先日ある人の話を聞いて、決算前のチェックリストを作っていないことに気づきました。改めてチェックリストを使ってチェックする効果を確認してみましょう。
目次
無意識のうちに自分の記憶に頼っていませんか?
今回は改めて、チェックリストを使うことの効果・効用について確認してみましょう。
チェックリストを使うことのメリットは、何といっても「ミスを防げる・減らせる」ということでしょう。
それだけ効果のあるチェックリストですが、意外と
「わざわざリストにしておかなくても、自分のアタマの中にちゃんと入っているから」
「毎回やっていることだから、わざわざリストにしてなくてもミスなんかしないし」
「チェックリスト作るほどのことでもないし」
と思っていませんでしょうか。
特に定期的に行っているチェックの場合、慣れてしまっていて無意識のうちに自分の記憶に頼ってチェックしていませんか?
そこで今回は、
「自分の記憶に頼るチェックはやめて、チェックリストという形で文書化しましょう」
という話をしたいと思います。
私自身、できあがった決算書をチェックするためのチェックリストは使っているのですが、先日ある人の話を聞く中で、決算前に確認すべき内容や決算対策についてチェックリストにまとめていないことに気付きました。
意外と「自分でわかっているつもり」になってしまっていて、リストを作った方がいいのに作れていないケースがあるんじゃないか、そんな風に考えたのがきっかけです。
チェックリストにより得られる3つの効果
チェック項目をチェックリストにまとめることで、得られる効果とは?いろんな効果があるでしょうけれど、今回はそのうちの3つを挙げてみます。
1. 記憶しておく・思い出すという脳の負担が減る
チェックリストという形で文書にまとめることにより、チェックすべき項目を記憶しておく必要がなくなります。
私たちは、毎日朝起きてから寝るまでの間に、膨大な回数の意思決定や判断を行っています。
そうした状況において、「覚えておく」「思い出す」といったことに、貴重な脳のリソースを使う必要はありません。
自分への負担を減らすためにも、チェックリストという形にまとめてしまいましょう。
2. 毎回同じレベルでチェックができる
記憶に頼ってチェックしていると、自分では毎回同じレベルでチェックしているつもりでも、体調などにより意外とチェックするレベルにブレが生じます。
チェック作業をしていると、
「今日はいろんなチェックポイントが次々とアタマに浮かんでくる」という日があったり、「毎回何をチェックしていたか、あまり思い出せない」という日があったりしませんでしょうか。
記憶に頼っていると、体調やその日の忙しさの度合いによって、チェックのレベルは確実に違ってきます。
毎回同じレベルのチェックを行うという品質確保のためにも、チェック項目を事前にきちんと決めておくというリスト化をオススメします。
3. リストを眺める機会が増えると抜け・モレ・ダブりに気付きやすい
リストを作ると、作る過程において自分のアタマの中にある知識・ノウハウを整理することができます。
それだけではなく、リスト化したものをチェックのたびに眺める機会を持つことにより、
「そういえば、この点もチェックしたほうがいいな」
「なんで、今までこれをチェックしていなかったんだろう」
「このチェックダブっているから、次回から省略していいな」
といった気づきを得ることができます。
アタマの中の記憶に頼っていると、このような気づきがなかなか得られませんし、仮に気付いたとしても、次のチェックの際に忘れてしまっている可能性もあります。
チェック項目の見直しにつながるという意味でも、チェックリストを作る効果は大きいわけです。
「あと他にチェックすることなかったかな?」と思ったら…
チェックリストを作成する効果について考えてみましたが、いかがでしたでしょうか。
「そういえば、アレについてリスト化した方がいいかも」と感じた仕事はありませんでしたでしょうか。
「わかっているつもり」という状態は、ミスにつながりやすいものです。そうした時こそチェックリストを作成することをオススメします。
特にチェックリストを作った方がいい場面を挙げるとすると、チェックしていて
「あと他にチェックすることなかったかな?」
と感じるケースです。
抜け・モレがないか自分の記憶の中を探っているわけですから、チェックが不十分ではないかと自分自身で感じている証拠です。
また、わざわざ記憶を思い起こすという作業も、脳のリソースを消費してしまっています。
こうしたケースでは、ぜひ一度チェックリストにまとめてみましょう。
今回の記事を読んで、「そういえばあのチェックは、リストにしておいた方がいいかも」とアタマに思い浮かんだものがあれば、まずはカンタンなもので良いのでチェックリストを作ってみましょう。
一度作ってしまえば、そのあとのチェックリストの改良は意外とはかどるものですよ。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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