やりたいことがあるのに「忙しくてできない」と感じている人は多いのではないでしょうか。そんな時、自分の中の優先順位を改めて見直してみませんか。

税理士業務の繁忙期?

一般的な税理士の仕事としては11~12月頃から5月頃まで

年末調整→個人の確定申告→3月決算

という流れで、いわゆる「繁忙期」に入ります。

この流れの中には書いていませんが、1月には

  • 償却資産税の申告
  • 給与支払報告書の提出
  • 法定調書の提出

といった業務が入ってくるため、年明けから気持ちが落ち着かないということも多いものです。

このように締切りのある作業量が増えてくると、ついつい

「忙しいから○○できない」

と感じる人も多いのではないでしょうか。

ここで「○○」というのは、自分が本当にやりたいことや、やっていて楽しいことをイメージしてください。

でもこれって本当に「忙しい」からできないのでしょうか?

ついつい「忙しい」を言い訳にしてしまいがちですが、考え方を変えることで、できることもあるのでは。

ということで、今回はこんな話題を取り上げてみたいと思います。

広告

「忙しくて○○できない」は自分が選択した結果

私も以前は「忙しくて○○できない、ムリだ」と考えてしまうことがよくありましたが、段々と考え方を変えるようにしてきました。

具体的には

「忙しくて○○できない」

というのは

「自分の持っている時間を○○に割り当てなかっただけ」

ということだと。

自分が○○することに時間を割り当てずに、それ以外のことに優先順位を置いた結果、○○することに時間を使わなかっただけ。

自分が○○を優先すべきだと判断しなかっただけ、ということです。

このように書くと

「いやいや、そんなこと言っても締切りも決まっていて、やらなきゃいけないことがたくさんあって・・・」

という意見があるかもしれません。

実際、締切りなどがあって「やらなければならない」「やらざるをえない」ことはいくらでもあります。

でも結果的にそれを優先するという判断をしたのは自分自身です。

冷静になって

「それは本当に○○することよりも、そこまで高い優先順位を置くべきものだったのか」
「気持ちが焦りすぎて、必要以上に優先順位を高くしていないか」

と問い直してみると、優先順位の置き方が違うんじゃないかと気付くことがあります。

それでも

「優先順位を見直しても、やはり順番は変えられない。自分は効率化して時間を生み出して○○する。」

と考える方もいるかもしれません。

ただ正直なところ「時間を生み出す」ことには限界があります。仕事を効率化するにしても、作業スピードは上限なく早くなるわけではありません。

最も確実な方法は「仕事をなくすこと」ですが、なくせる仕事であればそもそも高い優先順位を置く必要はありません。優先順位の見直しで十分対応できます。

また「食事に毎回30分かけていたので、これを5分にすればいい」とか「睡眠時間を削れば時間を捻出できる」といった考え方には賛同できません。

体力がある若いうちはよいとしても、こうしたムリをするとあとで必ずしっぺ返しがあります。

やはりやりたいことがある場合には、優先順位のつけ方を見直すべきでしょう。

広告

ものの見方・捉え方を変えると行動が変わる

今回の話は「効率化で時間を生み出そう」といった話とは異なるものです。

もちろんムダな仕事はすべきではありませんし、そうしたものは積極的に改善する方法を考えるべきという点に異論はありません。

ただ、それとは別に「忙しい」と感じたときに

「それって自分がそうなるように選んだ結果だよね」

という視点で考えるようにすると

「自分の時間を何に割り当てるか」

という選択の問題として捉え直すことができます。

そうすると今まで時間をかけていたことの中で優先順位を落としてよいものが見つかり、その分の時間を○○に割り当てる余地ができるのではないでしょうか。

こうして実際に○○に多少なりとも時間を使うことができれば、結果として自分の行動が変わったことになります。

ちょっと考え方を変えるだけですが、自分が固執してしまっていたものが見えてくることも多いものです。

「忙しいから○○できない」と感じたら、自分の優先順位の置き方が本当に自分が求めているものになっているか、一度見直してみませんか。

投稿者

加藤 博己
加藤 博己加藤博己税理士事務所 所長
大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。

40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。

中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。

現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。

さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
広告