日々さまざまな作業をしている中で「この作業、なんか手間がかかるなあ」と感じることはありませんか。そうした感覚を丁寧に拾うことの重要性について考えてみましょう。
FAX対応のためインターネットFAXサービスを使う
税理士の仕事をしていると、いまだにFAXで書類を送受信する機会が、少ないながらもあります。
当初は「FAXありません」とお伝えして、送信だけコンビニから送ればいいかと思っていたのですが、「FAXを送る」というタスクをすぐに終わらせられない状況や、ついでとはいえコンビニに寄るのが段々と面倒になり、数年前からインターネットFAXを使うようになりました。
インターネットFAXのサービスを提供している会社は複数ありますが、頻繁に使うものでも無かったので、あまり深く検討せずに決めて今も使い続けています。
ただ、今になって思うともう少し検討してから決めた方がよかったかな、と思うことも…。
作業手順は少ないほうが絶対いい
何を不便に感じているかというと、送信するまでの手順です。
FAXで送らざるを得ない資料は、ほとんどの場合紙で送られてきて、それをFAXで送信するよう求められます。
そのため、
- 紙の資料をスキャンしてPDFファイルを作成
- インターネットFAXサービスにログイン
- 1で作成したファイルを選択
- 送信先の番号を入力
- 送信ボタンを押す
という手順になります。
個人的な事情ですが、スキャナーでスキャンしたファイルの保存先をEvernoteにしているため、実際には1と2の間に「EvernoteからPDFファイルを保存する」という手順があります。
FAXの送信は、月に1回あるかないか程度なので、それほど問題にならないとはいえ、作業するたびに「メンドクサイ」と感じるようになってきました。
改めて調べてみると他社サービスでは、スマホアプリから送信できるものがあるのですが、現在使用しているサービスは、こうしたものには未対応。
マニュアルを確認していると、「メールアドレスに添付して送信することでFAX送信できます」と書いてあったのですが、よくよく読むと、一旦サービスにログインしてから、メニュー内のリンクをクリックしてメールソフトを立ち上げる方法でないと送信できないと。
最初の段階でサービスの選択をミスしたかな、とも思いましたが、今から他社サービスに乗り換えると番号が変ってしまい、既に番号をお伝えしている方もいますので、安易には乗り換えづらいわけです。
そうはいっても、自分が「メンドクサイ」と感じる作業を続けるのもイヤなので、いろいろと試した結果、今は、
「タブレットのブラウザーからログインして送信する」
という方法に落ち着きました。
「スマホアプリがないなら、サービスに直接ログインしてみよう」ということでタブレットでログイン(スマホでは画面上の文字が小さすぎて断念)。
そして問題の「書類をPDFにする」という点ですが、ファイル選択画面で
- 直接写真撮影するorタブレット内の写真ファイルにアクセスする
- DropboxやGoogle Driveなどのクラウドストレージにアクセスする
- タブレット内のスキャナーアプリ(Adobe Scan)にアクセスする
といった方法を選択できるため、直接写真撮影して送信する方法となりました。
(書類の周囲に余計なものを入れたくない場合のみ、AdobeScanでスキャンしてから送信しています。)
ちょっとした違いではあるのですが、紙の書類をPDFファイルにするために「スキャナーに書類をセットしてからスキャンボタンを押して…」といった作業に比べると、ファイル選択画面で直接送信ファイルを作成できるようになり、気持ちとしてだいぶラクになりました。
自分の中の「メンドクサイ」という感覚を放置しない
今回のケース、導入段階できちんと調べておけばよかったのですが、後悔したまま「メンドクサイ」と思って使い続けても何も改善しません。
日々忙しく過ごしてしまうと、「メンドクサイ」と感じたとしても、「忙しいし、とりあえず作業が終わればそれでいい」ということで放置してしまうことが多いのではないでしょうか。
そうした感覚については、丁寧に拾おうと意識しないと、最後には「メンドクサイ」と感じる感覚自体が鈍ってきてしまうかもしれません。
この「メンドクサイ」という感覚、業務を改善する上でのヒントが隠れています。
そのため放置してしまうというのは、業務改善のヒントをみすみす捨ててしまうことと同じです。
その場ではすぐに対応できないとしても、「メンドクサイ」と感じたことをメモしておくだけでも、いろんなヒントや気づきを得ることができます。
自分の感覚をちょっとだけ研ぎ澄ませて、身の回りにある「メンドクサイ」を見つけられるよう意識してみてはいかがでしょうか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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