世代間のギャップに戸惑う瞬間は、仕事をしていると誰にでも訪れるものです。しかし、その「違い」を安易に世代のせいにして終わらせてしまう前に、少しだけ立ち止まって考えてみませんか。
世代が違う人と仕事をするとカルチャーショックを受ける?
みなさん、こんにちは。京都の税理士、加藤博己です。
昨今は、ITツールやAIを活用した効率化の追求が語られる場面が多いものです。
ネットやニュースを開けば、「AIで確定申告を劇的に効率化!」「クラウド会計で生産性向上!」といった見出しが溢れかえっています。
しかし、私が今年請け負った案件の中には、そうしたテクノロジーの進化がまるで遠い異世界の話のように感じられるものもありました。
具体的に申し上げると、デジタル化とは無縁の「手書きの帳簿」が目の前に並び、メールでのやり取りはできず、お支払いは現金をご希望されるお客さまがいらっしゃいます。
そんなお客様への対応をしていると、少々カルチャーショックを受けることもあります。
「今の時代に、まだこんなにもアナログな環境があるのか」という驚きと、私たちが普段当たり前のように使っているデジタルツールが全く届かない『別の世界』があるのだと、改めて実感した申告期間でした。
世代が違うと、ここまで価値観や慣習が異なるのか。そんな現実に直面し、改めて「世代間ギャップ」という言葉の重みを感じました。
すべて世代のせいとするのは間違い
しかし、その一方で、この「カルチャーショック」を、単に「世代の違い」という言葉で片付けてしまって、本当にそれで良いのだろうか、と。
冷静に周りを見渡してみると、私と同世代、あるいはもっと若い世代であっても「パソコンやデジタルツールが極端に苦手」という方は一定数いらっしゃいます。
逆に、私よりもずっと年上の世代であっても、新しいガジェットを使いこなし、私よりも遥かに早くAIツールを導入している方もいらっしゃいます。
また、年配の方=現金払い、という図式も必ずしも正解ではありません。キャッシュレス決済をスマートに使いこなし、むしろ私よりも効率的に支払いを済ませる方も珍しくありません。
もちろん、「世代」という背景を完全に無視することはできません。
その人が生きてきた時代背景や、教育環境、社会情勢は、個人の考え方に少なからず影響を与えます。同じ時代を生き抜いてきた者同士には、暗黙の了解や共通の言語があるものです。
ただ、目の前の事象に対して、思考停止状態で
「すべて世代が違うから仕方ない」
「これだから〇〇世代は」
と決めつけてしまってはいないでしょうか。
もしそうであれば、それは自分自身の可能性を狭めているのと同じことかもしれません。
「世代の違い」を思考の免罪符にしてしまっては、人間関係においても、ビジネスの改善においても、本質的な問題解決にはたどり着けないものです。
決めつけているのも自分、勝手に壁を作らないように
結局のところ、相手との間に壁を作っているのは、相手ではなく自分自身なのかもしれません。
「年配の方にはデジタルは難しいはずだ」「この世代には新しい試みは受け入れられないだろう」と、こちら側が勝手にラベリングをして、最初から可能性を排除してしまっている。
そうした姿勢が、結果としてコミュニケーションの断絶を招いているのかもしれません。
これからの時代、いろんな場面でAIや新しいテクノロジーを無視して進めることは難しいでしょう。
「自分はこの世代だから、新しいことは少し苦手で……」という言い訳は、そろそろ卒業しなければなりません。
むしろ、そうした言い訳こそが、自分の成長を止める最大の壁になるのでしょう。
だからこそ、意識的に自分自身をアップデートし続ける必要があります。
頑張ってAIの使い方を勉強し、たとえ最初は使いこなせなくても、食わず嫌いせずに触れてみる。相手がどんな世代であれ、個人の好奇心や柔軟性を信じて向き合ってみる。
まだまだ、できることはたくさんあるはずです。
勝手に壁を作らず、目の前の相手としっかりと対話し、テクノロジーを正しく活用する。
そうした姿勢をなくさずに、いろんな取り組みをやっていこうかなと。そんなことを考えた確定申告の時期でした。
投稿者

- 加藤博己税理士事務所 所長
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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