自分にあった勉強法を見つけるにはまず自分の性格を見つめ直すべきでは。今回はそんなお話しです。
目次
税理士試験受験生のときにSNSを使うことの是非
最近Twitterを見ていて、税理士受験生の方が結構書き込みされているなと感じます。
SNSなどで気分転換して一旦気持ちが切れてしまうと、勉強に戻るのに時間がかかる性格だったため、私自身は受験生時代は、SNSなどの情報は一切遮断していました。
実際Twitterを使っている方を見ていると、気分転換・情報交換・知識の整理など、アウトプットの場として有効に使っている方が多いように見受けられ、正直すごいと思います。
SNSを使うことについては、うまく活用できる方はどんどん使えばいいと思いますし、逆に他人の勉強している姿をみて悪い意味で焦りやストレスを感じるような方は、使用を控えた方がよいでしょう。
受験にとってプラスになるかどうか、自分にあっているかどうかといった点を考慮して、自分で判断すればよいことと考えています。
勉強法にしても同じで、いろんな方がいろんな勉強法を公開されていますが、結局は自分にあったものでないと、なかなか成果にはつながりません。
そこで、自分にあった勉強法を見つけるためのヒントになりそうなポイントを、3つ挙げてみます。
自分にあった勉強法を見つけるための3つのヒント
ヒント1:まずは自分の性格をよく知る
SNSにしても、よい影響を受けて勉強がはかどる人、悪い影響を受けて勉強が手につかなくなる人、といろんな方がいらっしゃいます。
こうしたことは結局のところ、自分の性格が影響しているため、自分がどのような性格か、改めて見つめ直すことをおすすめします。
例えばひとつの方法として、『ストレングス・ファインダー』という自分の資質を判定するテストがあります。
このテストは、「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」という本にアクセスコードが入っていますので、これを使って受けることができます。
私が2年ほど前に受けたときは、翻訳のせいか質問の意味がよくわからないものがいくつかありましたが、自分の性格や傾向を捉えるひとつの方法として使えます。
書籍に同梱されているアクセスコードでは、自分の資質のうち上位5つしか示されませんが、性格や傾向の把握という目的であれば、5つあれば十分でしょう。
ちなみに、私が受けたときの結果は、上から順に
「調和性・慎重さ・学習欲・目標志向・内省」
の5つでした。
だいたい納得できる内容でしたが、一番最初に「調和性」という項目が表示されたのは、正直意外でした。
このように自分が意識していない資質が表示されることもありますので、自分の性格を再確認する方法の一助となるでしょう。
ヒント2:自分の性格を長所として活かす方法を見つける
自分の性格を再確認することができれば、次はその性格を長所として活かす方法を考えてみましょう。
自分が短所と考えている性格であっても、その性格を活かして、長所とすることもできます。長所と短所は表裏一体、うまく活用しましょう。
自分の性格に合わせてどのような勉強法が使えるか、2つ例を挙げてみます。
飽きっぽい性格の人
飽きっぽい性格の方は、同じことを続けるのが苦手といえますが、逆にいえばいろんなことに興味を持つ性格ともいえます。
そのような方は、税理士試験であれば、同じ科目を続けて勉強するよりも、短時間集中して勉強したら次の科目をはじめる、または計算をやったら次は理論に切り替えるなどしていけば、幅広い範囲を確実にカバーしていくことができます。
税理士試験は結構範囲も広く、勉強すべきことはたくさんあります。理論は何度も繰返し覚えるしか、身につける方法はありません。
飽きっぽい性格は、幅広い範囲をカバーするのに有効と考えて、長所と捉えていきましょう。
(とはいえ、基礎が身につくまでは辛抱も必要ですが)
また、SNSを使った気分転換なども、うまく取り入れれば効果的です。
すぐに勉強から逃げたくなる人
このような方は、自分の心が弱いと思われているかもしれませんが、ほとんどの人はそんなに強いわけではありません。
「自分が弱いことを自覚している」のであれば、対策は打てますので、そのこと自体が強みになります。
この場合の最もよい方法は、逃げ道を自分でひとつずつなくしていくことです。
個人的には、「○年で合格する!」とか「今年は○○の科目を必ず合格する」など、周りに宣言することをおすすめしています。
Twitterなどで、答練の結果や今日勉強したことなどを書込されている方もいらっしゃいますが、これも意識しているかどうかは別として、自分を追い込む効果があります。
誰も見ていない可能性ももちろんあるのですが、誰かが見るかもしれない場所に、そうした情報を出すことは、自分に対するプレッシャーとなりますので、モチベーションを維持するのに役立ちます。
また、通信教育でどうしてもサボってしまうという方は、思い切って教室通学に変更するのもひとつの方法でしょう。
ヒント3:他人の勉強法を取り入れる場合も、必ず自分に合わせてカスタマイズする
ネット上や書籍の中でいろんな勉強法が解説されています。受験勉強がしんどくなってくると、何かもっとよい方法があるんじゃないと思い、ネット検索などでそうした方法を探してしまうこともあるでしょう。
「これは自分に合いそう」と思ったものは、積極的に取り入れれば良いと思います。
そうやって取り入れるときは、まず最初は説明されている方法をそのままやってみましょう。
でもやっているうちに、違和感を感じる部分が出てくるはずです。そうしたら、その違和感がある部分を自分にしっくりくる方法に変えていきましょう。
人の性格は千差万別ですから、他人の勉強法がそのまま自分にすべて当てはまることの方がまれです。
違和感を感じる部分は、積極的にカスタマイズしていきましょう。その際、自分がどういう性格でどういうやり方があっているのか意識すると、変えるべき点がよく見えてきます。
例えば、税理士試験の理論の暗記方法などは、人によって合うやり方が異なります。
暗記のための時間を多く取った方がよい人もいれば、問題を解いた方が頭に残る方もいらっしゃるでしょう。
かける時間の割合を変える、ちょっと自分なりの工夫を加える、といった一手間を加えることで、自分にあった勉強法に変えていくことができます
なお、 試験の直前期に勉強方法を変えることはおすすめしません。よほどの事情がない限り、勉強方法を変えるのは、試験が終わったあとにしましょう。
苦しいだけでは続かない。自分にあった勉強法を。
ただでさえラクでない試験勉強、勉強法が自分にあっていないとさらに苦しくなりうまく続けることができません。
自分にあった勉強法が見つけられれば、それが成果につながり、成果が数字で現れれば、それがモチベーションアップにつながるという好循環を生み出すことができます。
もし成果がうまくでていないと感じているのであれば、自分の性格を見つめ直した上で、勉強法を見直すことをおすすめします。
とはいえ、ここに書いた考え方もひとつの方法論に過ぎません。あくまで参考として、自分なりの自分にあった勉強法を見つけてください。
税理士試験の受験生の方にとっては、本番まであと1ヶ月強。体調に注意して本番頑張ってください。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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