税理士が英語を話せるとメリットがあるのかどうか。そんなことを少し考えてみました。
海外の時にどれくらい英語使ってたかというと・・・
先日Twitterで
「英語のできる税理士って少ない」
という話がありましたので、それを受けて思っていることなどをまとめておこうかと。
会社員時代に欧州で約7年間仕事してましたが、経歴としては
- 30~33歳:イギリスウエールズ(2年3ヶ月)
- 33~35歳:チェコピルゼン(2年1ヶ月)
- 35~38歳:日本で勤務(3年)
- 38~40歳:スロバキア(2年7ヶ月)
となります。
すべて製造子会社の勤務で、当然通訳などつけてもらえるはずもなく。
イギリスを除いては、マネージャークラスに英語のできる人材を採用して、仕事の指示は基本的にマネージャーを通じて現地スタッフに伝える、といった感じでした。
英語を使う機会は、職場での日々の会話やメールのやりとりくらいで、イギリス以外は観光地を除くと英語が通じないことも多く、日々の買物などは基本スーパーマーケットで、レジに表示された金額を無言で支払うという状況。
レジ担当者から現地の言葉で話しかけられないか、ビクビクしながら過ごしていました(笑)。
日本で仕事していた3年間も、米国子会社の経理部門(日本人出向者なし)と毎月テレビ会議があったため、一応英語を使う機会はありました。
正直言えば、英語で話をするのは英米人よりもネイティブでない方が、お互いに
「相手も母国語じゃないから」
という配慮があって話しやすかったです。
英米の方は割と
「世界中の人すべてが英語話せるだろう」
みたいなノリで話しかけられるので
「ちょっと待って、もう少しゆっくり話して」
ということが多々ありました。
余談ですが、スロバキアの時に経理処理について現地の監査法人と少し揉めたことがあって
「担当者では判断がつかないから、現地監査法人の責任者に直接説明して欲しい」
との依頼があり、私が対応することに。
「スロバキア人に説明するんだし私の英語でも問題ないだろう」
と高を括っていたら、実は当日になって現地トップがイギリス人だとわかり
「なんでスロバキアのトップがイギリス人やねん・・・」
と焦ったことも。
あと、仕事とプライベートでいえば、圧倒的に仕事の方が英語が通じやすい。
仕事・職場という前提となる共通理解があり、語学力が少々足りなくても、図を描いたり身振り手振りも交えてコミュニケーションすればなんとか通じるものです。
聞く側も、仕事なので多少はガマンして聞いてくれますし。
一個人として、生活上の手続きとか買い物するときの方がコミュニケーションを取るのが大変だった記憶があります。
こんな感じで、泥臭く英語でコミュニケーションを取るという経験を約7年間してきました。
英語が話せる税理士は重宝されるか?
所変わって、日本で税理士という仕事をしていると英語を使う機会があるかどうか。
あくまで個人的な見解ではありますが、ほとんど使う機会がないし、メリットも特に感じてないです。
「税理士+英語」という組み合わせでいえば
- 日本在住の外国人の方
- 外国法人の日本子会社のサポート
といった仕事が考えられますが、私自身はこうした仕事に関わった経験が無いので、英語でコミュニケーションしていた経験を特にメリットとしては感じていません。
こういう仕事って、どちらかというと東京近辺が多いんじゃないかと勝手に想像してます(偏見かもしれませんが)。
仕事の上で「外国語」を求められる可能性はありますが、そもそもその「外国語」が英語とは限りません。
日本在住の外国人の方でいえば、日本語よりも英語ができる可能性の方が高く、英語ができて困ることはありませんが、どれほどの需要があるかはよくわかりません。
ちなみに以前、地元の税理士会から
「たまに英語対応の問合せが税理士会に来るので、英語対応できる人は登録して」
という要請もありましたが、あまり魅力を感じず結局登録しなかったので、私が積極的にそういう機会を取りにいってないだけかもしれません。
引出しは多いほうが機会は広がる
どちらかといえば
「税理士にはそれほど英語って必要ないんじゃないか」
というスタンスではありますが、自分の引出しはいろいろあって困ることはないはず。
将来どこかで誰かのお役に立てる機会があるかもしれませんし、自分のどのスキルがこの先の役に立つかは今の時点ではわからないものです。
後から振り返れば
「今までやってきたこともムダじゃなかったな」
と思えることもあるんだろうなと。
こんなことをまとめていたら、改めて英語の勉強でもしておこうかなという気分になってきました。
チャンスはいつ訪れるかわかりませんから、そのときに備えて準備はきちんとしておく。
そういう姿勢が大事なのかもしれません。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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