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複数のCSVファイルをひとつのデータにまとめたい場合にExcelパワークエリを活用できます。今回はその使い方を確認します。

毎月データを継ぎ足す仕事なんてあるの?

Excelパワークエリの解説書などを読んでいると、活用例のひとつとして挙げられるものとして

「毎月データを追加していく作業」

があります。こうした解説を読んで

「税理士事務所にこんな仕事ないよね」

といつも感じていました。

もちろん世の中全体の税理士事務所を見渡せばこうした仕事はあるのかもしれませんが、実際に使用する場面が私の中では思いつきませんでした。

ところが先日、自分自身がこうした作業をしていることに気づきました。

時間管理のためにTaskChuteCloudというサービスを利用していますが、毎月1か月分のデータをエクスポートしてExcelでピボット集計したうえで内容を確認しています。

データが増えすぎても見づらいので、1年間で区切っていますが前月データを毎月月初に付け足してピボットテーブルを更新しています。

※時間管理の方法などは以下の記事をご参照ください。

ということで「使い途はあるんだ」と気付きましたので、今回はフォルダ内のCSVファイルをパワークエリを使って一つのデータにまとめる手順を確認しておきましょう。

フォルダ内の複数データを結合する手順

では具体的な手順を確認していきましょう。

サンプルデータとしては以前の記事において複数シートをまとめたときと同じデータを使用します。

手順を省略するためデータの形を少し変更しますが、要するにそれぞれのシートがCSVファイルとして保存された状態と考えてください。

【1】「データフォルダ」内に2人分ので給与データがある状態とします。

【2】新規Excelファイルを作成し「データ」-「データの取得」-「ファイルから」-「フォルダーから」を選択し、【1】の「データフォルダ」を選びます。

【3】「結合」ボタン右側の下矢印をクリックして「データの結合と変換」を選びます。

ちなみに以前の記事でひとつのExcelファイルに含まれる複数シートをまとめる際には、この画面で「データの変換」をクリックしました。

ところが今回のケースで「データの変換」をクリックしてしまうと、次のようななんだかよくわからないデータができてしまいます。

元となるデータの持ち方が違うと使用するボタン(メニュー)が違いますので、この点はご注意ください。

【4】サンプルファイルを元に読み込むデータが表示されますので問題なければ「OK」をクリックします。

【5】データを読み込みましたが「合計」行は不要なので消しましょう。

「項目名」欄右側の下矢印をクリックして、「合計」左のチェックを外したら「OK」をクリックします。

【6】左端列の「Source.Name」列も不要なので列を選択して右クリック後、「削除」を選んで削除しましょう。

【7】左上の「閉じて読み込む」ボタンをクリックすれば、次のように2つのCSVファイルが結合した状態で読み込まれます。

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フォルダ内のデータが増えたときの更新手順

【1】「データフォルダ」にファイルを追加します。「テスト三郎」さんのデータを追加します。

【2】フォルダ内の最新データを読み込みたい場合、「クエリと接続」画面に表示されているデータの読み込みに使用したクエリ(今回は「データフォルダ」を右クリックして「最新の情報に更新」を選びます。

なお「クエリ」-「更新」ボタンでも同じことができますが、この場合該当するクエリ(今回は「データフォルダ」)が「クエリと接続」内で選択されている必要があります。

違うクエリを選択している状態で押してもデータは更新されませんのでご注意ください。

【3】テスト三郎さんのデータがテーブルに追加されました。

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効率化のための「選択肢」を増やしておく

操作方法に多少の違いはありますが、

  • ひとつのExcelファイルに含まれる複数のシート
  • ひとつのフォルダに含まれる複数のファイル

のどちらであってもやろうとしていることは同じです。

一旦クエリを作成すれば、シートやファイルを開いていちいちコピペする作業を減らすことができます。

結合するファイルが2つ程度であれば、わざわざパワークエリの使い方を学んで使う必要は無いかもしれません。

とはいえ将来的に10人や100人分のデータを処理することになる可能性もありますので、効率化するための「選択肢」は増やしておくべきでしょう。

データをキレイに整える作業に時間がとられている状況であれば、パワークエリの活用も一度検討いただければと思います。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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