効率化を追い求めていた時期から、あえて「余白」を大切にする時期を経て、今また新しい視点でインプットと向き合い始めています。 今回は、一度はやめた音声学習をなぜ今再開したのか、その心境の変化についてお話しします。

以前、音声インプットをやめた理由

みなさん、こんにちは。京都の税理士、加藤博己です。

数年前までの私は、散歩の時間を「絶好の学習時間」と捉えていました。

税理士という仕事柄、常に新しい知識をアップデートし続けなければなりませんし、経営に関する学びも尽きることがありません。しかし、一日の時間は24時間と限られています。

「机に向かう時間だけが勉強ではない。歩いているときの『耳』は空いているじゃないか」

そう考えて、音声教材をスマホに取り込み、散歩中には常にイヤホンを耳にしていました。

少しでも効率を上げようと、1.5倍速や2倍速で聴くのが当たり前。とにかくインプットを増やそうと効率を最重要と考えて対応していました。

ところがある時、ふと立ち止まって感じたことがありました。 「インプットばかりしていて、頭の中を整理する時間がまったくないのではないか?」と。

歩きながら誰かの言葉を聴き続けている間、私の脳はインプットに専念しています。

しかし、本当に大切なのは、得た情報を自分なりに咀嚼し、血肉に変えること。あるいは、今抱えている仕事の課題について、じっくりと深掘りすることではないか。そう思うようになったのです。

実際、イヤホンを外してぼんやりと景色を眺めながら散歩をしていると、不思議と新しいアイデアが浮かんできたり、複雑な案件の解決の糸口が見えてきたりします。

思考が流れるままに身を任せることで、点と点が結びつく瞬間がある。

昔の偉人たち(私は偉人ではありませんが)が散歩中に偉大な発見をしたというエピソードも、きっとこの「思考の余白」があったからではないかな、と。

「もっとボーッとする時間、自分の頭だけで考える時間を持つべきでは」と考え、一度、音声インプットの習慣をきっぱりと手放しました。

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音声インプットを再開した理由

それからしばらくは「無音の散歩」を堪能していたのですが、最近になって、また歩きながら音声教材を聴くことを再開しました。

主に聴いているのは、以前購入して一度は耳にしたことがあるコンテンツです。

なぜ、一度はやめた習慣を再開したのか。 きっかけは、前回のブログで「書くネタがない」とこぼした自分自身の状態にありました。

「ネタがない」というのは、突き詰めれば自分の中から絞り出すものが枯渇している状態です。

なぜ枯渇するのか。それは単純に、材料となる「インプット」が不足しているからではないか、と。

以前の私は「インプット過多だから整理する時間が必要だ」と考えていました。

しかし、それは自分の勝手な主観による線引きで、実際にはまだまだ入れるべき情報が足りていなかった。

世の中で圧倒的なアウトプットを続けている人たちは、私の何倍、何十倍もの密度でインプットを継続しています。

「余白」を作ることに集中しすぎて、肝心の「素材」を入れることを疎かにしていたのではないか。 インプットが足りないから、思考のエンジンも回らず、結果として「ネタがない」という状況を招いていたのだとすれば、これは大きな誤算です。

「今の自分には、まだ圧倒的に知識も刺激も足りていない」 そう謙虚に認め、もう一度耳からの情報を解禁することにしました。

改めて聴き直してみると、以前は聞き流していたフレーズが心に響いたりするなど、早速ポジティブな変化を感じています。

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習慣に正解はないのでたまには見直してみる

今回、音声インプットを再開してみて改めて感じたのは、「習慣に絶対的な正解はない」ということです。

以前の私には「耳を空けておくのはもったいない」という時期がありました。

その後「散歩中は思考を巡らせるべきだ」が私にとっての正解となり、そして今は、「ネタ切れを防ぎ、思考を活性化させるためにインプットを強化しよう」というフェーズにいます。

これらはどれも間違いではありません。その時の自分の状況や、仕事のステージ、あるいはアウトプットの頻度によって、最適な習慣は常に変化していくものだからです。

一度「これが自分に合っている」と決めてしまうと、私たちはついついそのルールを頑なに守ろうとしてしまいます。

しかし、習慣が形骸化してしまったり、自分の成長を止める壁になってしまったりしては本末転倒です。

「最近アウトプットが滞っているな」と感じたら、それは習慣を見直すタイミングなのかもしれません。

「以前はやめたけれど、今ならまた違う気づきがあるかもしれない」 「ずっと続けてきたけれど、一度やめてみたらどうなるだろう?」

そんな風に、自分の習慣を定期的にメンテナンスし、今の自分にとって心地よいバランスを探り続けること。 音声を聴きつつ散歩しながら、そんな「習慣の再構築」を楽しんでいる今日この頃です。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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