時間は誰にでも平等に与えられた唯一の経営資源です。その限られたリソースを「今、本当に注力すべきこと」に投資できているか、一度立ち止まって考えてみませんか。

その手間、本当にかけるべきものですか?

みなさん、こんにちは。京都の税理士、加藤博己です。

日々、経営者の皆様と接していてふと感じることがあります。「なぜ、あえてその手間を選んでしまっているのだろう?」と。

例えば、銀行の振込手数料を節約するために、わざわざ現金で支払うというケース。

あるいは、複数の銀行口座を使い分け、数円でも手数料が安いところを細かく選んで振り込んでいるケース。

これらは一見すると「経費削減」という合理的な判断に見えるかもしれません。

もちろん、昨今の物価高騰の折、1円を笑う者は1円に泣くという考え方も理解できます。

しかし、冷静になって考えてみてください。その「節約」のために費やしている時間は、果たしてどの程度の価値を生んでいるでしょうか。

時給換算してみると、実は手数料の数十円を浮かせるために、時給数千円、あるいはそれ以上の価値があるはずの経営者自身の時間を削っている……。

まるで、数十円の特売のために遠くのスーパーまでガソリン代と時間をかけて買い出しに行くようなものです。

「節約」という言葉の響きは心地よいものです。しかし、その行為が本当に利益を生んでいるのか、それとも単に「やったつもり」になっているだけなのか。

一度、その手間がもたらす本質的なコストを見直してみる必要があるのではないでしょうか。

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何に時間を使うか「優先順位」をきちんと決めていますか?

「そんなこと、仕事の現場ではさすがにしていないよ」と思われた方も多いかもしれません。しかし、企業の規模を問わず、似たような「時間の浪費」が現場で起きていないでしょうか。

よくある事例として、以下のような状況が挙げられます。

  • 外注を頼むのがもったいないからと、本来の業務ではない事務作業を残業や休日出勤をしてまで対応している

  • 「自分しかできない仕事だ」と思い込み、雑務を抱え込んだ結果、肝心な経営判断や意思決定が後回しになっている

  • 新規事業の検討や顧客との対話といった「未来への投資」に、十分な時間を割けていない

これらは本当に正しい判断でしょうか。

例えば、あなたが事務作業に追われているその時間に、もし売上を上げるための戦略を練ったり、顧客と信頼関係を深めるための対話ができたりしていればどうでしょう。

会社はもっと成長し、社員への還元も可能になっていたかもしれません。

事務作業に時間を取られすぎて、本来経営者が担うべき「会社を伸ばす仕事」が疎かになってしまう。これこそが、実は経営において最も大きな損失(機会損失)であると私は考えます。

誰にとっても平等に与えられている24時間。その24時間を何に使うか、どの優先順位で動くかを決めるのは、他の誰でもない自分自身です。

「自分でやったほうが早いし、コストもかからない」という考えは、短期的には正解に見えるかもしれません。

しかし、中長期的な視点で見れば、それは会社の成長を自ら止めていることと同義ではないでしょうか。今のあなたの時間の使い方は、会社の未来をつくるために機能していますか?

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たまには時間の使い方の見直しを

忙しい日々の中で、私たちはつい「目の前の作業」に追われてしまいがちです。しかし、忙しいことと生産性が高いことはイコールではありません。

たまには、今の時間の使い方を一度棚卸ししてみることをお勧めします。例えば、一週間分の日々の業務を書き出し、その中で「本当に自分である必要があったか」「外注やツールで代替できなかったか」をチェックしてみてください。

「やめること」を決めるのは、「やること」を決めるのと同じくらい重要です。事務的な作業から解放され、空いた時間を本当の意味での「経営」に注ぎ込めたとき、会社は大きく変わります。

・・・と、偉そうに書きましたが、確定申告の業務に追われ、今の時間の使い方が本当に妥当かどうか。そんな疑問を自分自身の業務について感じましたので、自分の反省も踏まえてまとめてみました。

自分の時間を何に割り振るか、優先順位を決めることは大事なポイントです。忙しいときほど、少し立ち止まって時間の使い方を考えてみませんか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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