「生成AIをプログラミングに活用しよう」という意見をよく耳にしますが、「誰でも」「カンタンに」とはいかないことも多いものです。生成AIをプログラミングに活用する際の注意点について考えてみたいと思います。

過去のブログを読み直して気付いたこと

先日、過去のブログを見返していてこんな記事を書いていたことに気付きました。

書いたのが2018年8月なので5年以上前の記事ですが、内容としては

『プログラミングはコードを書くよりも「何をしたいか」という発想の方が大事』

といったことを書いています。

実はこれって、今の方が当時よりももっと当てはまる考え方だと思います。

今や生成AIを使えば、プログラムのコードを代わりに書いてもらうことができます。

コードの書き方についてはかなり悩まずにすむようになりましたので

「プログラムを使って何をしたいか」

と考えたり、思いついたりする「発想力」が重要です。

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ChatGPTに「マクロを書いて」と依頼するとどうなるか

以前のブログで取り上げたExcelのデータをCSVファイルに保存するマクロを、ChatGPTに作ってもらうとどうなるでしょうか。

こんな感じで、簡単な指示をすれば一瞬でコードを書いてくれます。

このコードをExcelに貼付けて、次のシートに対してマクロを実行したところ、問題なくCSVファイルを作成してくれました。

このようにカンタンなので「これからは誰でもプログラミングが書ける!」と考えてしまいがちですが、やはり注意すべき点はあります。

それは「最低限の基礎知識は持っておくべき」ということです。

そもそもExcelマクロの作り方自体を知らない人がコードを書いてもらったとしても、このコードをExcelのどこに貼付けて、どのように実行するかわからないという可能性があります。

これでは、コードを書いてもらっても実際に使うことはできません。

こうした知識なしにマクロを作ろうという方はいないかもしれませんが、やはりマクロについての基礎知識なしでは生成AIを活用してプログラムを作ることはできません。

Option Explicitを自動的に書いてくれない

またマクロをきちんと勉強すると、ほぼすべての教材や講座で

「マクロの最初にはとにかく Option Explicit と書いておくように」

と教えられます。

プログラムの中で使う「変数」という数字や文字の入れ物がありますが、Option Explictと書いておくと

今から「○」という名前を変数として使います

と宣言しないと変数として使えません。

「なんでそんなものが必要なの?」と思われるかもしれませんが、変数の打ち間違いによってマクロがうまく動かないというミスを防ぐことが目的のひとつとして挙げられます。

仮に「Kato」という変数を使ってマクロを作成する中で、誤って「Katou」と書いてしまったとします。

Option Explicitが書いてあると

「Katou」なんて変数は宣言されてないから間違ってるよ

とExcelが教えてくれるわけです。

ChatGPTに書いてもらったものを一切修正せずにそのまま使うだけであればこうした問題は起きませんが、将来的に内容を少し変更することもあるでしょう。

そうした際のトラブル防止には、Option Explictを宣言しておくべきですが、こうしたことは基礎知識がないとなかなかわからないものです。

コードを読めないと自分で修正できない

ちなみに、ChatGPTが最初に作ったコードではExcelファイルそのものをCSVファイルとして保存します。

マクロ処理後に作業を続けた後にファイルを保存しようとすると、ファイルがCSVファイルになっているため、書式や式を保存できません(ファイル形式を改めてExcelに変更すれば保存できます)。

そのため、Excelファイルそのものではなく、別途CSVファイルを作成するマクロを作りたい場合は、先ほどの続きで次のように依頼します。

ここまでくると初心者の方には内容を理解するのが少し難しくなってきます。

内容がわからないということは、トラブルが起きたときに自分で対処できないということです。

もちろんChatGPTに改めてエラーの原因を調べてもらうという方法もありますが、こうしたやり方では解決できないケースも当然あります。

だからこそコードは書けなくても、少なくとも読めるようにしておくべきでしょう。

なお、ChatGPTが作り直してくれたマクロでは、CSVファイルを作った際にそれぞれのデータをダブルクオーテーションで囲っています。

これでも問題なくCSVファイルとして扱えるケースもありますが、ソフトによってはうまくいかないケースもありえます。

こうした点を修正する際にもやはりプログラミングの基礎知識は必要となるでしょう。

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生成AIを活用するためには基礎知識を持つべき

プログラミングを活用して業務を効率化するためには、コードを書く能力よりも、業務をどのように変えたいか考える力の方が重要だという点については考え方は変わりません。

ただ、生成AIを使って効率的にコードを作ろうとするのであれば、逆説的かもしれませんが、やはりプログラミングの知識は必要となります。

こうした知識なしで使おうとすると

  • コードを書いてもらうための的確な指示が出せない
  • 作ってもらったコードが想定通りの処理をするか自分でチェックできない
  • トラブルが起きたときに対処しきれなくなる

といった問題が生じる可能性があります。

Excelマクロを始めとしてプログラミングが使えると業務効率化の幅が広がります。

そのためにもまずは使いたいツールの基礎知識をきちんと学んでおきませんか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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