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「野良ロボット」って・・・

「野良ロボット」って一体何?

前回RPAについて書きましたが、いろいろ情報収集をしていると時々目にする言葉があります。

「野良ロボット」

「なにこれ?」という感じで読んでいたのですが、要するに「中身がよくわからなくなってしまったロボット」ということのようです。

(RPAで作成したソフトウエアを「ロボット」と言います。)

昔話になりますが、「これからはエンドユーザーコンピューティングの時代だ!」とかいわれて、会社の中の各部署で独自にExcelマクロを組んだりしたものの、担当者が変わってしまうと中身がよくわからなくなり、誰も面倒を見ることができずに結局使われなくなってしまった、ということがよくありました。

大きな会社で情報システム部門が、ルールを決めて管理していれば問題はないと思いますが、各部署で独自にロボットを作り始めてしまうと、転勤などで作成者がいなくなると、中身が解明できなくなる恐れがあります。

極端な話、新入社員が仕事の引き継ぎを受けて、「このロボットのボタン押して、出てくる資料を上司に報告するだけでいいから」なんて引き継ぎを受けて、そのロボットがうまく動かなくなってしまったりしたら、真っ青になりますよね。

私もサラリーマン時代に似たようなことやらかした経験があり、その時のことを以前ブログに書きました。

私がExcelマクロをやめた理由

プログラムを見た人が理解できるように「コメント」を残す

RPAを少し触ってみましたが、プログラムを書くよりも、はるかに敷居は低いです。

そのため、「これならできそうだ」と新たに始める方も出てくると思いますが、個人や小規模事業者で使う場合であっても、内容をきちんと分かるように準備してすすめる必要があります。

そうしないと後で、「あれ、これ一体何の処理しているんだっけ?自分で作ったはずなんだけど・・・」という状況に陥り、結局余計な時間がかかり、効率化につながらない恐れもあります。

Excelマクロにせよ、RPAのロボットにせよ、設計図をきちんと準備することが最も理想的ですが、現場での改善活動の中ではなかなかそこまでできないのが実情です。

もちろん、自分以外にプログラムが分かる人がいなければ、いくら設計図を残しても結局はなんの役にも立ちませんが、だからといって何もしなくていいわけではありません。

少なくとも、プログラムの各ブロックでどのような処理をしているのか分かるように、プログラムの中に「コメント」を残すということが大事です。

これは他人に内容を理解してもらうということだけではなく、自分自身にとっても重要です。

自分が作ったプログラムであっても、3ヶ月後に見てみると、「一体これ何したかったんだろう?」などということは頻繁に起こります。

こうしたコメントを書くという作業は、結局は将来の自分への引き継ぎという意味合いも大きいわけです。

ちなみに、コメントの書き方は、Excelマクロであれば、メモとして残しておきたい行の頭に「’」(シングルクオーテーション)をつけるだけです。

前回触れたRPA(正確にはRDAというべきですが)のWinAutomationであれば、下の図の赤丸をつけたアイコンをクリックすると

次の画面が表示されますので、ここにコメントを入力して「OK」を押すだけです。

幸い、WinAutomationのサンプルには、コメントがしっかり書いてありますので、どのようにコメントを書くべきかの参考になります。

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仕事の見える化は大事、最終的には自分のため

コメントを残すことにより、仕事の内容を「見える化」し、3ヶ月後か1年後かわかりませんが、今の自分から将来の自分への連絡事項として伝えることができます。

仕事をしていると、自分がやった仕事であっても、「あれ、これって何がしたかったんだっけ?」とか、「この作業あの時どんな手順でやったっけ?」などとなることは(少なくとも私は)頻繁に起きます。

その為、プログラムではなくても、年に数回程度繰り返し発生するような仕事については、自分用の作業マニュアルを作成しています。

それは、マニュアルを作成するために一度だけ手間をかけたほうが、トータルとしてのかかる時間を短縮することができるからです。

プログラムにおけるコメントにせよ、作業マニュアルにせよ、他人に仕事を引き継ぐ際にも重要ですが、同様に将来の自分に対する引き継ぎという意味もありますので、日々意識して進めていくべきでしょう。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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