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「経理の仕事がいつまで経ってもラクにならない」といった悩みを抱えている方も多いと思います。そうした場合、作業を「まとめる」ことができないか一度見直してみませんか。

経理の仕事は、毎月繰り返す作業が多い

経理の仕事をされている方であれば、よく感じることだと思いますが、経理という仕事は毎月(もしくは毎日)同じような作業を繰り返すことが多いものです。

例えば、

  • 現金・預金の入出金のチェック
  • 立替経費の精算
  • 債権回収の消し込み
  • 支払いの手続き
  • 記帳(会計ソフトへの入力)

などといった業務があります。

細々とやることが多く、なかなかラクにならないと感じることも多いのではないでしょうか。

そうした場合に、まず確認していただきたいのは、同じ業務を「まとめて」行うことができないか、という点です。

例えば、支払業務を例に考えてみますと、もし毎週支払の処理をしていたとしたら、これを月1回にまとめられないか、といった観点から見直すということです。

こうすることにより、もし毎週金融機関に支払手続きに行っているのであれば、金融機関までの移動時間を削減することができます。

ネットバンキングで振込指示をしていたとしても、支払回数を減らすことで、少なくともログインするための時間は減らすことができます。

「ログインする時間なんて大した時間じゃない」と思われるかもしれませんが、仮に金融機関のサイトを立ち上げて、ID・PW等を入力して、支払処理の画面に到達するまでの時間を1分とします。

これを月3回削減すれば、1ヶ月で3分、1年で36分となります。

この数字をみても、「それくらいなら別に減らなくても構わない」と思う方もいるかもしれませんが、もし1年間で36分削減できる業務を10個見つければ、360分=6時間の削減につながり、約1日分の稼働時間を確保できます。

このほかにも、支払処理をまとめることで、総合振込の仕組みが使えたり、まとめて処理することによる作業時間の短縮も期待できるわけです。

 

決めたルール・日程に従って、どこまで処理できるかがポイント

このような業務を「まとめる」際には、一旦決めたルールやスケジュール通りにどこまで処理できるかがポイントとなります。

先ほどの支払業務の例でいえば、「支払業務は月1回にまとめる」と決めたとします。

そうすると、通常は取引先から請求書を受け取る締日と支払日、それと支払処理を行う日を決めることになります。

例えば、月末締め翌月末支払として、支払処理は15日に行うといった具合です。

このときに、締日までに請求書が届かなかったり、内部処理の遅れなどで、支払処理が終わった後に月末までに支払って欲しいといわれたときに、ルールを徹底できるかどうか。

もちろん取引先との関係などで、経理のルールだけを盾に支払えないとはいえないケースもあると思います。

それでも、経理などのバックオフィス業務を効率化するために大事なのは、定型ルール・標準スケジュールから外れた処理をどれだけ減らせるかという点です。

例外的な処理が発生した場合には、

  • なぜ例外的な処理が発生したか
  • 原因は、当社・取引先のどちらにあるか
  • どうすれば例外的な処理がなくなるか

といった点を検討して、一つずつ問題を潰していくことが欠かせません。

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日々の作業に追われる中でも、ムダがないか振り返る時間を

経理業務を効率化するためには、「まとめる」ことが一つのポイントとなることを支払業務を例に整理してみました。

多くの会社では、既に支払業務を月1回にまとめていると思いますが、他の業務でも考え方は変わりません。

日々の雑務に追われて、自分の業務の中にムダがないか、改善できる点がないかといった振返りの時間を持つことは難しいという方も多いと思います。

それでも、そうした時間を持って業務のやり方を変えない限りは、時間に追われるという状況が改善することはありません。

日々の仕事を進める中で、「なんかこのやり方、要領が良くないな」とか「毎回思った以上に時間がかかるな」と感じることはありませんか。

そんな時に、

  • どの業務の
  • どの点に対して
  • どのように感じたか

ということをメモすることから始めてみてはいかがでしょうか。

人はいろいろ感じたり考えたとしても、その仕事が終わればすぐに忘れてしまうものです。

仕事の際に作成したちょっとしたメモが、あとで業務を見直すヒントにつながります。

仕事中に気づきをメモすることから、まずは始めてみませんか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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