生成AIについては継続して情報収集をしていますが、最近考えていることなどをザックリとまとめておこうかと思います。

生成AIの今後の方向性は個別化?

生成AIについては、進んでいる人はいろいろ活用しているなと思いつつ、自分のペースでボチボチ使っています。

いろいろと情報収集もしていますが、最近いろいろ学ぶ中で感じるのは、将来的にはAIは汎用的なものから個別的なものへと進んで行くんじゃないかなと。

現状では生成AIって割と汎用的に使うもので、文章を添削したり、英訳したり、プログラムのコードを書いたりといろんなことができますが

「自分しかできない仕事を肩代わりすることはできない」

という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。

生成AIは膨大な情報を学習していますが、例えば私の仕事に関する情報はこのブログを除いてネット上に公開している訳ではないので、当然その内容について学習することはできません。

そのため、そうした情報がないと判断できない部分をやってもらおうとすると「できない」となってしまうわけです。

この点、最近AIについて調べていると「RAG」という言葉を耳にする機会が増えてきた気がします。

私も正しく理解できているか自信はないですが、イメージとしてはAIが回答する際に外部のデータベースを参照することで、回答の精度を上げるというもの。

要するに社内のデータベースを参照して、汎用的な生成AIが提示するよりも自分のところにあった回答をしてもらうといったイメージで理解しています。

これができるようになると「自分にしかできない仕事を代わりにやってもらう」という可能性が出てくるのではないでしょうか。

今後のAIの方向性を考えたときに、汎用的なものでは限界があり、こうした方向性に進んで行くのではないかと考えています。

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データの集約を意識しておくべきか?

で、こうしたことを考えた場合に前提となるのは

「業務に関するデータが存在すること」

です。

資料が紙しかないとか、スキャンしたけどOCRがかかっていないとなると、参照すべきデータがありません。

今や資料はパソコンでつくることがほとんどなので、データがないという心配は不要かもしれませんが、もう一点気になるのは

「データがどこにあるか」

という点です。

例えばGoogleが提供する生成AIであるGeminiがこうした機能を持った場合、恐らく参照できるデータはGoogleドライブ内のデータに限られる可能性が高いのではないでしょうか。

そうなるとGoogleドライブ以外にデータを保存していると、参照する外部データベースが不十分となって本当に必要な回答を得られないかもしれません。

私の場合、お客さまとのデータ共有については、相手のご要望に合わせてDropboxとGoogleドライブを使い分けています。

将来的に手許のデータを参照してAIを活用しようとしたときに、こうした運用がネックになる可能性があるんじゃないかと。

※顧客と共有しているデータを参照して利用することに伴い生じる可能性がある、法的な問題は一旦無視して考えます。

オンラインストレージ上のデータだけであれば、定期的に片方にコピーすることで対応できるかもしれませんが、コミュニケーションツールの方はもっと難しいかもしれません。

現状でも、Gmail、チャット、Trelloと連絡方法は多岐にわたっています。

ドライブ上に保存しているデータよりも、こうしたコミュニケーションとしてやりとりしているデータの方が、参照すべき情報としては価値が高い可能性も十分にあります。

これを今からどれかひとつに絞って、一元化するというのは結構厳しいかなと。

もし想定する方向に世の中が進んでいったとしたときに、こうした点がネックになって十分に活用できない可能性があるのでは、という点が最近気になっています。

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複数のサービスをカバーできるものが出てくる?

とはいえ、複数のオンラインストレージやコミュニケーションツールをカバーしてAIを活用できるサービスが出てくる可能性もゼロではありません。

例えばNotionAIは最近のアップデートでGoogleドライブ内のデータ(PDFを除く)を参照できるようになりました(参照するにはまだいろいろと制限がありますが)。

この方向性で連携できるサービスが増えてくれれば、先ほど心配していたような点は特に問題とはなりません。

まだ存在もしないサービスについてアレコレ心配する必要はないのかもしれませんが

「自身の事業に関するデータをどうやって持っておくか」

という点については、少し意識をしておいた方がいいのではないかと最近考えています。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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