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仕事などで成果をあげていくには、どんな姿勢で臨むべきか。最近読んだ2冊の本から考えてみました。

最近読んだ方向性の異なる2冊の本

最近といっても、もう一月ほど経ちますが、以下の2冊の本を続けて読みました。

「自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング」(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ著 サンマーク出版)(以下、「ブレイン・プログラミング」)

「成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方」(フランス・ヨハンソン著 CCCメディアハウス)(以下、「クリック・モーメント」)

誤解を恐れずに簡潔にまとめると・・・

「ブレイン・プログラミング」は、

「目的を明確にして、脳にそれに関連する情報だけを探してもらうことにより、自分の目的を達成しよう。脳にはそうした能力が備わっている。」

といった内容で、

「クリック・モーメント」の方は、

「目的に関連する情報だけ拾っていると、見落とす情報がたくさんある。それ以外の情報から得られるランダム性が大きな成功を生むことがある。多少のムダも大事。」

というふうに理解しました。

たまたま続けて読んだのですが、

  • 「ブレイン・プログラミング」では、余計な情報は入れずに目的達成に必要な情報だけをひたすら集めるべき
  • 「クリック・モーメント」では、何がどんなきっかけで成功につながるかわからないので、そうしたきっかけを大事にしよう

と、「情報」に対するスタンスが真逆になっていて、読んでいて非常に興味深かったです。

T字型人材をつくるための「集中」と「弛緩」

で、この2冊を読んで何を思い浮かべたかというと、「T字型人材」という言葉。

昔からある言葉なので、最近使われるのかどうかわかりませんが、

  • T字の縦棒:深い専門性
  • T字の横棒:広く浅い知識

であり、広く浅い知識を持ちながらも、誰にも負けない深い専門性も持っている人材、といった意味で使われていました。

そして先ほどご紹介した2冊の本ですが、「ブレイン・プログラミング」は、まさに余計な情報をそぎ落として、一つの専門性に特化していくイメージ(T字の縦棒)で、「クリック・モーメント」の方はいろいろな情報を入れながら、広く浅い知識を得ていくイメージ(T字の横棒)に近いんじゃないかと感じたわけです。

つまり、どちらか一方が正しいというわけでなくて、両方をうまく組み合わせていく必要があるんだろうと。

テーマや目的が決まれば、「ブレイン・プログラミング」の考え方で、そのテーマを極めたり、目的を達成するために、常に意識を向けて集中するような状態で取り組んでいく。

そしてテーマや目的が一段落したら、次のテーマや目的を探すために、「クリック・モーメント」のような考え方で、集中する中で切捨てていたような情報にも、ゆったりとした感覚で広く目を向けるようにしていく。

そしてこの2冊を読んでから、いろいろと考えた後に浮かんだキーワードが

「集中」と「弛緩」

でした。

「集中」がT字の縦棒を作り上げて、「弛緩」がT字の横棒を広げていく。そんなイメージが頭の中に浮かんだわけです。

この2冊の本、もともとこうした意味で書かれた本ではないんでしょうけど、2冊続けて読むことで、そんなイメージが頭の中に湧いてきました。

ちなみに、最終的に目指すべき人材の姿としてT字型でいいのか、と聞かれれば、これだけ多くの情報が氾濫する世の中ですから、T字の縦棒が1本では心許なく感じます。

イメージとしては、T字の縦の棒がドンドン増えていくような能力をもった人材になっていく必要があるんだろうな、と。

そしてその縦棒を増やすためにも、横棒を長くしていく必要があると個人的には考えています。

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なにごとも「切替」と「バランス」が大事

最近読んだ2冊の本をきっかけに、とりとめのない話を書きましたが、「集中」と「弛緩」を切替えて、バランスをとることは大事です。

一つのことを極めようとして「集中」ばかりしていると、疲れてきて段々とイヤになってくるものです。

一方で、「弛緩」した状態にずっといると、いつまで経っても成果としてまとまったものは出てきません。

そのため適度にこの2つの状態をうまく切替えて、バランスをとっていくことが、成果を上げるために必要なことなんじゃないかと。

「集中」して一つのことをひたすら考え続けて、形としてまとまったら、その後は「弛緩」して、切捨て・見落としていたことも含めて、いろんな情報を自分に入れていくようにする。

そうしたことを意識しながら、仕事をすればうまくいくんじゃないかと、そんなことを考えさせられる2冊の本でした。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち、7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
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