Power Automate for DesktopでExcelファイル内の文字列を置換する手順について確認しておきましょう。
とりあえずExcelの作業をどこまでできるか確認する
プログラミング関連の話題が続きますが、しばしお付き合いいただければと。
Power Automate for DesktopでExcelの作業をどこまでできるかについて、もう少し検討してみましょう。
例えば、会社でシステムから定期的に出力されるファイルがあるとします。
そのファイルがこんな感じだったとして、会社名のところをすべて「株式会社」に統一した方が、あとのExcelでの作業が効率的に行えると仮定します。
こうしたケース、Excelが得意な方であれば
「Ctrl+Hで置換すればいいだけだよね」
となりますが、意外とこうしたExcelでの作業が苦手(というかよくわからない)という人もそれなりにいるものです。
こうした場合に、ボタンひとつで自動的に文字列を置き換えてくれる処理ができれば、Excelが苦手な方の業務効率ををあげることができるでしょう。
「だったら得意な人がマクロ組んで、ボタンに割り当てておけばいい」というご意見もあるとは思いますが、今回はPower Automateを使おうという趣旨なので・・・
ちなみに、今回のようなデータについては、そもそも取引先マスターの登録方法に問題があると思われますので、本当はマスターの整備をきちんと行って、出力されたデータファイルの修正が不要となるようにすべきでしょう。
こうした不備を後で手作業で直すのは本来はおかしいのですが、ただ実際には実務としてこうしたケースは意外と起きうるものなので、一例として取り上げます。
Power Automate for Desktopで文字列を置換する
以前取り上げた弥生会計へのインポートファイルを作成することと比べると、今回は難しい処理ではありません。
今回の手順としては
- 対象となるExcelファイルを読み込む
- ファイル内の「(株)」を「株式会社」に置換する
- ファイル内の「(株)」を「株式会社」に置換する
- 置換後のExcelファイルをファイル名を変更して保存する
となります。
フローとしてはこんな感じです。
デスクトップに保存した「PADテスト」フォルダーに対象ファイルを保存しています。読み込むファイル名も変わらないという前提です。
文字列の置換は「Excelワークシート内のセルを検索して置換する」アクションを使えば、難しくありません。
「Excelの保存」アクションで「保存モード」を「名前をつけてドキュメントを保存」にして、保存するファイル名を指定すれば別名保存できます。
最後に元のExcelファイルを閉じて終了です。
フローの処理を実行すれば、「(株)」と「(株)」が「株式会社」に置換されたファイルが、「置換テストデータ(置換後).xlsx」というファイル名で同じフォルダに保存されます。
CSVファイルだったらどうすべき?
「Excelファイルの置換手順はわかったけど、システムから出力されるのはCSVファイルなんだよね」というケースもあるでしょう。
これについてもさほど難しくはありません。使用するアクションを一部変更すれば対応可能です。
具体的には
- ファイルの読み取り:「CSVファイルから読み取る」アクション
- 文字列の置換:「データテーブル内で検索または置換する」アクション
- ファイルの保存(書き込み):「CSVファイルに書き込む」アクション
を使います。
Excelの場合は、Excelファイルを開いてから文字列を置換し別名保存という流れでしたが、CSVファイルの場合は
- CSVファイルの内容をテーブルに読み込む
- テーブル内のデータを置換
- 新たにCSVファイルに書き出す
という流れになります。
手順は少し異なりますが、大きな流れとしては変わりません。CSVファイルの場合のフローはこのようになります。
今回のフローは特に難しいものではありませんが、ここからいろいろと機能を追加していくことは可能です。
例えば
- フォルダ内にExcelファイルが複数あるケース
- フォルダ内のファイルが複数でExcelとCSVが混在しているケース
- 置換対象の文字列と置換後の文字列をユーザーが指定したいケース
といったものが考えられます。
このように少しずつ機能を広げていくことで自分で作れる範囲が広がります。
Excelでできる基本的なことをRPAでやってみるというのは、処理をイメージしやすいこともあり
「とりあえずRPAでなにか自動化してみたい」
という方に練習としておすすめです。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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