広告

最近メインで使っているパソコンを入れ替えましたが、備忘も兼ねて税理士用のパソコンを入れ替える際の注意点を整理しておきます。

以前より楽にはなったものの・・・

所得税の確定申告が落ち着いた段階で、メインで使っているデスクトップのパソコンを入れ替えました。

パソコンに関しては1~2年で入れ替えるべきともいわれますが、正直なところ入れ替える作業が面倒で業務上もあまり支障がなかったため、ズルズルと4年近く使っていました。

ところが今年になって、画面が突然乱れたりなど

「そろそろマズいかな」

という感じがしてきたため新調。

パソコンの入れ替えに関しては、クラウドサービスが増えたので以前よりは楽になりましたが、それでもそれなりに時間はかかります。

今回は備忘も兼ねて主な注意点を整理しておこうと思います。

プリンターの設定といった一般的な内容は取り上げません。税理士が使うパソコンだとこんな点に注意が必要かな、という視点でまとめます。

広告

クラウドサービスの移行

全般的な話としては、クラウドサービスについてはあまり悩むことはないでしょう。

例えばChromeを使っている方であれば、同じGoogleアカウントでログインすれば設定をそのまま引継いでくれますのでカンタンです。

Dropboxなどのオンラインストレージについては、パソコン上(ローカル)にファイルを同期する場合はデータが多いと時間はかかるものの、ログインして設定してしまえば後は待つだけなので手間としては大したことはありません。

広告

インストール型ソフトの移行

注意が必要なのはインストールが必要なソフト。

インストールの手間自体もありますが、最近はソフトを使うにあたり認証が必要なものが増えてきました。

事前に古いパソコンでログアウトしなくても、新しいパソコンを設定中に旧PCのログアウトができるもの(Adobeアカウントなど)であれば特に気にする必要はありません。

新しいコンピューターへの Creative Cloud アプリのインストール

弥生会計などは一応古いパソコンがなくても解除する方法はあるようですが、少々面倒なので古いパソコンで忘れずにログアウトしておきましょう。

ライセンス認証を解除する方法| 弥生デスクトップソフト共通 サポート情報

コンピューターをフォーマット、リカバリ、廃棄したため、ライセンス認証の解除ができません| 弥生デスクトップソフト共通 サポート情報

配線の見直し

デスクトップパソコンの場合、拡張性が高いためあとからいろんな機器を追加してしまうものです。

無線接続のものが増えたとはいえ、有線でしかつなげないものもまだまだありますので、いざパソコンを入れ替えようとすると

「これ何のための配線だったっけ?」

となったりします(私の場合)。

ノートパソコンであっても外付けドックなどを使っていると、似たような状況になる可能性はあります。

パソコンの入れ替えはこうした配線を見直すのによい機会です。

つないでいるけれどあまり使っていないという機器は、このタイミングで思いきって外してしまうことをオススメします。

大して使ってないのであれば、今後も使う可能性は非常に低いです。外してしまって、使う必要が生じたときに改めてつなぐようにしましょう。

電子申告に関するものは忘れがち

「税理士が使うパソコン」という観点でいえば、意外と忘れやすいのが電子申告に関する設定です。

具体的には

「ルート証明書のインストール」

という手続きを忘れがちです(私だけかもしれませんが)。

この作業をやっておかないと、いざ電子申告で申告書や申請書を送信しようとしたときにエラーとなって焦ることになります。

具体的な内容についてはe-Taxの以下のページの

e-Taxソフトのダウンロードコーナー

(3)ルート証明書等のインストール にあるインストーラを使ってインストールします。

私が使っている税務ソフトではこの手順を事前にやっておかないと電子申告時にエラーとなります(確かエラーになったはず・・・今回は電子申告する前にインストールしたのでもしかすると状況変わってるかもしれませんが)。

電子申告に関係するものって、最初に設定するとその後は見直す機会がありませんので、パソコンを入れ替えた時に意外と忘れがちです。

「税務ソフトをインストールして電子証明書があれば問題なく送信できるだろう」と思っていると足元を掬われます。

他にも地方税の電子申告をしている場合、PCdesk(DL版)でしか送信できない手続きがあります。

過去に送信したデータや設定内容については、古いパソコンから移行データを取り出して新しいパソコンで取り込む必要があります。

PCdesk のデータを移行する

この点も意外と忘れやすいポイントなので注意が必要です。

広告

手順のメモは残しておくべき

今回整理した内容以外にも、やるべき作業はたくさんあります。

例えば、私はトラックボールのボタンにPageUpとPageDownのボタンを割り合てて縦長の画面を見るときに重宝しています。

こうした設定もユーティリティソフトをインストールしないとできません。

とはいえ、いざ設定しようとすると

「あれ、これってどうやって設定するんだっけ?」

となってしまうものです。

そのため、パソコンの入れ替え作業をする際には、行った内容をメモに残すことにしていて、毎回パソコンを入れ替える際にはそのメモを見ながら作業を行い、変更点がある場合にはメモをアップデートすることにしています。

手順を書いたメモが残っていれば、そのメモに従って作業すればよいので考えたり思い出したりする時間を確実に減らせます。

税理士の仕事をする上で「パソコンの入れ替え」は避けられない作業ですから、少しでもトラブルなく短時間で終わらせられるよう工夫をしていきましょう。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
広告