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今回はいつもと少し趣向を変えて、「読書」について書いてみたいと思います。

1.多読のきっかけはブログ記事と「レバレッジリーディング」

多読を始めようと思ったのは、今年のゴールデンウィーク前に税理士の井ノ上陽一さんのブログ記事を読んだのがきっかけでした。
独立当初に読んで今も影響を受けている5冊の本
ここで紹介されている本のうち、勝間さんと本田さんの本はかなり昔に読んだことがあったのですが、本田直之さんの「レバレッジリーディング」をふと読み返して見ようと思い、ゴールデンウィーク中に(恐らく10年ぶりくらいに)読んでみました。

いやあ、この歳になって読み返してみると結構グサグサと突き刺さる言葉がいろいろ書かれてますね。

以下、「レバレッジリーディング」よりいくつか引用します。

意識して自分に新しい刺激を与え続けないと、自分のやり方に固執したり、視野が狭くなったりしてしまいます。特に年齢を重ね、ある程度成功体験を積むと、ますます自分のやり方にしがみつき、新しいものを受け入れない傾向が強くなるようです。人間はその時点で成長が止まってしまいます。柔軟な精神を維持し、新しい知識や考え方を吸収し続けるためにも、多読を習慣にすべきだと思います。

今回一番響いたのはこの一節でした。40代にもなると自分のやり方や視野といった自分なりの「常識」がかなり固まってしまってますが、ビジネスにおける考え方・進め方はどんどん変わっていきます。常に自分の「常識」のアップデートが必要と痛感しました。

この言葉を見て、「やっぱ本読まなきゃ」と突然思い立ったわけですが、「とはいえ昔から本読むの遅いし、そんなに量は読めないな」と思っていると次の一節が。

漫然と読んでいると、結果的に時間がかかるからです。それに何日もかけて読んでいると、前に読んだところを忘れてしまい、効率が悪くなります。

まずは「本は最初から最後まで、じっくり読むものである」という常識を捨てることが、多読の第一歩です。

何日もかけて読んで、最初の方の内容すっかり忘れているという経験、いやというほどしてきました・・・。

本の読み方という「常識」を変えないといけないんだと気づかされて、とりあえず多読のまねごとを始めてみようと思ったわけです。

「基本的には一冊につき一時間」などという記述もありましたが、いきなりそれはハードルが高すぎるので、3日で1冊、月10冊を目標にゴールデンウィーク中に始めることにしました。

本棚に眠っていた本の一部。すべて読了したわけではありません・・・

2.なぜ多読が必要なのか?

税理士は税金の本だけ読んでおけばよい?

元々本を読むこと自体は嫌いではなかったのですが、サラリーマン時代も忙しさを理由(というより言い訳)にあまり量を読むことはしていませんでした。
40歳で会社をやめて税理士試験の受験を開始した後は、読書のお供は予備校の教科書と税理士試験用の理論のサブノートだけという状況。

試験に合格した後も、税理士として学ぶことは大量にあり、ここ1~2年はほとんど税金関係の本しか読まなくなるうちに、「税理士なんだから税金とそれにまつわる本だけ読んでおけばいいんだ」といつの間にか自分の中におかしな「常識」ができあがっていました。

税理士が聞かれるのは税金のことだけ?

でも、税理士って税金以外のことについてもいろいろ聞かれるんですよね。

「今年の国民健康保険料いくらくらいになるでしょうか?」とか「借入金、いくらにしたらいいですか?」、「資産運用するのに何に投資したらいいと思います?」などなど。

こうした質問に曲がりなりにも答えようとしたときに、いわゆる純粋な「税金」の知識だけだとほとんど役に立ちません。

ということは、仕事をする上でも知識の幅を広げておかないと、お客様の期待に応えられないということになってしまい、最終的にはそっぽを向かれてしまうということになってしまいます。

そのためにも、「広く浅く」ではなく「広くちょっとだけ深く」くらいの知識をつけるために多読が必要という結論に至ったわけです。

行動の変化にまでつなげないと読書の効果は低い

今回「レバレッジリーディング」を読み直すことにより、
・読んだことをスグに仕事に活かすこと(逆に言えば、アウトプットにすぐつながるような本を選んで読むこと)
・最初から最後まで全部読まなくてよいこと
という2つの点を明確に意識できたことが大きな収穫でした。

10年位前に読んだときも恐らく「なるほど」とは思ったと思いますが、そのときは残念ながら行動を変えるところまではつながりませんでした。

でも今回は自分の行動の変化にまでつなげることができました。つまり読んだ本が自分に取って役立つかどうかは、「いつ」読むかということが大事です。

しかしながら読んでいない本の中身を知らない以上、「いつ」読むかということは自分でコントロールできません。読むべきタイミングに読むべき本に出会う確率を高めるためにも、読書の絶対量を増やす必要があります。

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3.本の管理と読書ノートをどうするか?

読んだ本をどうやって管理するか?

多読を始めて、次に悩んだのがどの本を読んだのかという管理と、「レバレッジリーディング」におけるレバレッジメモ(いわゆる読書ノートのようなもの)をどうやって作成するかということでした。

読んだ本の管理については、これも井ノ上さんの別のブログ記事を参考に、メディアマーカーというサービスで管理することにしました。

いろいろ調べてみると、読書メーターとかブクログといった読書管理のサービスがいろいろあるようですが、他人のレビューや読書についてのコミュニケーションを求めているわけではないため、メディアマーカーで十分と判断しました。

ネット時代の読書ノートの作り方

次に読書ノートの作成ですが、これもネットでいろいろ調べたところ、Kindleで購入した書籍であれば、AmazonKindleというサイトを使えばラクにできることがわかったので、これをEvernoteに保存して毎日1冊ずつ見直すようにしています。(具体的なやり方については割愛します。「読書ノート Kindle」等でネット検索してみて下さい。)

これにより本の購入はもっぱらKindle本となりました。通常の書籍であれば読み終えた本を売っていくらかのお金を得る可能性はありますが、Kindle本の方が紙の本より少し安いので、古本としての売却代金分が最初から下がっていると考えて、かつ売る手間を省くためにこうすることにしました。

自分の行動を変えるためにまずはたくさん読んでみよう

自分の将来を変えるには、自分の行動を変えるしかありません。自分の行動を変えるには、自分の思考を変えなければなりません。思考を変えるためにもたくさん本を読むべき。過去には、本だけ読んでも机上の空論で実際の役に立たない、と思っていた時期もありましたが、得た知識をいかに活かすかは自分次第。

あとは、習慣として続くかどうかですね。ちなみに読んだ本の量ですが、5月は14冊、6月も今日時点で6冊となんとか月10冊程度のペースを守っています。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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