専門的な内容については「事前に」ご相談いただくのが、最も安心で確実な方法です。何ごとも「早め」「事前に」が大切。今回はそんなお話です。

「なんでもっと早く相談に来てくれなかったの?」

最近立て続けに

「なぜ事前に相談してくれなかったのだろうか」

という案件がありました。

既にいろいろな取引を実行してから

「どうするのが税金を計算する上でメリットがありますか」

と相談されても、なんとかなるケースもゼロではありませんが、なんともならないケースの方が多いものです。

イメージとしては、ここまで極端なケースはないものの、例えば法人で契約を結んでから

「法人と個人どっちが得ですか」

みたいな相談を受けても困るわけです。もう契約結んでるやんと。

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なぜ相談のタイミングが遅れるのか?

この仕事をしていて受ける印象としては、全般的に相談に来るタイミングが遅いと感じます。

なぜこうしたことが起きやすいのか。原因として考えられるものとしては

  1. 損する可能性や税金のリスクがあることをそもそも知らない
  2. 事後でもなんとかなると考えている
  3. どの税理士に相談すればいいかわからない、相談するのが面倒

といったことが挙げられるのではないかと。

1については、そもそも相談にすら来ない可能性もありますが、2や3あたりが相談タイミングが遅れる理由ではないでしょうか。

もし3が主な理由の場合、税理士への相談に限ったことではないが、普段と違うことをするのは面倒に感じるものであり、重い腰を上げるのは誰であっても大変なものです。

ただ、事前に相談しなかったがために、払わなくてもよいコストを払うことになる可能性があります。

個別の相談でなくても、これから確定申告の依頼を検討する方が増えると思います。

この場合も

  • 慌てなくても年明けに相談すれば十分間に合うだろう
  • 税理士に頼まなくても自分でできるだろう
  • 税理士を探したり、相談に行くのが面倒

といった理由で、行動を先送りしている方は多いかもしれません。

これも注意しておかないと、年明けになると対応してくれる税理士は急激に減ります。

自分でなんとかしようと思ってたけど、2月に入ってから「やっぱり無理」となってしまうと、どうにもならなくなる可能性が高いです。

依頼できる税理士が見つからないと、確定申告を終えられるか不安になり、本業に悪影響が出るかもしれません。

仮に対応してもらえる税理士が見つかったとしても、短納期で依頼することになりますので、報酬が高くなる可能性が高いでしょう。

このように行動を先送りしても、メリットは何もありません。

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何ごとも「早め」「事前に」対応すれば安心

経営管理にしたってそうです。起きうる課題を想定して、事前に手を打っておく方がゼッタイにいいです。

問題が起きてから「どうしよう」と慌てふためいていては、余計な時間や労力がかかるだけ。

お金がなくなりそうになってから、慌てて資金繰りに奔走するよりも、資金を見通して事前に銀行に借入れの相談をするなどの対応をするべきです。

退職する方が想定されているのであれば、早めに採用活動を開始するなり、設備投資による省力化対応を検討しておくべきでしょう。

簡易課税で消費税の申告をしているのに、突然大きな設備投資を決めてしまったりしたら、中々大変なことになります(この場合の決断は、そもそももっと「早め」にしておくべきだったということです)。

税理士への相談、確定申告の依頼、経営管理という3つのケースを取り上げましたが、別にこれだけに限ったものではありません。

何ごとも「早め」「事前に」対処した方が、トータルでかかる時間やコストも減らせます。

行動しようか迷っている方は、早めに動いた方が得策です。その早めの行動が、結果として安心して本業に集中できる環境を整えてくれます。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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