効率的に知識を吸収したいと思いつつも、なかなか思うように本が読めないという悩みは尽きないものです。 今回は、最近読んだ一冊の本をきっかけに、私が長年抱いてきた「速読」へのコンプレックスと、その解決の糸口について考えてみました。
フォトリーディングに挫折した過去
みなさん、こんにちは。京都の税理士、加藤博己です。
皆さんは「速読」に憧れたことはありませんか? 私はあります。それも、かなり強い憧れを持っていました。
10年以上前に出た本なのですが、最近読んでいて「これは、とてもしっくりくるな」と感じた本があります。
宇都出雅巳さんの著書、『どんな本でも大量に読める「速読」の本』です。
実は私、20代の頃に「フォトリーディング」という速読法の教材を思い切って買ったことがあります。
ページを写真のように脳に焼き付けるという、あの有名な手法です。しかし、届いた教材を少し触っただけで、結局はほぼ放置状態に。
それでも諦めきれず、2018年には意を決して3日間のフォトリーディング講座を受講しました。
それなりの費用と時間を投じたのですが、終わってみると「本当に身についたのだろうか?」と定着した実感が今ひとつ湧きませんでした。
そこからまた、ズルズルと(我ながら、どんだけ長期間のズルズルなんだと思いますが)今に至るまで、速読への苦手意識を引きずってきたわけです。
速く読めないのは自分の中に「ストック」がないから
今回読んだ本の中で、私が一番「ああ、確かにその通りだ」と納得した一文があります。
それは、「ストック(知識・情報・経験など)が多い人ほど本を速く読める」という言葉です。
これまで私は「速読」とは、何か特殊な眼筋を鍛えたり、脳の回路を書き換えたりするような、魔法のようなテクニックだと思っていました。
しかし、実際にはそうではなかった。何でもかんでも等しく速く読めるわけではないのです。
私の場合、自分の仕事に直結する税務や会計、あるいは使い慣れたITツールの本であれば、一字一句漏らさず読まなくても、パッと見て「あ、これはあの話だな」と理解できます。
自分の中にすでに専門的な知識や実務での経験、つまり「ストック」があるからこそ、脳が情報を瞬時に処理し、結果として「速く読めている」状態になるわけです。
逆に言えば、全く知らない分野の本が速く読めないのは、自分の能力が低いからではなく、単に「ストック(知識・情報・経験など)」が欠けているからに過ぎません。
この本で提唱されている「高速大量回転法」の素晴らしいところは、以下の一文に示される発想の転換にあります。
「同じ本を繰り返し読んで、まずその本に関するストックを自らの中に蓄え、その蓄えたストックを使ってさらに速く読み進める」
最初から完璧に理解しようとせず、回転数を上げることで自分の中に「読み解くための材料」を無理やり作ってしまう。
この考え方にふれて、速読は「特殊能力」ではなく、「誰にでもできる技術」だと納得できました。
インプットの「量」だけでなく「方法」も見直すべき
前回のブログで「自分のインプットが、実は全然足りていないのではないか」というお話をしましたが、そう考えるに至った大きな理由のひとつが、実はこの本でした。
これまでの私は、本を読むとなると、いまだに律儀に1ページ目から最後のページまで、順番に一言一句をなぞるように読んでいました。
でも、その読み方だと大きな落とし穴があります。
最初から丁寧に読みすぎるあまり、最後の方にたどり着く頃には、「あれ、最初の方には何が書いてあったっけ?」と内容が抜け落ちてしまっていることがしばしばありました。
税理士という仕事柄、情報のアップデートは欠かせませんが、ただ漫然と読むだけでは、本当の意味で身についたとは言えません。
今の私に足りないのは、インプットの絶対的な「量」はもちろんですが、それ以上に「情報の取り入れ方=方法」を見直すことなのだと痛感しています。
最初から100%を目指して一度で読もうとせず、何度も本を回転させて自分の中に「ストック(知識・情報・経験など)」を積み上げていく。
「速読」という言葉に踊らされるのではなく、自分なりの「効率的なインプットの形」を、これを機にしっかり模索していきたいと思います。
投稿者

- 加藤博己税理士事務所 所長
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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