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事業所得のある個人事業者の場合、自動車関連費用を必要経費として計上するケースもあるでしょう。今回は自動車関連経費についての基本的な注意点を確認しておきましょう。

自動車の経理処理は意外と難しい

今年の所得税確定申告も終わりましたが、来年に向けての注意事項を整理しておくのも大事なことです。

例えば、個人事業者で事業をしている方の中には自動車を事業用に使用するケースもあるでしょう。

自動車については

  • 購入時
  • 使用中
  • 売却(買替え・廃車)

など様々な場面があり、実を言うと経理に慣れた人でもこうした処理を面倒に感じることが多いものです。

また、事業用とプライベートでそれぞれ車を所有していれば処理はシンプルになりますが、そうしたケースはほとんどないでしょう。

1台の車を事業にもプライベートにも使うとなると、事業用の割合をいくらにするかという問題も出てきます。

そこで今回は自動車に焦点を当てて、所得税を計算する上での基本的な注意点を整理しておきましょう。

所得税を計算する上での基本的な注意点

所得税を計算する上での注意点を車のライフサイクルに合せて確認します。

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購入時

購入時の注意点としては、固定資産に計上するものと経費として処理するものを区分することが挙げられます。

例えば国税庁のタックスアンサー(No.2215 固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合)を確認すると「自動車取得税」は経費として処理することとなっています。

誤って固定資産の取得価額に含めてしまうと、そもそも経費や減価償却費が正しく計算されませんし、自動車取得税以外にもこうした区分が必要なものがあります。

そのため、例えば通帳の振込金額だけを見ても自動車を購入した際の処理を正しく行うことはできません。

購入時の契約書を保存しておき、個別の内容を確認した上で処理をする必要があります。

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使用中

自動車の使用中に発生する費用としては

  • ガソリン代
  • メンテナンス費用
  • 減価償却費

などが挙げられます。

このときにポイントなるのは、経費のうち事業用に使った割合がいくらになるかという点です。

理想をいえば、自動車を事業のために使うごとに走行距離を記録し、年間走行距離のうちに占める割合を算出して事業用の割合とすべきでしょう。

自動車を事業用に使うことが頻繁にあるなどの理由でそうした対応が難しいということであれば、税務署の調査があった際にきちんと納得してもらえる割合を検討する必要があります。

また所得税ではないですが、消費税を納税している事業者がディーゼル車などを使っている場合には、軽油の支払を「軽油」と「軽油引取税」に分けて処理する必要があります(簡易課税を使っている方は除く)。

「軽油引取税」については消費税がかかっていませんので、税務署に支払う消費税を計算する際に控除対象から除いておく必要があるため、レシートを処理する段階できちんと分けておきます。

売却時

事業を行っている場合、所得税は「事業所得」として計算します。

ところが事業用に使っている自動車を売却した場合には、「事業所得」ではなく「譲渡所得(総合課税)」として申告書を作成する必要があります。

利益には所得税がかかり、損が出ている場合には事業所得が黒字であれば損益通算という処理により損を事業所得から引くことができます。

一方でプライベートでしか使用しない「生活に通常必要な動産」と認められる場合には、自動車を売却した際の利益には所得税はかかりませんが、損があってもなかったものとされ税金は減りません。

そのため、事業にもプライベートにも使っている自動車を売却した場合には、使用中と同じように、適正な事業用の割合を計算する必要があります。

また、記帳する際に誤って売却金額を「雑収入」などで処理してしまうと、所得税を正しく計算できません。

自動車などの「譲渡所得」については利益から50万円を引くことができますので、誤って事業所得で処理してしまうと余分な税金を支払うことになる可能性があります。

ここでいう売却には買替えの際の下取りも含まれます。

購入時に下取り金額を差し引いた金額を支払った場合には

  • 下取り金額を差し引く前の金額で固定資産に計上(自動車取得税などは経費で処理)
  • 下取り金額と下取り車の簿価の差については「譲渡所得」として申告

という処理が必要となりますので、注意が必要です。

「実際に支払った金額で固定資産に計上する」という処理は正しくありませんので気をつけましょう。

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資料をきちんと保存しておくこと

自動車に関連する経理処理について、基本的な注意点をまとめてみました。

自動車に関連する処理をする場合には、元となる資料が残っていないと正しく処理することができません。

例えば、購入時の契約書がなく通帳の振込金額だけを見ても正しく処理できません。

下取り時の金額についても、ディーラーでの下取りであれば新車の注文書の中に金額が書いてあったりしますので通帳では確認できません。

他にも軽油を使っている場合の内訳などは、ガソリンスタンドで受け取るレシートがないとわかりません。

クレジットカードで支払ったのでクレジットカード明細しか残していないとなるとお手上げです。

自動車に限ったことではありませんが、正しく記帳・申告をするためには資料を残しておくことが欠かせません。

来年の申告に向けて

「とりあえず事業に関連ありそうな資料はすべて残しておく」

という点を意識していただければと思います。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
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