Excelでは使う機会の多い「条件付き書式」。同様の機能がGoogleスプレッドシートにもありますので、使い方を確認しておきましょう。
条件に応じて書式を変えたいときは「条件付き書式」
Excelを使っていて、空白セルや特定の金額だけセルの色を変更したい、といったケースはよくあります。
こうしたケースでよく使われるのが「条件付き書式」という機能ですが、Googleスプレッドシートにも同様の機能があります。
例えば、次のような表があったとして、売上金額が1万円未満の時だけ、セルの色を変えたい場合。

C2からC11のセルを選択した状態で、「表示形式」-「条件付き書式」をクリックします。

すると、右側に「条件付き書式設定ルール」が表示されますので、「書式ルール」の中の「セルの書式設定の条件」をクリックして、

「次より小さい」をクリックします。

「値または数式」欄に「10000」と入力して「完了」をクリックすると、

1万円未満のところだけ、セルの背景色が変わりました。

チェックボックスと連動させてみよう
これで話が終わってしまっては、あまりにも面白くありませんので、今回はもう一工夫してみましょう。
Googleスプレッドシートの機能で、個人的に便利だと感じているもののひとつに、「チェックボックス」があります。
Excelにも同様の機能がありますが、位置調整を手動でやらないといけないなど使い勝手が悪く、使うことはほとんどありません。
先ほどの表の右端に、チェックボックスを追加するには、チェックボックスを追加したいセル(今回は、D2~D11)を選択した状態で、「挿入」-「チェックボックス」をクリックします。

すると、チェックボックスが挿入されます。

今回は、このチェックボックスにチェックを入れたときに、その行のセル色が変わる方法を考えてみましょう。
ポイントとなるのは、チェックボックスにチェックが入った状態と入っていない状態で何が違うのか、という点です。
先ほどのスクリーンショットでは、D2セルを選択していますが、セルの数式を表示する欄には「FALSE」と表示されています。
次に、チェックボックスのチェックを入れた状態で数式欄を確認してみると、今度は「TRUE」と表示されます。

つまり、Googleスプレッドシートは
- チェックが入っている状態=TRUE
- チェックが入っていない状態=FALSE
と認識しているわけです。
この違いを使って、条件付き書式の条件式を設定してみましょう。
セルA2からD2を選択した状態で、「表示形式」-「条件付き書式」をクリックします。
「条件付き書式設定ルール」が次のような状態の場合は、「+条件を追加」をクリックします。

「書式ルール」-「セルの書式設定の条件」をクリックして、「カスタム数式」を選んでみましょう。

「値または数式」欄に「=$D2=TRUE」という式を入れて、色の選択欄で先ほどとは違う色を選んでから「完了」をクリックします。

『D2セル、つまりチェックボックスのあるセルが「TRUE」(=チェックが入っている)だったら、A2~D2セルに指定した色をつけてね』という条件を設定していることになります。
条件式のところで、Dの前に「$」という絶対参照のマークをつけているのは、あとで条件付き書式をコピペする際に、チェックボックスを参照する式がずれないようにするためです。
最後に、A2~D2のいずれかのセルをコピーして、A3~D11のセル範囲を選択します。
右クリックをして、「特殊貼り付け」-「条件付き書式のみ貼り付け」を選びます。

これで、チェックボックスをチェックすると、その行のセル色が変わる仕組みができました。

最初に設定したルールが残ったままだと、売上金額の欄だけ違う色になってしまいますので、このルールが不要であれば、「条件付き書式設定ルール」のところで最初のルールの右側に表示されるゴミ箱マークをクリックして、この条件を削除しましょう。

ちょっとした工夫で効率はあがる
いかがでしたでしょうか。
最初は「チェックボックスとセルの色を連動させるなんて難しそう」と思われたかもしれませんが、意外とカンタンにできます。
今回は表の横にチェックボックスをつけただけので、「こんな使い方するの?」と思われたかもしれませんが、使い途はいろいろあるものです。
例えば、複数人でタスクリストを共有している場合など、終わったタスクのチェックボックスにチェックを入れれば、完了したタスク行の色が変わりますので、終わっていないタスクを一目で確認できるようになります。
ほんのちょっとした工夫ではありますが、こうした工夫をすることで意外と効率は上がるものです。
今回の機能、今の自分の仕事などで活用できる場面がないか、一度検討されてみてはいかがでしょうか。
投稿者

- 加藤博己税理士事務所 所長
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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