今回の内容は税理士向けのものですので、そうした話題にご興味のない方は読み飛ばしてください。
1.税理士の利用者識別番号はひと味違う?
今回のケースは、税理士登録する前にe-Taxの利用者識別番号を取得し、その後税理士登録をした方が該当します。
e-Taxの利用開始に当たり利用者識別番号という16桁の番号が付与されますが、一般の方が取得する場合と税理士として取得する場合では、意味合いが異なります。
税理士として取得した場合には、他の方の申告書を代理で提出したりするための「税務代理区分」が付与されるのですが、税理士以外として利用者識別番号を取得した後に税理士登録をした場合には、この「税務代理区分」を付与するための変更届を提出する必要があります。
この手続きを行わずに、お客様の電子申告を行おうとすると
「送信される方の利用者識別番号が申告等データ内の利用者識別番号と一致しません。税理士等の方が代理送信される場合は税務代理による利用が可能な利用者識別番号かを確認してください。」
などのメッセージが表示されてエラーになります。
2.変更届の提出方法
変更届けの提出は、e-Taxのウェブサイトから行うことができます。
手順は以下の通りです。
1.「メッセージボックスの確認」の2つ下にある「利用者識別番号や暗証番号をお忘れになった場合」をクリック
2.「変更等届出書の作成・提出」をクリック
3.「その他の変更等届出(個人)」をクリック
4.「3 税務代理による利用の開始」を選択
5.必要事項を記入して「次へ」をクリック
6.ここでも必要事項を記入して「次へ」をクリック
提出先の税務署が間違っていないか注意してください。
7.この画面では「利用者識別番号」は必須ではありませんが、入れておいた方が親切かと。
また、税理士本人からの送信ですから、「税理士等の方が代理送信される場合は、左の四角にチェックの上、氏名等を入力してください。」は不要です。念のため。
8.この後確認画面が表示されますので、入力内容に間違いがないか確認してから、「送信」をクリックしてください。
3.連絡は郵送でやってくる・・・
「さあこれで代理送信ができるぞ!」と思ったのですが、送信先の税務署でチェック・確認した後でないと送信できないとのこと。
税務署での確認が終了すると、「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」という書類が郵送で送られてきます。
なぜ、ネット上で手続きしたのにe-Taxのメッセージボックスに送られてこないのか不思議で仕方ありませんが・・・。
なお急ぎの場合は、「送信」ボタンを押した後に表示される受付番号を控えておき、送信先の税務署にいつ頃処理できるか確認された方がよいかと思います。
「税務代理区分」が付与されているかどうかはどこにも表示されていないため、「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」でしか確認できないというのも、なんとかしてほしいものです。
以上、税理士の利用者識別番号のトラブルについてまとめました。お客様の電子申告しようとしたけどエラーが出た、とお困りの方のお役に立てば幸いです。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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