仕事をする上でチェックリストを活用されている方は多いと思いますが、そのチェックリスト、きちんと活用できるものになっていますか?

時間が経てば忘れる前提で仕事の仕組みを考えておく

これから個人の方の確定申告(所得税・消費税・贈与税)が本格的に始まりますが、税理士にとっても法人と違って個人の方の申告はこの時期にしか行いません。

そのため作業をしていても、

「あれ、これ去年どうやったっけ?」

「なんかこのお客さん、今回注意しないといけない項目があった気がする」

といったモヤモヤする気分を味わうことが何度もありました。

もちろん前回の資料をひっくり返して一から確認していけば、気になる点を確認することができますが、そのやり方では、

  • 確認に時間がかかりすぎる
  • そもそも忘れていると、確認すらできない

ということで、効率的でありませんし、チェックモレでミスにつながるリスクもあります。

普通の人であれば、時間に追われていることも多く、またすべてのことを覚えておくことはできません。

だからこそ「忘れる」という前提で、思い出すまでの時間を短縮できるような仕組みを組み立てておく必要があります。

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チェックリストを作成するときに注意すべき2つのポイント

そして確認すべきことを思い出すための仕組みとして、チェックリストを活用されている方も多いのではないでしょうか。

ところが、そうした方であっても、例えば

「チェックリストの項目が増えすぎて、毎回チェックしていられない」

「チェックリストに書いてある内容がよくわからない」

といった経験はありませんでしょうか?

このような状況ではせっかくチェックリストを作っても、活用されずに終わってしまいます。

そこでチェックリストを作成する際に注意したいのは、

  1. 汎用性が高いものに絞り込みできているか
  2. 誰が読んでも理解できるような書き方になっているか

の2点です。

まず1点目ですが、チェックリストに記載すべきなのは、ミスしたことやミスしそうになったことで、他のケースにも当てはまるようなものに絞るということです。

「せっかくチェックリスト作るんだから、気になることはすべて入れておこう」と思われるかもしれませんが、チェックリストの目的は、ミスを発見することです。

そのため「ミスを見つける」という観点で、項目を絞る必要があります。

また、例えば会計事務所などで特定の顧客でしか必要ないチェック項目を、チェックリストに入れてしまうと、他の顧客においてもその項目をチェックする必要が生じるため効率的ではありません。

そのため仮に所得税申告書のチェックリストを作るのであれば、チェックリストは1種類のみ作成して、すべての顧客にそれを適用する。

それ以外の特定の顧客についてのみ気をつけるべきこと・申し送り事項については、引継メモとして分けた方がよいと考えています。

もちろん見るべき資料が2つになってしまうという問題はありますが、すべてチェックリストに入れ込んで、使いづらくなるよりはマシでしょう。

なお、顧客ごとにチェックリストを作るという方法もありますが、これだとある顧客の業務において新たなチェック項目に気付いたとしても、それが他の顧客のチェックリストに反映されない恐れがあるためオススメしません。

2点目については、チェックリストを作ったときの自分は理解できていても、数ヶ月後や1年後の自分では理解できないということがよくあります。

意識すべきなのは、他人に対する引継書のつもりで、誰が読んでもわかるような書き方を意識すること。

組織内で共有するチェックリストであれば、この点意識しやすいと思いますが、自分用のチェックリストであっても、同じ意識で作らないといざ使おうとしたときに「これ何のことだっけ?」となってしまいます。

この2点を意識して作るだけでも、かなり使いやすいチェックリストになるはずです。

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どんなによいリストでも使わなければ意味がない

チェックリストの目的はミスを発見して外部に流出させないことです。

そのためには当然的確なチェック項目をリストアップすることが必要ですが、どんなに内容がよくても使われなければまったく意味がありません。

だからこそ、「きちんと使える、使いやすいものになっているか」という点は意識しておく必要があります。

「使えるチェックリストがよいリスト、内容は少しずつ改善していけばよい」

これくらいの意識で使っていく方が、実際の仕事においてはうまく回っていくのではないでしょうか。

「チェックリスト作ったけど、あまりうまく活用できていない」と感じている方がいらっしゃいましたら、一度内容を見直しされてみてはどうでしょうか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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