあたっての心構えや注意点について書きましたが、始めるかどうかは、この記事を読んだあなた次第です。
もちろん利益が出るという保証はありませんので、
「そんな経験いらない、お金絶対減らしたくない」
と考える方もいらっしゃるでしょうし、
「まあちょっとくらいなら経験してみてもいいか」
と思われる方もいることでしょう。
最終的な判断はお任せするしかありませんが、どんな世界であれ理解するにはある程度の時間が必要です。そのため始めるのであれば、できるだけ早く始めることをおすすめします。
ネットや雑誌を見ていると、
「会社を退職後に多額の退職金を手にして、ろくに調べもせずに投資信託を大量購入して大損した」
といった類いの話が面白おかしく書かれているケースをよく見かけます。
こういった話を見かけるたびに
「少しでも株式投資の経験があれば、もう少し違った投資判断になったのでは?」
と思わざるをえません。
「金融リテラシー」という言葉がありますが、今の時代最低限の金融に関する知識は持っておかないと、自分を守ることができません。
そしてこうした知識は、経験を伴わないと実感として理解することが難しいものです。
ここで一応お約束なので、次の一文を書いておきます。
「この記事は、株式投資による利益を保証するものではありません。
投資を行う際は自己責任でお願いいたします。」
しかし、経験は自分で得ようとしない限り得ることはできません。無理をしない範囲で、新たな経験をつむための一歩を踏み出していただければと思います。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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