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弥生のスマート取引取込でCSVファイルをインポートする際に気になる点がありましたのでまとめておきます。

データがあれば大量の仕訳も瞬時に登録?

会計ソフトへの仕訳入力ですが、手入力で1件ずつ入力していた時代もありました。

手入力する以外にCSVファイルをインポートする方法はありましたが、会計ソフトが指定するデータ形式に合わせてデータを準備する必要があり、誰でもカンタンにできるものではありませんでした。

最近では特にクラウド会計を中心に、CSVファイルやExcelファイルで必要最低限の項目さえ準備すれば、データとして取り込んで勘定科目などを推測してくれる機能が次第に増えてきたこともあり、記帳作業はかなり楽になったといえます。

パソコンにインストールするタイプの会計ソフトである弥生会計でも

スマート取引取込のCSVファイル取込

として同様の機能が提供されています。

この機能については何度か取り上げていますが、正直なところ「少し微妙」と感じています。

インストール型のソフトにムリヤリオンラインの機能をくっつけたような形になっているため、クラウド会計ソフトと比べるとツギハギをしたような印象をどうしても持ってしまいます。

そのためあまり積極的には使っておらず、大量のデータを処理することは今までありませんでした。

ところが最近になって大量のデータ処理をする機会があり

「ここを改善してくれたらもっと使いやすいのに」

と感じる点がありましたので、まとめておこうと思います。

弥生のスマート取引取込で大量のデータを扱う際に気になる点

弥生のスマート取引取込で大量のデータを扱う際に気になったのは、次の2点です。

  1. 一度に取り込めるデータが150件まで
  2. エラーが発生したときにエラーとなったデータがわからない

具体的に確認していきましょう。

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取込データ数の制限

スマート取引取込においてCSVファイルを読み込むと

「未確定の取引」

として表示されます。

勘定科目等を確認の上で確定すると「確定済みの取引」となり、このデータを弥生会計に取り込むことになります。

ところが1画面で表示されるのデータは150件までとなっていて

画面に表示されているデータの確定→弥生会計への取込

という作業を画面ごとに繰り返す必要があります。

複数ページにわたるデータを今まで扱ったことがなかったため気付いていませんでしたが、先日複数ページにわたるデータを弥生会計に取り込もうとしたところ準備したデータと比べて取り込まれたデータ数が明らかに少ない。

そこで確認する中でこの仕様に気付きました。

弥生会計はパソコンにインストールするソフトですが、スマート取引取込はオンライン上のサービスです。

そのため、弥生会計に取り込むとスマート取引取込が終了して弥生会計の画面に戻りますが、また取り込むために改めてスマート取引取込の画面に移動しなければなりません。

最初はデータを1回で取り込めないなんてあり得ないと思い、調べてみたところ、公式のサポートページにおいて

弥生会計製品への取引の登録は、1ページごとに行う必要があります。
[未確定の取引]画面や[確定済みの取引]画面で、取引は1ページに最大150件表示されます。登録したい取引が複数ページに渡って存在する場合は、1ページ分の取引の登録が完了した後「スマート取引取込」の画面に戻り、残りのページに表示されている取引を登録します。

との説明が(太字は筆者)。

[未確定の取引]が複数ページにわたる場合の登録方法| 弥生会計(スマート取引取込) サポート情報

「さすがに取り込んだCSVデータを1回で取り込みできないっておかしくないですか?」ということで、この点改善してほしいと思った次第です。

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エラー発生時の挙動について

1回あたり150件しか取り込めないため、弥生会計とスマート取引取込を何度も往復してデータの取込をしていましたが、途中で

「仕訳の取り込みでエラーが発生しました」

との表示が。

エラーについては公式ホームページでの解説として次のものがありました。

スマート取引取込で「仕訳の取り込みでエラーが発生しました。」が表示される| 弥生会計(スマート取引取込) サポート情報

今回はバックアップ処理以外でのエラーだったのですが、対応策としては

再度、スマート取引取込を起動して[確定済みの取引]から該当する取引を送信します。

とのこと。

これを読んで驚いたのは

どのデータがエラーになったのか明示してくれない(自分で「確定済みの取引」から探して取り込むデータを自分で指定しないといけない)

という点です。

スマート取引取込はインターネット上のサービスですから、エラーが起きることもあるとは思いますが、どのデータがエラーになったのか自分で確認しないといけないというのはさすがに不親切じゃないかと。

一般的なサービスであれば、エラーになったデータだけをソフトが特定して、再度取り込み処理をしてくれるものが多いと思います。

今回については、色々チェックしてみてどうやらデータは取り込まれていたようですが、この仕様だとエラーが怖くて大量のデータを一度に処理するのは不安を覚えます。

この点についてもなんとかしてほしいものです。

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足りない部分を理解した上で上手に活用する

弥生会計のスマート取引取込について改善してほしいと感じた点を2つ挙げました。

1件ずつ手入力することを思えば許容できないわけではありませんが、特に2つ目のエラー処理については、自衛のために

一度に大量のデータを取り込まない

といったことを考えた方がよいかもしれません。

こう書いておいて何ですが、データ処理するのにまとめて処理できないというのもなんだかおかしな話だと思いますが・・・。

機能としてなければ困るのも事実なので、課題があることを理解しつつ上手に活用することを考えたいものです。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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