「生成AIは間違えることもある」という説明、あたらめて考えると結構大きな考え方の転換かなと思います。今回はそんなことについてつらつらと書いてみました。
「Excelもたまに計算間違えるんですよ」はありえない
パソコンが普及しはじめたときのイメージとしては
パソコンそのものは計算を間違えない。正しい結果が返ってこないのは人間がが入力や使い方を間違えるからだ。
というものだったと思います。
要するに、人間側が使い方を間違えなければ正しい結果が返ってくる機械だと。
実際のところ、もし
「Excelもたまに間違うことあるんですよ」
なんて状態だったら、製品としてはここまで普及することはなかったでしょう。
ちなみに、厳密にいえばExcelには小数点の計算で問題があることが過去からいわれてますが、その話は一旦横に置いておきます。
ご興味のある方は、以下リンク先などご参照いただければ(私も完全には理解できてないですが・・・)
Microsoft Learn:浮動小数点演算が Excel で不正確な結果をもたらす可能性がある
ミスしても許されるコンピューター?
その一方で生成AIが出てきてからは
「ハルシネーションといわれる現象があり、間違った答えを返すことがある」
という説明が一般的にされるようになりました。
要するに生成AIが「知ったかぶり」をして、間違ったことを答えることがあると。
もちろん生成AIが登場したことで、代わりに文章を作ってくれたり、チェックしてくれたり、翻訳もしてくれるなど、従来と比べてとんでもなく複雑なことができるようになりました。
ExcelにSum関数を入力して合計を出していた世界とは別物といえます。
その一方で、表示される内容を鵜呑みにできなくなったわけですから、いまや使う前のチェックは欠かせません。なんだか以前より人間ぽくなった気がします。
人との仕事でいえば、部下がいたりスタッフを雇っている方だと、その仕事内容については多かれ少なかれ最終的なチェックが必要です。
生成AIの登場で、パソコン(スマホもひっくるめての話ですが)もなんというか、同じような扱いになったのかなと。
生成AIごとに癖や得手不得手があって、使う側も誰(どの生成AI)を採用(利用)するかよく考えて決める。その上で、出てきた仕事についてはチェックをした上で使うことになると。
「コンピューターも間違えることがある」という前提で、いつの間にか普通に使うようになってきていて、その状況に慣れつつあるのが現状です。
これって結構大きな考え方の転換じゃないでしょうか。いつの間にかそうした考え方に慣れてしまっている自分に気付いて、最近改めて驚いた次第です。
位置づけを理解して上手に使いこなすことが大事
生成AIについて、人を雇って使う状況に似通ってきているといった内容を書きましたが、実際にはあまり難しく考えずにツールとして上手に使えばいいと考えています。
位置づけが
「正確だけれども、できることがある程度決まっていた機械」
から
「不正確な部分もあるが、できることが大きく広がった機械」
に(変わったのではなく)広がったのだという点を理解した上で、自分なりの付き合い方を決めていけばよいのではないでしょうか。
人であればコンピューターであれ、完璧は存在しないということで、限界や問題点を理解した上で上手に使っていきましょう。
投稿者
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大学卒業後、大手上場企業に入社し約19年間経理業務および経営管理業務を幅広く担当。
31歳のとき英国子会社に出向。その後チェコ・日本国内での勤務を経て、38歳のときスロバキア子会社に取締役として出向。30代のうち7年間を欧州で勤務。
40歳のときに会社を退職。その後3年で税理士資格を取得。
中小企業の経営者と数多く接する中で、業務効率化の支援だけではなく、経営者を総合的にサポートするコンサルティング能力の必要性を痛感し、「コンサル型税理士」(経営支援責任者)のスキルを習得。
現在はこのスキルを活かして、売上アップ支援から個人的な悩みの相談まで、幅広く経営者のお困りごとの解決に尽力中。
さらに、商工会議所での講師やWeb媒体を中心とした執筆活動など、税理士業務以外でも幅広く活動を行っている。
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