税務署に提出する資料に関してはいまだに日付は元号で記載することになっています。今回はこの点について少し考えてみたいと思います。
税金に関する書類はいまだに元号で記載
確定申告書や税務署に提出する届出書などについては、いまだに日付は元号で記載することが求められます。
一般的には普段「元号」を使う機会が減ってきていますので、いざ税金に関する書類を作ろうとすると
「あれいま令和何年だっけ?」
となる人も多いのではないでしょうか。
実際お客さんからも
「なんで元号で書くの?書類を整理するときに混乱する。」
と言われることもあります
元号が使われることにより、例えば平成から令和に切り替わった際にも
という案内が国税庁から出ました。
内容としては
- 当面ホームページや申告書用紙に「平成」「平成32年」などと表記されるケースがあるけど自分で読み替えてね
- 平成31年6月1日などの記載がある書類なども有効なものとして扱うよ
といったものです。
これって書類を作成する側にいちいちアタマの中で変換する手間を求めるもので、効率的ではないですよね。
他にも税金を支払う際に使う納付書についても「平成」表記のものが残っていてもそのまま使っていいよという案内も出ていました。
そのまま使って良しとする内容ではありますが、こうした案内をわざわざ出さないいけないこと自体が効率的ではないと感じます。
世の中全体での工数としてはかなり大きいのでは?
「元号自体を廃止すべきだ」なんて言うつもりはまったくないのですが、書類への記載が元号になっていることにより
- 元号が変わった際にわざわざどのように取り扱うかといった案内を出す必要がある
- 普段西暦に慣れている人は書類に記入する都度西暦→元号の変換を行わないといけない
ということで、世の中全体ではかなりの手間がかかっているのではないでしょうか。
ソフトやシステムについても、元号を表示するための対応が必要であり、改元の際にはすべての税務ソフトが対応を求められます。
こうした手間って、税金に関する書類の日付記載を西暦に統一すれば不要になります。
人口が減る中で生産性の向上が急務といわれているのに、なぜこうした点に手をつけないのかという疑問は常々抱いています。
企業内では西暦を使う方が一般的でしょうから、税金に関する書類も西暦に合わせた方が、先ほど挙げたような対応が不要になります。
実際に切替えするとなると多少の混乱はあるでしょうけれど、どこかで腹をくくって切替えた方が世の中全体としての生産性向上につながるのではないでしょうか。
変えようという話がまったく出てこないのは、恐らく目に見えた成果として効果を測定しづらいというのが理由ではないかと思っていますが(もしくはそもそも問題だと認識されていない?)、どこかで変わることを期待しています。
西暦・元号の変換はExcelを使うとカンタン
すぐには変わらない状況に不満を言うだけでは生産的ではありませんので、少しでも手間を減らすためにExcelで元号を扱う方法を確認しておきましょう。
ご存じの方も多と思いますが、Excelでは西暦で日付を入力すれば表示方法を変えるだけで元号表記に変えられます。
逆に「R5.12.10」とセルに入力したとしても、自動的に西暦のデータとなりますので、表示を変えれば西暦に変更することが可能です。
※正確に説明するのであれば「シリアル値がうんたら」ということになりますが、そうした説明は今回割愛します。
また次のようなCSVファイルがあったとします。
このファイルをそのままExcelで開いてもきちんと日付として認識してくれます。セルの書式設定を変更すれば西暦表記にすることも可能です。
このあたりは本当によくできた仕組みだと思います。
ちなみにこのCSVファイルをパワークエリを使って開くと、日付の書式変換をするまでもなく西暦で読み込んでくれます。
Excelを上手に活用すれば西暦・元号を変換する手間はかなり省けるということで紹介しましたが、そもそもこのような手間はやらずに済むのであればその方が絶対にいいです。
「なくしても問題がない仕事はなくしてしまう」というのが最大の効率化ですが、やらざるを得ない以上は少しでも手間をかけずに対応する方法を検討しましょう。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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