先月AIに関する講演会に参加しましたが、その後関連する本などを読みながらAIへの向き合い方を考えていました。現時点での考え方をまとめておきます。

AIはインフラだけど、使うのは電気ほどカンタン?

先月参加したAIに関する講演会で、非常に印象的なフレーズがありTwitterでも引用させてもらいました。

「AIは新しい電気=インフラ」というフレーズで、AIについては既に電気などのインフラレベルのものになっていると認識する必要があるということです。

ただ電気であれば、誰もがほとんど意識することなく、コンセントに電源ケーブルをさすだけで使えますが、AIが本当にそのレベルで意識せずに使えるようになるかというと、少し疑問は残ります。

もちろんGoogle HomeやAmazon Echoなどのスマートスピーカーのように、意識せずにAIを使える製品は増えていくと思います。

一方で、仕事において使うという意味では、そこまでカンタンにはいかないのではないかと考えています。

今のところ仕事で使うAIについては、電気というよりもパソコンに近いイメージを持っています。

最近はスマホである程度代替可能という面もありますが、仕事をする場面では、パソコンがないと仕事にならないという人は多いでしょう。

でも、使いこなしている人とそうでない人の差が大きく、その差が仕事の生産性にも影響を与えるという意味で、仕事で使うAIは電気よりもパソコンというのが私の抱くイメージです。

パソコンの普及期にも同じような議論があったような気が

古い話になりますが、Windows95の発売以降、急速にパソコンが普及したときにも、今のAIと同じような議論がありました。

「パソコンでホワイトカラーの仕事が奪われる」と。

ただ実際にはパソコンが理由で失業者が街にあふれたという話は、一度も聞いたことがありませんし、今やパソコンがオフィスワーカーの仕事を奪うと考える人はいないでしょう。

また当時よく言われた別のフレーズとして

「パソコンはソフトがなければただの箱」

といったものもありました。

結局、「何がやりたいか」がはっきりしていないと単なる置物にしかならないということです。

今AIも同じような状況だと理解しています。

「なんかAIって流行ってそうだから、導入したら仕事楽になるんじゃない?」

といった感覚で導入してもうまくいくわけはありません。

「この業務のこんな課題を解決したい。そのための方法として検討した結果、AIが最適。」

という流れでで、導入していかないと、ただの箱どころか、箱すら残らないことになってしまいます。

目的と手段をはっきりさせずに、手段が目的化してしまうと、うまくいかないという状況は、昔も今も変わりません。

スキルのミスマッチは必ず起きる、だからこそ今から準備が必要

とはいえ、「昔も同じような議論があって、実際たいした影響なかったんなら、今回も何も心配する必要はないのでは?」と考えているわけではありません。

AIの普及が進んだときに、なくなってしまう仕事はやはりあるでしょう。

パソコンの普及で、会計業界でも紙の伝票や帳簿はなくなってきたわけですし、AIの普及はそれ以上の大きな変革をもたらす可能性は十分にあります。

何年かたてば、AIがないと仕事が進まない、という存在になっていくはずです。

大きな技術変革により社会が変わっていく際には、まずなくなる仕事があり、その後新しい仕事が生まれるという流れになるため、一時的にはどうしても社会に痛みが生じます。

そのとき問題となるのは、なくなった仕事をやっていた方が、新たに生まれた仕事をするだけのスキルを持ち合わせていないという点です。

こうしたスキルのミスマッチは、避けようがありませんが、だからこそAIを「仕事を奪う敵だ」というスタンスではなく、積極的に知って、活用して何ができるかをもっと体感すべきでしょう。

新しい技術の中身も知らないで、そのあとに来る世の中で必要とされるスキルを知ることはできません。

ならば、その変わった先の社会を先取りしていった方が、きっと幸せになれるはず。将来に向けて今できることは、「行動を起こすか、起こさないか」の一点のみというのが、今の私の意見です。

今できることは何か、という観点で先日こんな記事を書きました。ご興味のある方はご一読ください。

AI時代に向けた勉強法は、「読み・書き・そろばん」をバランスよく