税理士はAIやRPAとどのようにかかわるべきか?今回はそんなお話しです。

Excelとブラウザーをまとめて動かせるソフト?

3月頃にとあるブログ記事を読んでいて、珍しく(?)衝撃を受けました。

ロボットが仕事をやってくれるRPA時代に必要なスキル | WinAutomationでふるさと納税Excelデータを確定申告ソフトに入力 | EX-IT

何に驚いたかというと、Excelとブラウザーを一つのソフトで同時に動かしているんですよ。

Excelだけであればマクロを組めば自動化できますが、それはあくまでもExcelの中の話。

Excelを飛び出して他のソフトまでまとめて動かしてしまうという動画に、「なんじゃこりゃ」と思わず口走ってしまいました。

こうした自動化を可能にしているのは、RPA(Robotic Process Automation)といわれるソフトウエアで、従来と何が違うかというと、全く別の会社が作ったソフトウエアでも連携して作業させることができる点です。

今まであれば、Excelの中でマクロやら関数を駆使して、なんとか業務を効率化させようと頭をひねっていたわけですが、例えば税理士業務でいえば、会計ソフトとExcelを一つのソフトウエアでまとめてコントロールできる可能性がでてきたということです。

もちろん今でも、ExcelのデータをCSVファイルにして、会計ソフトでインポートするというのはやっていましたが、当然エクスポートしたりインポートしたりするのは人がやらなければなりません。

RPAであれば、うまく作り込んでいけば、ボタン一つでExcelからデータをエクスポートして、それを会計ソフトにインポートするところまでまとめてやってくれるという、夢のような話です。

広告

でもRPAってメチャクチャ高いんですよね・・・

そして、このブログを書かれた井ノ上陽一さんが「ひとり税理士のAI仕事術セミナー」を大阪で開催されると知り、先月セミナーに参加してきました。

AIの業務活用については、まだ不透明な部分が多いと感じましたが、RPAについてはいろいろと有益な話を聞くことができました。

ただRPAを導入しようとすると、実際のところ年間数百万円かかるものが主流とのこと。とても税理士の個人事務所で導入できるものではありません。

ところが、セミナーの中で紹介されていたのが、メニューなど全て英語という制約はあるものの約10万円の買い切りで使えるWinAutomationというソフトでした。

実際に体験版をインストールして触って見ましたが、直感的に操作できる部分が多いため、Excelマクロを書くよりもはるかに敷居は低いと感じました。

そのため、「Excelマクロって難しそう・・・」と思っていた方でも始められるかもしれませんので、小規模事業者の間で今後広がっていく可能性はあります。

広告

流行り言葉に飛びつかない、どう向き合うかは自分で決める

AIという言葉もそうですが、RPAとかロボットという言葉が最近単なるマーケティングのツールとなってしまっていて、『とりあえず「ロボット」とか言っておけば、お客さんが飛びついてくれる』というようなスタンスで売っている商品が増えてきている印象を持っています。

その一方では「AIにより税理士の仕事はなくなるよ」と言われたりするのが現状です。

昔々パソコンが普及するときも、ホワイトカラーの仕事は無くなると言われてました。

確かになくなった仕事はあります。会計業界で言えば、伝票を書いて、元帳に転記して、試算表を集計する、こんな仕事は今や絶滅危惧種です。

でもそれで会計業界で失業者が大量に発生したかというとそうではありません。

今のところ個人的には、「AIやRPA=高機能化・自動化されたPC・ソフトウエア」くらいの位置付けでとらえておけば良いと思っています。(実際はもっとすごいことができるのでしょうけど)

AIやRPAの普及で「仕事のやり方」は変わるでしょう、でもそれと「仕事が無くなる」というのは別問題。

道具としてのAIやRPAをしっかり使えるように対応していけば、活路は見えてくると考えています。

「AI的な仕事をしていてはダメ」

上述のセミナーの中で印象に残った言葉です。
いわゆる「ホワイトカラー」はしっかり脳みそに汗かいて仕事しましょうということですね。

流行りだからということではなく、RPAの本質を見極めた上で積極的に活用して自分の仕事を効率化できるか、それとも他人任せにしていつの間にか自分ができる仕事がなくなってしまうか。どのように向き合うかは、自分で決めないといけないということです。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
広告