税理士という仕事柄、どうしても年末年始は気持ちに余裕がなくなりがちです。仕事をしていて余裕がなくなってきたとき、どうやって対処すべきか考えてみました。

年末年始は仕事がいっぱい

税理士という仕事をしていると、年末年始はいろいろとやることがあります。

例えば、

  • 年末調整
  • 源泉所得税の納期の特例の納付書準備
  • 給与支払報告書の提出
  • 法定調書の提出
  • 償却資産税の申告

などなど(自分で書いててイヤになってきました・・・)。

これらに加えて、通常のルーチン業務や決算、さらには個人の確定申告の準備などが入ってくるため、どうしても精神的に余裕がなくなりがちです。

これがある程度しっかりした会社の会社員だったりすると、上司や周りの同僚から「大丈夫?仕事ちゃんと回ってる?」と聞いてもらえたりするのかもしれません。

しかし、個人事務所ではこんなこと誰も聞いてくれませんので、精神的に余裕がなくなってきたとしても、自分でなんとかする必要があります。

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余裕がないなと感じたときにできる5つのこと

実際今も、自分であまり気持ちに余裕がないなと感じながら、この記事を書いているわけですが、こうしたときに気持ちを落ち着けるためにできることを、5つ挙げてみたいと思います。

1.やらなければならないことをすべて書き出す

余裕がないときは、ついつい「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と気持ちばかりが焦って、余計にパニックになることがあります。

こんなときこそ一度立ち止まって、とにかく頭の中にある「やらなければならないこと」をすべてどこかに書き出すこと。これをまず最初にやったほうがよいでしょう。

不思議なもので、やらなければならないことをすべて書き出すだけでも、少し気持ちが落ち着くことがあります。

人は全体像が見えていないと不安になるものです。まず自分が抱えている仕事を棚卸して、全体像を見えるようにしましょう。

2.書き出した項目をいつやるか決める

やらなければならないことを書き出したとしても、それを眺めているだけでは仕事は絶対に片付きません。

すべて書き出したら、それを「いつやるか」カレンダーなどに書き込んでみましょう。

締め切りを意識しながら、「いつやるか」割り当てていくことで、状況がどの程度厳しいのか、もしくは思ったほど大変でないのかが見えてきます。

このとき注意して欲しいのが、1日当たりの仕事の予定を詰め込みすぎないことです。

予想外のトラブルや思った以上に仕事に時間がかかるなど、想定通りに仕事が終わらないことは、いくらでも起こりえます。

そうした状況に備えて、多少の余裕を持って「いつやるか」検討してみましょう。

そして、この時点で締め切りまでの時間が厳しければ、どうやって対処するのか対応策を検討しなければなりません。

大変ではありますが早めに対策を打つことで、土壇場で締め切りが守れないという状況は避けられます。

3.同じ作業を続けないようにする

大量の作業を必要とする仕事の場合は、1日中その仕事をするといったことは避けるようにしましょう。

会計事務所ですと、多くのお客さんを抱えている場合、1日中例えば、給与支払報告書の作成ばかりしているということもあるかもしれません

こうした仕事の仕方をしていると、頭がだんだんと働かなくなり効率も落ちてしまいます。

システムの関係でまとめて作業した方がよいケースもあると思いますが、ある程度まで作業したら、できるだけ種類の異なる別の仕事に取りかかり、今日の仕事のチェックは翌日に回すなど、作業効率が落ちないような工夫も必要かと。

気ばかり焦って同じ作業を続ける → 作業効率が落ちて仕事がすすまない → さらに焦る といった悪循環は避けるように意識しましょう。

ちなみに、私にとってはこうしたブログを書くことも、同じ作業を続けずに違うことをして頭の中を切替えることのひとつです。

4.体を動かす

特に事務作業などを続けていると体はこわばり、疲れもたまってきます。

仕事の合間に少し歩いたりストレッチしたりなど、体を動かすことでイライラした気持ちも少しましになるかもしれません。

また休みの日なども残った仕事が気になって、ゆっくり休めないという方もいらっしゃるかもしれません。

そうした場合も体を動かすことで、気分が変わることもありますので、やはり積極的に体を動かす機会を作った方がよいでしょう。

5.休息・休憩をしっかりととる

気持ちに余裕がないと、ついつい休憩も取らずに一気に仕事を仕上げようと思ってしまうかもしれませんが、これだと作業効率が落ちてきて、さらに余計に疲労がたまるだけです。

気持ちに余裕がないときこそ、定期的に休憩を取るようにしましょう。

また仕事の状況によっては休めないこともあるかもしれませんが、休日を取って心身ともリフレッシュすることも必要かと思います。

やるべきことをすべて書き出して、いつやるか決めたのであれば、あとは思い切って休みましょう。

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余裕をなくさない仕事の仕方を目指しましょう

仕事が忙しく、気持ちに余裕がないときにできることとして、5つ挙げてみましたが、これらのことは余裕がないときだけやることではなく、普段から多くの方がされていることだと思います。

要するに、

「やるべきことをいつやるかはっきりさせて、休憩・気分転換を忘れずに」

ということなんですが、忙しいときほど普段以上に意識してやってみましょう、ということです。

さらにいえば、理想は気持ちの余裕がなくならないように仕事をすること。

事前のスケジューリング、資料の督促、想定されるトラブルを事前に潰すなど、自分のペースで仕事できるように事前の段取りをすることが大事です。

私自身、今回の年末年始はイレギュラーが重なったこともありましたが、こうした事前の段取りが悪かったなとこの記事書きながら反省しています。

自分で今回書いたことを実践しつつ気持ちを整えて、なんとか乗り切っていきたいと思います。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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