仕事をする上でチェックリストを活用することは重要ですが、印刷した紙にチェックされている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、チェックリストをペーパーレス化する方法を考えてみましょう。

チェックリストにハンコが必要?だったらオンライン化しちゃいましょう

昔々会社で経理の仕事をしていた頃、月次決算の最後に「TB照合」という業務がありました。

TB=試算表の残高と各勘定科目の基礎資料の残高を照合するというものですが、20年くらい前の話になりますので、

  1. 照合用の用紙を印刷
  2. 試算表の残高を転記
  3. 基礎資料の残高を転記
  4. 2と3の差額を記入
  5. その勘定科目残高を確認した人が、科目名の横に自分の名前の豆印を押す
  6. 用紙は保管

という流れでした。

今の時代、紙を印刷したり確認者が豆印を押すという流れでは、在宅勤務やリモートワークといった働き方を実現することはできません。

「ハンコ」そのものをなくそうといった話が出ていることも考えれば、こうしたチェックリストもペーパーレス化する必要があります。

そこで今回は、チェックリストをオンラインで運用する方法について考えてみたいと思います。

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Googleスプレッドシートでのチェックリストの作り方

具体的には、Googleスプレッドシートを使ってチェックリストを作成するという方法です。

Googleスプレッドシートを使うと、

  • オンラインでの共有がカンタン(複数人での運用がしやすい)
  • チェックボックスの挿入がカンタン(チェックリストをつくりやすい)
  • 記入後のシートをPDFファイルで保存可能(チェックリストの保管もオンラインで可能)

といったメリットがあります。

このうち、チェックボックスの挿入については、以下の手順で行います。

1.チェックボックスを挿入したいセルを選択

 

2.「挿入」-「チェックボックス」を選択

 

これだけで、セルの中央部分にチェックボックスが挿入されます。

チェックボックスをクリックすれば、チェックのオン/オフの切替が可能です。

セルを選択してDeleteキーを押せば、チェックボックスを削除することもできます。

このような手順でチェックリストのマスターファイルを作成しておき、使用する際にファイルをコピーして使用すれば、前回のチェックを外したりする手間も必要ありません。

また、

「このやり方だと、後で勝手に変更されてもわからない」

「上司に最終版のチェックリストの報告が必要」

といった心配や課題があるのであれば、チェック完了後のシートをPDFファイルに保存して、そのPDFファイルのリンクを上司に報告する、という方法も可能です。

Googleスプレッドシートであれば、変更履歴で「誰が」「いつ」「何を」修正したかわかりますので、「後で勝手に変更」した内容は確認することもできますが、シンプルな運用にしたいのであれば、最終版をPDFファイルに保存すればよいでしょう。

なお、チェックリストには会社の情報が含まれるため、無料のGoogleアカウントではなく、会社で有料のGoogleアカウントを準備したほうがよいでしょう。

こうした手間やコストはかかりますが、すでに会社でGoogleアカウントを使われているのであれば、業務用のチェックリストを上記のような手順でカンタンに作成することが可能です。

Excelで同じようなチェックリストを作るには・・・

「会社でGoogleアカウントは付与されていないけど、Excelを使っていて、オンラインストレージでファイルの共有をしているから、Excelで同じことをしたい」と考える方もいらっしゃると思います。

不可能ではないですが、Excelで同じことをするのは少し面倒です。

1.最初にメニューバーに「開発」メニューが表示されているか確認

 

2. 「開発」メニューがない場合は、メニュー下のリボン部分を右クリックして「リボンのユーザー設定」を選択

 

3. 右側の「メインタブ」の中の「開発」にチェックを入れて「OK」を押す

 

4. 「開発」-「挿入」メニューから「チェックボックス(フォームコントロール)」を選択

 

5. チェックボックスを挿入したいセルの辺りでドラッグ

 

6. チェックボックスを右クリックして、「テキストの編集」を選択

 

7. Deleteキーで不要な「チェック」等の文字を消す

 

あとは、同じ手順でチェックボックスを追加するか、作成したチェックボックスをコピーして、他のセルに貼り付けしていきます。

Excelのチェックボックスの場合、

  • 位置決めを自分でする必要がある
  • 不要な文字が入ってしまうため削除が必要
  • セルと一体化していないため扱いにくい

といった課題があるため、今回のようなチェックリストを作成する用途には向いていません。

そのため、「チェックリストをオンライン化する」という観点からは、Googleスプレッドシートをオススメします。

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難しいことから始めない、できる一歩から始めてみる

今回チェックリストをペーパーレス化するために、Googleスプレッドシートを使ってチェックリストをオンライン化する方法を解説しました。

もちろん資金や人材が十分にあれば、有料のサービスやソフトを導入して、こうしたチェックリストをオンライン化する方法もあるでしょう。

とはいえ、なかなかそこまで人材やコストをかけられない会社も多いはず。

そうした場合に、「ウチではムリだ」と諦めてしまうのではなく、とりあえずできるところから始めてみるということが大切です。

高価なシステムやサービスを使わなくてもできることはいろいろあります。今回の記事、そうした検討をされる際の参考としていただければ。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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