先週人間ドックを受診してきましたが、受診する度に定期的なチェックの重要性を実感します。その一方で、会社や事業の状況について、定期健康診断のようなチェックできていますか?
目次
自分の体は気になるけれど、会社の健康は気にならない?
先週人間ドックを受診しました。
毎年受診していますが、昨年より数値が改善したものやよくなっていないものなどいろいろあります。
受診して毎回感じるのは、現在の自分の状態を把握することの重要性です。
人を雇って手広くやっているわけではありませんので、自分が倒れたり大きな病気をしてしまうと、お客様や家族に迷惑をかけてしまいます。
そうならないためにも、定期的に悪いところがないか確認して、問題が見つかれば早めに対処することが大切です。
自分の健康については、このように定期的にチェックしている方も多いと思いますが、ご自身の会社や事業についてはどうでしょうか?
「確定申告書つくるのに使うだけだから、そのときにまとめてやればいいや」
とか
「毎月チェックするなんて、そんなことしている時間ない」
ということで放置していませんでしょうか?
自分の体の健康診断は、大きな病気など手遅れにならないように見つけるためのものです。
会社の健康診断も、対処すべき問題がないか、手遅れになる前に見つけるために行います。
会社や事業も、人間の健康と同じようにノーチェックで放置すると手遅れになるかもしれない、と考えれば定期的にチェックすることの重要性をご理解いただけるのではないでしょうか。
定期的に数字をチェックする上で大切な3つのポイント
会社や事業の数字を定期的にチェックする上で、大事なポイントは3つあります。
1. チェックを行う頻度を決めて継続すること
いろんなポイントがあるとはいえ、「定期的にチェックを行う」という習慣が定着していなければ何も始まりません。
年1回、確定申告の時しかチェックしていないのであれば、例えばまずは半年経過した時点でチェックしてみる、それができるようになれば3ヶ月(いわゆる四半期)ごとにチェックしてみる、といったように少しずつ頻度を上げていけばよいでしょう。
もちろん毎月きちんとチェックするのが理想的ですが、無理のない範囲で始めて、チェックするという習慣を身につけることが大事です。
2. 過去の数字と比較してどのように変化したかチェックすること
数字をチェックする際に、なんとなく数字を眺めても得られる情報はほとんどありません。
昨年の数字と比較して、
- 現預金は増えているのか、減っているのか
- 売上・収入は増えているのか、減っているのか
- 経費や投資は増えているのか、減っているのか
といったことを確認する必要があります。
過去の数字がきちんと整理されていれば、残高の推移グラフや年計表という形にまとめることで、傾向として増加しているのか減少しているのか把握することが可能です。
大きな流れを把握することで、会社や事業が抱える課題や対応策を検討しやすくなります。
3. チェックする時点での会社・事業の体質を把握すること
過去からの変化を確認するだけでは十分とは言えません。
例えば、人間の体でいえば、170cmの身長の人が体重30Kgしかなかったら、さすがにマズイですよね。
同じように、例えば現預金の残高が事業を継続していく上で必要十分となっているかなど、チェックする時点での会社の体質がどうなっているかという確認も重要です。
チェックするポイントとしては、
- 会社の総資産に対して、現預金がどれくらいあるか
- 現預金と借入金とのバランスがとれているか
- 事業に貢献していない不要な資産が増えていないか
等々いろいろありますが、事業の内容や状況に応じて適切なチェック方法を見つける必要があります。
「自分ひとりでは、どこを見ていいかわからない」ということであれば、専門家に一度相談してみることもひとつの方法です。
推移とその時点の状態の両方を確認することで、得られる情報は格段に増えます。
「定期的なチェックが必要」ということをまずは意識する
人の体の健康診断だけでなく、会社や事業についての健康診断も重要ですよ、というお話をさせていただきました。
何事も手遅れとなるまで放置してから改善させることは難しいものです。
定期的にチェックして問題点がないか早め早めに見つけることで、そうした状況を回避できます。
そのためにも、まずは定期的にチェックすることを習慣化する必要があります。
自分ひとりではできそうもない、ということであれば外部の専門家のサポートを受けることもひとつの方法でしょう。
とはいえ、まずはご自身でやってみないことには、自分ひとりでできるのか、他者のサポートが必要なのか判断することもできません。
この記事を読んで、「自分の会社や事業のチェックができていないのはマズイ」と感じたのであれば、まずは自社の数字に目を通してみてはいかがでしょうか。
もし、そもそもチェックするための数字がまとまっていない、ということであれば経理の体制を見直す必要があるかもしれません。
「チェックしないと…」と考えることで見えてくる課題はあるはずです。まずはチェックの必要性を意識することから始めてみませんか。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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