「こんなの価値はないだろう」と思っているものに値段がつくことがあります。そこで、自分が気付かない価値をどうやって見つければよいか考えてみたいと思います。
紙の新聞広告に価値を感じる人がいるという事実
今月12月4日、「鬼滅の刃」コミックス最終巻の発売に合わせて、全国紙に広告が掲載されました。
当日朝、新聞を読んでいて「コミックスの発売に合わせて、こんな大きな広告を出すんだ」と驚きを持って眺めていました。
ところがさらに驚かされたのは、そのあとに見たネットニュース。
それは、この広告が掲載された新聞が高値でメルカリに出品されている、というものでした。
新聞をコンビニ等で買っても、高いものでも200円はしなかったはず。
それがニュースに貼付けられていた画像を見ると、高いものだと800円といった値段がついているわけです(実際にその値段で売れたかどうかわかりませんが)。
新聞を購読する方が減少傾向にある中で、流行中のものが掲載されたという事情はあるものの、「たかが古新聞」に定価以上の値段がつくことが驚きでした。
私にとってはただの「古新聞」であっても、それに大きな価値を感じる方は実際いらっしゃるわけで、何に価値を感じるかは人によって大きく異なるんだなと。
そう考えると、仕事の上で、実際自分が持っているスキルや自社が抱えている有形・無形の資産についても、自身は価値を感じていなくても、お金を払ってでも提供してほしいと考えている方もいる可能性は大いにあります。
そこで、「そうした自身が気付いていない価値をどうやって見つければいいか」について少し考えてみたいと思います。
なお、個人的に、今回のような高額転売を推奨するつもりは一切ありませんので、一言申し添えておきます。
自分が気づいていない価値の見つけ方
自分が気付いていない価値をどうやって見つければよいか?
言うのはカンタンですが、実際には容易なことではありません。
できることとして挙げられるのは、
- 自分のスキル・できることを書き出す
- 素直に人に聞く
- とにかく自分ができそうな事を人に伝える(発信する)
といったことではないでしょうか。
まず最初は自分自身の認識を確認するためにも、自分が思う自分のスキルやできることを書き出してみること。
この際に、ある程度強制的に出さないと、自分が気付いていないものが出てきません。
そのため、例えば50個とか100個とか、「そんなにあるわけない」と感じるくらいの数を決めて、ムリヤリ書き出すというのが一つの有効な方法です。
先に数を決めておけば、自分ではそんなに強みと思っていなくても、「まあ、一応挙げてもイイかな」というれべるのものも書き出さざるを得なくなります。
そうした作業の中で、自分があまり意識していなかったスキルやできることが見えてくる可能性があります。
それでもなかなか見えてこないというときは、素直に自分の周りの人に聞くしかありません。
とはいえ、会社での上司との評価面談といった場面以外では、面と向かって「私のスキルって何ですか?」とは聞きづらいでしょう。
臆することなく聞ける方はそれでよいと思いますが、そうでなければいろんな方と話をする機会を作って、その会話の中からヒントを探していくしかありません。
意識して会話をしていれば、その中から何かを得ることはできるはずです。
最後は、自分ができそうな事を周りの方に伝えていくこと。
自分ができそうなことを、周りの方が積極的に根掘り葉掘り聞いてくれることはまずありません。
何かの機会に「そんなことできたの?」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。
いろんな機会にさりげなくでも「こんなことできます、あんなことできます」と伝えていけば、「じゃあ、これはできないの?」といった話につながり、自分が気付かない価値が見つかる可能性が出てきます。
面と向かって伝えにくいのであれば、ネット上に書いておくというのも一つの方法です。
「こんなこと言っても仕方ない」と考えるのではなく、とりあえず気楽に「こんなこともできるんですよ~」くらいの感じで伝える事が、自分が気付かない価値を見つけることにつながるでしょう。
発信しなければ見つけてもらえる可能性はゼロ
結局のところ、自分で気付いていない価値というのは、他人から気付かせてもらうのが一番確実な方法だと考えています。
そうするためには、他人から気づきを与えてもらう機会をいかにして増やすかが重要です。
とはいえ、こちら側についての情報が少なければ、相手の方が何かに気付いたり、言ってくれる可能性は低いままです。
なので、自分ができることを積極的に発信する、これが重要。
先ほども書きましたが、自分が気付いていない価値に気付くというのは、口で言うほどカンタンなことではありません。
だからこそ、機会を増やして確率を上げることが大事です。
新商品や新サービス、新しい飯の種が見つからないと悩む中小企業も、やるべきことは同じでしょう。
その会社が何ができるかが伝わっていなければ、新しい仕事の依頼にはつながりません。
次につながる可能性を少しでも上げるためにも、今日から自分・自社ができそうなこと、今までより少しだけ多く発信してみませんか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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