freeeで定期預金の満期が来たらどう処理するか?今回はその点について解説します。
freeeの定期預金の処理だけはスマートに思えない理由
定期預金が満期になって普通預金に入金されたとき、通常の会計ソフトであれば、次のような仕訳を作成します(金額は仮のものです)。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
普通預金 | 10,424 | / | 定期預金 | 10,000 |
租税公課 | 76 | / | 受取利息 | 500 |
ところが数年前にfreeeで初めてこの処理をしようとしたときに、普通預金と定期預金で金額が違うのに、どうやって口座振替すればよいのかわからず、サポートに問合せた記憶があります。
そのときのサポートの方の説明は以下のようなものでした。
(実際にはいくつかやり方があるという説明でしたが、そのとき受けた説明は次のものでした。)
- 口座振替で定期預金から現金に振替をする
- 振替伝票で受取利息を計上し、その入金の相手科目には現金をつかう
- 口座振替で、現金から普通預金に振替する
仕訳を書くと、次のようになります(左端の番号が、上の説明と対応しています)。
番号 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
1 | 現金 | 10,000 | / | 定期預金 | 10,000 |
2 | 現金 | 424 | / | 受取利息 | 500 |
2 | 租税公課 | 76 | |||
3 | 普通預金 | 10,424 | / | 現金 | 10,424 |
最初説明を聞いたとき、正直なところ「なんじゃこりゃ」と思いました。定期預金の満期の処理をするだけで、3種類の仕訳を作成しないといけなくて、しかもわざわざ現金勘定を経由しないといけないという・・・
freeeでは「口座」という考え方を採用していますので、口座間の振替は金額を一致させないといけないため、このような処理になってしまうんですね。このやり方だけはスマートじゃないと、処理するたびに感じてました。
定期預金の満期時の処理方法
ただ、現在は3ステップではなく、2ステップで完了できるように改良されています。
1の口座振替の登録をする際に、「詳細登録」というボタンを押すと、手数料の詳細を入力する画面が出てきます。なお、このとき口座振替の「金額」欄には、預け入れた元本ではなく、利息(税引き後)を含めた金額を入力します。
ここで、「手数料・受取利息等」と表示されている左側の下三角ボタンを押すと、受取利息等を入力する画面が表示されます。
受取利息(「受取利息等を追加」)と源泉所得税(「手数料を追加」)を入力して、「保存」を押せば登録完了です。
この後、普通預金口座に取り込みされている入金データ(今回の例でいえば、10,424円の入金)に対して、自動で経理にて現金から口座振替する処理を行えば、処理は完了です。
従来であれば、受取利息を別途振替伝票で計上していた処理が不要となりました。
自由度が高いととるか、よくわからないととるかは自分次第
なお、「手数料・受取利息等」の入力は、普通預金の入金データに対して口座振替を行う時点でも入力は可能です。
そのため、定期預金から現金に口座振替する際には、利息を含まない元本金額10,000円で入力した上で、普通預金の入金データに対して自動で経理の口座振替登録画面で、
・振替金額10,000円
・受取利息500円
・源泉所得税▲76円
として登録することも可能です。
また、預金の処理で現金の帳簿に記帳したくないということであれば、通過勘定を口座として登録して、そこを経由する方法もありますが、今回は詳細は省略します。
今回freeeでの定期預金の満期時の処理について説明しましたが、処理の方法としては複数あります。このようにやり方が複数あれば、いざというときに別の方法を使えるわけですから、悪いことではありません。
ただ、人によっては「結局どれでやったらいいんだ?」と感じて、使いたくないと思うかもしれませんが、「別解」に対応できるようにしておくということは、変化の大きい時代には必要なことでしょう。
「なんかはっきりしないから使いたくない」ではなく、「自由度が高いから可能性が広がる」、そんな風に考えるようにしてみませんか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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